2014年 アメリカ映画 116分 コメディ 採点★★★
「現代の知識を持ったまま大昔にタイムスリップなんかしたら、神とか王様扱いされてウハウハなんじゃね?」なんて戯言を若い頃はよく妄想したもので。今でもたまに頭を過ぎりますが、「食べ物とか合わなそうだよなぁ」とか「怪我とか病気したら一発アウトじゃん」とか、「そもそも、そんな大昔に神様扱いされたところで何が楽しいんだ?」と夢も希望もない現実的な答えに行き着き、「宝くじでも当たらないかなぁ…」とそれこそ現実的じゃない妄想に上書きされておしまい。これがミドルエイジマンなんですかねぇ。あぁヤダヤダ。
【ストーリー】
1882年のとある西部僻地の町。怪我に病気に殺し合いと、ちょっとしたことが死に直結する野蛮なこの町が嫌で嫌でしょうがないアルバートは、決闘からも喧嘩からも逃げてきた軟弱青年。恋人のルイーズにも愛想を尽かされ捨てられた彼だったが、ひょんなことから町に着たばかりの絶世の美女アナと知り合う。どういうわけか彼に優しいアナに心惹かれるアルバート。しかし、アナが西部一の極悪人クリンチの妻であることを知り…。
『テッド』のセス・マクファーレンが製作/脚本/監督/主演と大忙しで贈る西部劇コメディ。
現代の軟弱者を無法地帯の西部に放り込んだ着眼点と、たんまりと盛り込まれた下ネタ、ジャンゴやデロリアンと共に登場するドクは御本人が演じ、ライアン・レイノルズや祭りのシーンに紛れ込んでいるユアン・マクレガー、声のみのパトリック・スチュワートと、カメオ出演陣もこれまたたんまりと盛り込まれて楽しませてくれる一本。ただ、楽しませてくれるのはそこだけって印象も。
主人公が微妙な成長で終わるのは『テッド』同様なのだが、本作の主人公は「オラこんな村イヤだぁ」って言ってるだけでその成長に大した意味合いが見られないし、下ネタにしても小学生が脈絡もなく「ウ○コ!げははははぁ!」って言ってる並に唐突。「下品がトレードマークだし」と、何か義務感で乱発しているような印象すら。
また、お尻に花を挿される以外はいつも通りだった『フライト・ゲーム』のリーアム・ニーソンや、『ジェニファーズ・ボディ』のアマンダ・セイフライド、『狼の街』のジョヴァンニ・リビシに『ゴーン・ガール』のニール・パトリック・ハリスと出演陣もこれまた豪勢なんですけど、ただ居るだけって感じも。声だけだと非常に表情も表現も豊かなセス・マクファーレンが、顔を出すと途端にそれらが乏しくなるのも正直辛い。なんか、表情の乏しいマイク・マイヤーズみたいでしたし。
ただそれは、主人公が何かを成し遂げる映画を観るつもりだった場合の不満でしかない。これはそんな作品じゃない。恋人に捨てられたダメ男の前に絶世の美女が現れて、単に惚れてるだけではなく彼の全てを受け入れるという夢のような話に、「イイなぁ!それイイなぁ!」と一緒になって妄想して楽しむ作品なんだから。しかも人妻で、旦那はスーパーアウトローときたもんだ。普通なら「ヤッベ!」となるところなんですが、本作の思考回路に則り「そんなスゲェ奴よりもオレの方がイイんだぁ…」と更に呆けるのが正しい鑑賞法。“町一番の不良の彼女(しかも可愛い)に惚れられる”という、男子中学生かリュック・ベッソンしか考え付かないような物語。
そういう意味では、『ヤング≒アダルト』『スノーホワイト』のシャーリーズ・セロンのキャスティングは完璧。ギャングの女にも夢の女にもなれる彼女ならではの役柄。確かに年齢が多少顔に表れてきているが、それがかえって懐の深さを表している印象も。人妻感も増してましたし。
顔やスタイルだけではなく、程よくサバサバしていて程よくシットリしている。しかも優しい上に自分を守ってくれる強さを持っているのに、とことん尽くしてもくれる。尚且つそれがシャーリーズ。もうこれ最強の妄想。そんな都合のいい女性なんて居ないことは重々承知しているからこそ身を委ねて楽しめる、この2時間弱の夢物語。良い夢見させてもらったって意味では、決して満足度の低くない作品で。もう、美人サイコー!
最強最高の当て付け
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
まさにそれに尽きる作品でした(笑)
駄目駄目な僕に学校一の憧れのあの子が!!
いや、素敵な人妻が!!
妄想を共有して楽しめれば文句ない作品ではありましたねぇ。
シャーリーズに惚れられるんですもの!