2007年05月09日

サイレントノイズ (White Noise)

監督 ジェフリー・サックス 主演 マイケル・キートン
2005年 カナダ/イギリス/アメリカ映画 101分 ホラー 採点★★★

宅録でデモテープなんか作っていると、時折奇妙な声や音が入ってることがあるんですよねぇ。まぁ大概は使い古しのテープを使ったために、以前録音したものが消えきれず、逆回転や再生速度の違いで自分の声が不気味に変化したからだったりもするんですが。そんな些細なことが原因であっても、“霊の声が録音された”だの“霊の姿が映りこんだ”だのって話が大好きで、“ラジオを録音したつもりで外出先から帰ったらうっかり部屋の音を録音していて、聞いてみたらザワザワと大勢の人の声が!”とか、“放送終了後の砂嵐に時折人の顔が!”とかって話を聞くと、えらくワクワクもするんですよねぇ。

whno1.jpg

【ストーリー】
最愛の妻アンナを亡くした建築家のジョナサンの前に、「あの世からのアンナの声を録音した」という謎の男レイモンドが現れる。様々な機器を使い霊の声や姿を撮り続けるレイモンド宅を訪れたジョナサンは、そこで見た信じられない現象に自らも霊の声を求めることに没頭してしまう。やがて怪事件がジョナサンの周囲で起こり始め…。

whno2.jpg

映像や音声に霊の声が残される“EVP(電磁音声伝達現象)”をモチーフにしたサスペンスホラー。
最愛の者を失った悲しみをそのまま映像化したかのような美しくももの悲しいトーンに包まれた映像と、映像と音による不気味なノイズの使い方が秀逸。EVPによる様々な現象も、恐怖と感動を上手に盛り上げているし、無関係に思われた人物が線に繋がり始める中盤までの展開もなかなかのもの。しかしながら、邪悪な存在が明らかになる中盤以降から、その存在が実体を持って大暴れを始めるクライマックスになると、途端にトーンダウン。劇中のカギとなる誘拐事件が主人公の妻の死と関係することが判明するも、肝心の妻からのメッセージが結局何をしたいのかがアヤフヤなので、その繋がりに驚きよりも無理矢理感を強く感じてしまうことも。妻を失った悲しみで本来最も愛を注がなければならない子供をないがしろにしてしまった主人公が迎える結末にも、もの悲しさを感じる以上に不満の方が大きい。悲しさと優しさを含んだ怪談話に科学が入り込んだような面白さがあった作品だけに、前半の地味な展開に焦ったプロデューサーが強権発動したかのようなクライマックスが非常にチグハグで残念。

whno3.jpg

久しくコメディでの活躍を見ていないマイケル・キートンだが、本作でも始終沈痛な面持ちで。作品柄仕方のないことなのだが、いつキレるのかハラハラワクワクしながら待ってしまうも、結局は最近のいつものマイケル・キートン。でもまぁ、確かに悲しさと怒りと喜びを全部混ぜこぜにした表情を作るのは上手い。『未知との遭遇』や『ポルターガイスト』のように日常の中に非日常が入り込むことによって日常生活が破綻する描写が上手く描ききれていないのが欠点でもある本作だが、彼の表情一つでその欠点をある程度は補う結果にもなっている。
ペイバック』『サイレントヒル』のデボラ・カーラ・アンガーだが、相変らずキリっとした美人でホレボレと。しかしながら、彼女ももう40歳過ぎ。『クラッシュ』や『ゲーム』の頃から印象が全く変わっていない。それはそれで、何か怖い気もしますねぇ

whno4.jpg
対話をしなければならないのは、どっちの方ですか?

↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
人気blogランキングへ

        
posted by たお at 01:15 | Comment(4) | TrackBack(11) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは☆
前半は怖がりつつも良いぞ〜なんて観てましたが、
後半は・・・
息子がちょっとかわいそうでしたね。
Posted by ゆかりん at 2007年05月18日 12:46
ゆかりん様こんにちは〜♪
せっかく面白くなりそうな要素を持っておきながら、それをものの見事に取りこぼしちゃってるんですよねぇ。。。
Posted by たお at 2007年05月23日 15:45
TB&コメントさせてもらっちゃいますねぇ〜。
わたしもダンナの余りのワガママっぷりに
イラッと来たクチですが、親の責任で
子供が不幸になるのはとても悲しいことです。
最後にゴメンって言ってそれで済むかい!
Posted by oguogu at 2011年01月16日 23:25
oguogu様、こんにちはー!
記憶が既にボンヤリとしてしまってる作品なんですが、論点がずれてしまってたんじゃないのかなぁと思ったのは確か。
Posted by たお at 2011年01月17日 16:03
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

サイレントノイズ
Excerpt: 先日なんとなく見に行った(XMEN以降数週面白そうな新公開作品も無いので)、単館
Weblog: Wilderlandwandar
Tracked: 2007-05-09 01:32

死者たちの声
Excerpt: 197「サイレントノイズ」(アメリカ)  建築家のジョナサンの妻で作家のアンナが行方知れずとなる。彼女の行方は杳と知れない。ある日彼の前に謎の男が現れ、彼に言う。「私はアンナの声を聞いた。彼女は死ん..
Weblog: CINECHANの映画感想
Tracked: 2007-05-10 02:08

サイレント・ノイズ
Excerpt: 【サイレント・ノイズ】 ★★★  2006/09/30 ストーリー ジョナサン・リヴァース(マイケル・キートン)は成功している建築家。妻アン
Weblog: りらの感想日記♪
Tracked: 2007-05-14 22:34

サイレントノイズ
Excerpt: 【WHITENOISE:2006/09/16】製作国:カナダ/イギリス/アメリカ監督:ジェフリー・サックス出演:マイケル・キートン、チャンドラ・ウェスト、デボラ・カーラ・アンガー、イアン・マクニース、..
Weblog: 映画鑑賞★日記・・・
Tracked: 2007-05-18 12:45

『サイレントノイズ』
Excerpt: ----『サイレントノイズ』、これも分かりにくいタイトルだね。 「うん。原題は『White Noise』。 これはEVP(Electronic Voice Phenomena)、 いわゆる電磁音声伝達..
Weblog: ラムの大通り
Tracked: 2007-05-23 21:03

[Review] サイレントノイズ
Excerpt: 【Electronic Voice Phenomena】 通称EVP。日本語名では電磁音声伝達現象。 近代的な電子機器が発する静電磁波を媒体として、死者が生者に音声やイメージを伝達する現象。 ..
Weblog: Diary of Cyber
Tracked: 2007-05-23 21:45

『サイレント・ノイズ』
Excerpt: 原題は「ホワイト・ノイズ」。俗に言う雑音です。テレビでは砂嵐の音ですよね。この映画は複数の周波数が混在した雑音の世界において、通常はありえない音声を拾い上げると言ったようなEVP(電磁音声伝達現象)..
Weblog: 映像と音は言葉にできないけれど
Tracked: 2007-05-24 07:07

サイレントノイズ・・・・・評価額850円
Excerpt: う〜む・・・、作り方によってはそれなりに美味しくなりそうな素材だったけれど、シェフが途中でレシピを間違ってしまった様な作品。 感動系オカルトかと思いきや、途中から全く別の方向へ行ってしまった。 あ..
Weblog: ノラネコの呑んで観るシネマ
Tracked: 2007-05-25 22:04

サイレントノイズ
Excerpt: 2005年製作のアメリカ・カナダ・イギリス映画。 全米初登場2位、興行成績$56,386,759。 『バットマン』のマイケル・キートン主演のサスペンススリラー。突然愛する妻を交通事故で失ったジョナ..
Weblog: シネマ通知表
Tracked: 2007-11-27 09:55

サイレントノイズって怖いの?
Excerpt: サスペンス映画洋画 ホラー映画初心者のすけきよです。以前から「EVP」が気になっていた作品「サイレントノイズ」観ました。 DMMでレンタルする あらすじ:建築家のジョナサンは妻アンナと前妻の..
Weblog: ホラー映画って呪怨が怖いの?
Tracked: 2008-01-27 00:50

サイレントノイズ
Excerpt: 2008年上映 監督:ジェフリー・サックス 主演:マイケル・キートン 聞かなければ殺される・・・・・EVPには興味が沸きますが、内容的には尻つぼみだったな。...
Weblog: oguoguの日々映画見っ放し!
Tracked: 2011-01-16 23:17