2015年 アメリカ映画 92分 アクション 採点★★
基本的にギャンブルってものに興味がない私。パチンコやらスロットやらなんかは、もう尚更。所詮ペイアウト率が設定されたプログラム内の出来事でしかないのに、わざわざ攻略本まで買ってる人なんぞ理解できず。しかしまぁ、なんで彼らって勝った時の話しかしないんですかねぇ。「いやぁ○○万負けてさぁ」と金額の大きさを武勇伝の如く話したりもしますが、結局勝った話で締めくくる。マルチが如何に儲かるかを氷のように冷め切った表情で全力で見下す私を前に、瞳孔を開ききった高揚感溢れる顔で熱弁を振るった方のように、一人でも多く道連れにしたいって思いでもあるんですかねぇ。無駄ですよ。やらないですから。
【ストーリー】
ラスベガスで用心棒業を営むニック・ワイルド。そんな彼のもとに、何者かに暴行され大怪我を負った元恋人のホリーから、復讐のために犯人を探し出して欲しいとの依頼が入る。犯人探しは容易だがマフィアが絡むことに気が進まないニックであったが、ホリーの思いに負け復讐に手を貸してしまい…。
『目撃』のウィリアム・ゴールドマン原作/脚本、バート・レイノルズ主演で1986年に製作された『ビッグ・ヒート』の再映画化。今回もゴールドマンが脚本を手掛け、監督には『エクスペンダブルズ2』『メカニック』のサイモン・ウェストが務めたハードボイルドアクション。
スティーヴン・キングの著作内で“小説家と脚本家を両立させた唯一の成功例”として名前が挙がるゴールドマンが脚本で、とりあえずキレの良いアクション演出には定評があるサイモン・ウェストが監督、安心印のアクション俳優ジェイソン・ステイサムを配し、そのアクション俳優ジェイソン・ステイサムの生みの親とも言える『ローグ アサシン』のコリー・ユンがアクションを担当して………なんでこんな映画になる?
ラスベガスの裏と表、重度のギャンブル中毒、若き成功者、滅法強い主人公などなど様々な題材を盛り込むもトーンがバラバラでひとつの作品としてまとまっておらず、狭い空間や障害物を配した中でコーディネートされたせっかくのアクションも、接写と細かいカットで台無し。そもそも異常なまでに強い主人公とギャンブルの闇、妙に凝ったアクションとノワールになりきれない演出、それら全部のベクトルが違う方向を向いてるので一方を取れば他方が邪魔になる、分離したまま混ざり合わない90分。体感時間はプラス30分。『ドリームキャッチャー』以来11年振りにゴールドマンが脚本を手掛けたそうだが、その“11年”が意味するのはこれだったのかなぁと。
主人公にニック・ワイルドに扮したのが、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』『バトルフロント』のジェイソン・ステイサム。寡黙で問答無用の強さを誇る一方、ギャンブルし始めると欲に駆られて目を血走らせる両極端なキャラを演じているが、そのどっちもステイサムらしいので違和感はなし。ただ、作品の中ではそのどっちも浮いちゃうんで台無しなんですが。
また、急に天使のように現れて天使のように去っていく若き成功者に、『スカイ・ハイ』のマイケル・アンガラノが。久しぶりに見ましたけど相変わらず可愛いですし、フワフワしてすぐ死にそうな脆さが合ってたなぁと。作品にではなく、イメージに。
その他、『ロッキー・ザ・ファイナル』で倅に扮してたマイロ・ヴィンティミリアや、意識するとだんだん親父に見えてくるアンディ・ガルシアの娘ドミニク・ガルシア=ロリド、これまた久しぶりだった『ボルケーノ』のアン・ヘッシュ、『リアル・スティール』のホープ・デイヴィスに、暗いし被ってたんで一瞬誰だか判らなかった『ラブリーボーン』のスタンリー・トゥッチなど、「おっ!?」と思う見ごたえある役者が揃ってたのは嬉しかったなぁと。
ところで、冒頭に“昨年の12月”とテロップが出て物語が始まるんですけど、その後どこかで“一年後”とか“現在”とか時間の流れをなんかしら表してましたっけ?3日間くらいの話にしか思えないのに「あのテロップはなに?」と思ったもんで。まぁ、鑑賞中知らずに意識でも失って見逃しちゃっただけかもしれませんが。
胴元でもない限りはギャンブルはやった時点で負け
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
そう思ってしまうほどの作品でした。
もちろんいざとなれば強いし、強すぎる感はあるんですが、作品自体に漂う暗さと、ねっとり感が何とも。
次の主演作品は、今までの彼のイメージを拭い去っていかないとと感じました。
できればTBしますが、できなかったらすいません(^^)
あ、それ、感じました。
最近、カメラワークにこだわっているのか、役者の顔をしっかり映すことにこだわっているのか、同じように感じる作品が何作も・・・
流行なのでしょうか?
>冒頭に“昨年の12月”とテロップが出て物語が始まるんですけど
良かった、そう感じたのは1人きりじゃなかった(苦笑)
どうも自分の作品の個性付けとして、70〜80年代風のアクション映画を作ろうとしている気配もありますよねぇ。面白ければ問題ないんでしょうけど、最近ちょっと当たり外れの幅が広い感じも。
ジャッキー・チェンなんかは自分でコントロールしていたからそうでもなかったんですけど、ジェット・リーのハリウッド作なんかは、このハリウッド的撮影術で彼のアクションの魅力がズタズタにされてましたからねぇ。
>そう感じたのは1人きりじゃなかった
これ、謎なんですよねぇ。。。