2008年 イギリス/アメリカ映画 107分 コメディ 採点★★★
小学校に入るか入らないかの子供の頃、母親が作ってくれた出来立ての汁粉を鍋ごと引っくり返してしまった私。別にそれでこっぴどく叱られたわけでも、それ以外にもたくさん悪いことをしてきたのにも拘らず、「申し訳ないことしたなぁ…」ともう何十年も経ってるのに未だにふと思い出すことが。“罪”とまでは言わないんですけど、そういった罪悪感ってそうそう消え去ってはくれないもんなんですねぇ。
【ストーリー】
ボスの指令によりベルギーのブルージュで潜伏することとなった、新米殺し屋のレイとベテランのケン。次の指令が下るまで観光を満喫するケンとそれに嫌々付き合うレイであったが、下った指令は非情なもので…。
本作が長編デビューとなる、『セブン・サイコパス』のマーティン・マクドナーが脚本と監督を務めたクライムコメディ。「面白そうだなぁ」と思いつつも、「でもコリン・ファレル濃いしなぁ…」とかウダウダしている内にビデオ屋でDVDを見かけなくなり忘れていましたが、ひょんなことから手に入ったんで観てみた一本。
“贖罪”をテーマに描いた本作。殺し屋たちの姿を滑稽に描くと同時に、死と救いのイメージを濃密に漂わせていく物語にまず唸らされる。また、罪を背負った登場人物たちが迷い込む煉獄となる、ブルージュのクリスマスの厳かさも雰囲気抜群。状況こそ違えど、やり過ぎれば『ジェイコブズ・ラダー』になってしまうところを手前で留めたのも、この舞台があったからこそかと。この厳かさと直接的な死のビジュアルとの対比も強烈。
個人的にはサブキャラクターの天使と悪魔的立ち位置をもうちょい濃い目に出しても良かったかと思ったが、アメリカ人イジりの小ネタの数々や個性的なキャラクター達など十分楽しめた一本で。
主人公のレイに扮したのは、『トータル・リコール』のコリン・ファレル。ちょっと濃すぎて正直好みの役者ではないんですけど、本作では特にそんな苦手さは感じず。それどころか、困り果てると8時20分になる眉毛がなんか可愛い。思ったことを顔にも口にも出す、役柄的にほとんど小学男子だったってのもその要因かと。殺し屋のくせに。
そんな小学生の引率というか保護者的立場にいたケン役に、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のブレンダン・グリーソンが。個人的に『28日後...』の父親役がドハマりだっただけに、責任感も包容力も優しさもある本作のような役柄が似合うなぁと。殺し屋のくせに。
その他、冷酷さと間抜けさのバランスが見事だった『007 スカイフォール』のレイフ・ファインズや、油断するとマギー・ギレンホールになりそうなところを小動物的愛らしさでカバーするクレマンス・ポエジーなど、魅力的な顔ぶれが。
アイスを食わせておけば概ね上機嫌
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
こちらも未見ですが、クレマンス・ポエジーは名前の響きと、絶頂期のクレア・デインズを髣髴とさせる顔立ちが好きです。「油断するとマギー・ギレンホールになりそう…」←ツボです(笑)
コリンファレルは、「小林8時20分」に改名すべきでしょう。もちろん「こばやし」ではなく「こりん」で。
動いてる間はだいたい可愛いんですけど、止まってる画像を見ると大体マギーなんですよねぇ、彼女。
そういえば、うちの女房は子供のころ7時20分と呼ばれたことがあるそうで。コリンよりはちょい浅めで良かったねぇ。