2005年 カナダ/イギリス/アメリカ映画 101分 ホラー 採点★★★
宅録でデモテープなんか作っていると、時折奇妙な声や音が入ってることがあるんですよねぇ。まぁ大概は使い古しのテープを使ったために、以前録音したものが消えきれず、逆回転や再生速度の違いで自分の声が不気味に変化したからだったりもするんですが。そんな些細なことが原因であっても、“霊の声が録音された”だの“霊の姿が映りこんだ”だのって話が大好きで、“ラジオを録音したつもりで外出先から帰ったらうっかり部屋の音を録音していて、聞いてみたらザワザワと大勢の人の声が!”とか、“放送終了後の砂嵐に時折人の顔が!”とかって話を聞くと、えらくワクワクもするんですよねぇ。
【ストーリー】
最愛の妻アンナを亡くした建築家のジョナサンの前に、「あの世からのアンナの声を録音した」という謎の男レイモンドが現れる。様々な機器を使い霊の声や姿を撮り続けるレイモンド宅を訪れたジョナサンは、そこで見た信じられない現象に自らも霊の声を求めることに没頭してしまう。やがて怪事件がジョナサンの周囲で起こり始め…。
映像や音声に霊の声が残される“EVP(電磁音声伝達現象)”をモチーフにしたサスペンスホラー。
最愛の者を失った悲しみをそのまま映像化したかのような美しくももの悲しいトーンに包まれた映像と、映像と音による不気味なノイズの使い方が秀逸。EVPによる様々な現象も、恐怖と感動を上手に盛り上げているし、無関係に思われた人物が線に繋がり始める中盤までの展開もなかなかのもの。しかしながら、邪悪な存在が明らかになる中盤以降から、その存在が実体を持って大暴れを始めるクライマックスになると、途端にトーンダウン。劇中のカギとなる誘拐事件が主人公の妻の死と関係することが判明するも、肝心の妻からのメッセージが結局何をしたいのかがアヤフヤなので、その繋がりに驚きよりも無理矢理感を強く感じてしまうことも。妻を失った悲しみで本来最も愛を注がなければならない子供をないがしろにしてしまった主人公が迎える結末にも、もの悲しさを感じる以上に不満の方が大きい。悲しさと優しさを含んだ怪談話に科学が入り込んだような面白さがあった作品だけに、前半の地味な展開に焦ったプロデューサーが強権発動したかのようなクライマックスが非常にチグハグで残念。
久しくコメディでの活躍を見ていないマイケル・キートンだが、本作でも始終沈痛な面持ちで。作品柄仕方のないことなのだが、いつキレるのかハラハラワクワクしながら待ってしまうも、結局は最近のいつものマイケル・キートン。でもまぁ、確かに悲しさと怒りと喜びを全部混ぜこぜにした表情を作るのは上手い。『未知との遭遇』や『ポルターガイスト』のように日常の中に非日常が入り込むことによって日常生活が破綻する描写が上手く描ききれていないのが欠点でもある本作だが、彼の表情一つでその欠点をある程度は補う結果にもなっている。
『ペイバック』『サイレントヒル』のデボラ・カーラ・アンガーだが、相変らずキリっとした美人でホレボレと。しかしながら、彼女ももう40歳過ぎ。『クラッシュ』や『ゲーム』の頃から印象が全く変わっていない。それはそれで、何か怖い気もしますねぇ。
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前半は怖がりつつも良いぞ〜なんて観てましたが、
後半は・・・
息子がちょっとかわいそうでしたね。
せっかく面白くなりそうな要素を持っておきながら、それをものの見事に取りこぼしちゃってるんですよねぇ。。。
わたしもダンナの余りのワガママっぷりに
イラッと来たクチですが、親の責任で
子供が不幸になるのはとても悲しいことです。
最後にゴメンって言ってそれで済むかい!
記憶が既にボンヤリとしてしまってる作品なんですが、論点がずれてしまってたんじゃないのかなぁと思ったのは確か。