1991年 アメリカ映画 92分 アクション 採点★★★★
“アクション映画”と一口で言っても、それこそ刑事物やらカーアクションやらと細かく枝分かれするんですが、ここに一つ仲間入りさせて欲しい小ジャンルが“セガール”。一瞬たりともヘタれない主人公が、最初っから最後まで怒りっぱなしで悪役をボキボキする映画。今んところセガールしか作っていないジャンルですが、いずれブラピ主演のセガール映画とか、ニコール・キッドマン主演のセガール映画とか出来ればいいなぁ。
【ストーリー】
麻薬課の刑事ジーノの相棒で幼馴染のボビーが、同じく幼馴染のチンピラ、リッチーに殺害される。怒り狂ったジーノは、ひたすらリッチーを追いに追い回す。
“ぶち抜く。へし折る。ぶん殴る。”と、およそ勧善懲悪ものの映画に付くとは思えないコピーが魅力のセガール映画。アクションに定評があるジョン・フリンだけに、テンポ、切れ味ともに良好で、結局のところ旦那の浮気を止めさせたい奥さんの行動が、ひたすらセガールが怒り狂うことになる結果を呼ぶ、ある意味非常にソリッドな物語ではあるが、マフィアが街の仁義の番人として存在し、イタリア系同士縦横無尽にネットワークを結んでいるブルックリンの下町風情溢れる描写が効果的なため、単調な印象はない。警察、マフィアと絡む人物は大掛かりだが、ブルックリンで生まれブルックリンで死んでいく男達の姿という狭い範囲で描ききっている分、最近のスケールばかりは大きくなったが中身がサッパリのセガール映画にはない男の物語の側面を強く打ち出すこととなっているのも好印象。
で、セガール。もう、歩く傍若無人。息子がキャッチボールをしたいと言えば、お尻に蹴りをバシー!元ボクサーを見れば、鼻っ柱に拳をビシー!と、もうやりたい放題。ビシー!とバシー!の合間に、突如昔話を始めてシンミリとさせたりと、すこぶる絶好調のセガール。身体も頭髪のボリュームも今と比べて非常にスッキリとしていた頃だけあって、合気道をベースにしたセガール拳のキレも良く、その動きは美しくさえある。暴言を吐きながら歩いているだけかと思わせておきながら、ちゃっかりタオルにビリヤードの玉を忍ばせる要領の良ささえも見せるセガール。銃器の独特な構え方に、「さすが元CIA!」と根拠のないプロフィールにコロリと騙されていた若かりし頃を思い出しましたが。そんな絶頂期のセガールが鬼の形相で90分間悪人を追いかけ続け、銃で一発撃たれたくらいじゃなんのハンデにもならないほど格下扱いの『デビルズ・リジェクト』のウィリアム・フォーサイスをボコボコボキボキし続ける様はほとんどホラー。チェーンソー片手に追いかけてくるレザーフェイスより怖い。実際レザーフェイスなら逃げ切ればすぐにでも忘れてくれそうだが、セガールだと50年は根に持ってそうですし。
『レッドブル』などこの手の映画には欠かせないジーナ・ガーションをはじめ、周りを美女オンリーで固める男冥利に尽きるセガールなのだが、対戦相手にダン・イノサントを持ってくるあたりにドラゴン愛をちょっと感じたので、好感度さらにアップで。
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