2015年06月13日

スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方 (The Skeleton Twins)

監督 クレイグ・ジョンソン 主演 ビル・ヘイダー
2014年 アメリカ映画 93分 ドラマ 採点★★★

兄弟が居るには居ますが如何せん上とは親子ほど歳が離れている末っ子なもんで、ほとんど一人っ子みたいに育った私。なもんで、兄弟が居るってのがどんな感覚なのかさっぱり分からぬまま大人になり、気が付いたら兄弟の親に。子供たちを見てれば多少は兄弟の感覚ってのを理解できるかと思いきや、一番上と一番下は強烈な一人っ子気質で互いに我関せずですし、その上“お前の物は俺の物”なジャイアン気質でもあるので、そんな二人に上下から挟まれた真ん中の長男はただただオロオロする毎日。想像してた兄弟像とは随分とかけ離れているので、やっぱり未だ理解できず。

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【ストーリー】
偶然にも同じ日に自殺未遂を犯していた事がきっかけで10年振りの再会を果たした、二卵性双生児の姉マギーとゲイの弟マイロ。マギーはマイロを夫と暮らす故郷のニューヨーク州へと招き共同生活を送ることに。思い描いていた人生を送れていないことを嘆くマイロと、幸せな生活を衝動的に壊そうとしてしまうマギーは共に時を過ごす中で、ある種の平穏を得たように思えたのだが…。

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クレイグ・ジョンソンが『ブラック・スワン』のマーク・ヘイマンと共に手掛けた脚本を映像化した、フワっとしたユーモアに彩られたドラマ。製作総指揮を『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』のデュプラス兄弟が。
誰もが羨むような“良い夫”と共に築いた幸せ“に見える”家庭を自ら壊そうとするが如く浮気を繰り返す姉と、理想としていた人生とは程遠い現実に自暴自棄となった弟が、自殺未遂をキーワードに結び付き、人生そのものを再度見つめ直す様を描いた本作。姉弟を覆う自ら命を絶った亡き父への想いと遺した言葉の呪縛、家族を捨てた母に対する怒りと諦め。それとは別に、“理想の夫”に無理に合わせるために生まれるマギーの虚無感や、初めての相手でもある男性教師との再会が過去との再会を意味し、それによってより一層理想と現実とのギャップに苛まれるマイロ。そんな二人が苦しみながらも一つ一つの重荷から解き放たれていく様を、過度に商業的でも過度にアート的でもない、非常に瑞々しくもフラットに描き上げていた一本。
ただまぁ、この“過度に商業的でも過度にアート的でもない”ってのが良い意味でも悪い意味でも如何にもサンダンス的で、“良い映画”っぽい雰囲気こそ生み出しているが、キャストと題材の割にはそれ以外の個性に非常に乏しいってのも事実な一本で。ちょっと捻くれた言い方をすれば、「この映画面白いよ!」と言っておけば通っぽく見られるって意味で便利な作品だったなぁと。

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マイロに扮したのは、『メン・イン・ブラック3』のビル・ヘイダー。元々表現力の豊かなコメディアンである上に、サタデーナイト・ライブでの持ちキャラにゲイのステフォンがあるので、そのステフォンをちょいシリアスにした本作のマイロ役がハマらないはずもなく。
また、マギーに扮したのはビル・ヘイダーとはサタデーナイト・ライブの同期生であり、『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』『アドベンチャーランドへようこそ』『宇宙人ポール』と4回目の共演となるクリステン・ウィグ。生まれ育った町にまだ住んでいるのに同級生に滅多に出会わない、ぱっと見普通なのに世界観が他者と全く違う隠れ変わり者を好演。綺麗な顔立ちなのに目が虚ろって所が、そんなマギーにピッタリだったかと。
その他『インクレディブル・ハルク』のタイ・バーレルや、『ラン・オールナイト』のボイド・ホルブルックらがキャスティングされているが、やっぱりサブタレ的に一番嬉しかったのが『Gガール 破壊的な彼女』のルーク・ウィルソン。この作品を手に取った7割方の理由がコレ。すごい久しぶりに見たんですけど、ちょいと個性が過ぎる女性を全面的に応援するいつもの応援芸を披露してくれてたので満足。他の役者であったら嫌味な役になりそうな“理想の夫”なんですけど、ルークが演じると全く嫌味がないってのも彼らしかったなぁと。途中からはもう完全にルーク目線で作品を観てましたし。
ただまぁ、展開上仕方がないとは言えただただ可哀想な扱いを受けるルークに肩入れをし過ぎちゃったので、悪い映画じゃないんだけど何処か嫌味に感じてしまったんですよねぇ。負けるな、ルーク!

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すごく近くて遠い存在なんですかねぇ、兄弟って?

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posted by たお at 11:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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