2014年12月10日

天使の処刑人 バイオレット&デイジー (Violet & Daisy)

監督 ジェフリー・フレッチャー 主演 シアーシャ・ローナン
2011年 アメリカ映画 88分 アクション 採点★★★★

嫌いな人や物に対して徹底的に距離をとる様や、その物言いのなどから“好きなもの以外は全て嫌い”な人間と思われがちな私。でも逆なんですよねぇ、実際は。「似たようなもんじゃん!」と言われそうですが、“嫌いなもの以外が好き”なんですよねぇ。人に当てはめると、嫌いなタイプってのはその理由も含めて全くブレずに決まっているんですが、好きなタイプとなるとその時々で大きく変わることも。まぁ、好きになるってのは大方そんなもんなんでしょうが。

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【ストーリー】
10代のバイオレットとデイジーは、ニューヨークで一緒に暮らす仲良し二人組。仕事は犯罪組織から依頼されたターゲットをお気楽に殺すこと。そんな二人に新たな仕事が入るが、彼女らはイマイチ気が乗らず。しかし憧れのアーティストの新しいドレスが欲しいが為に仕事を請けるが、目の前にしたそのターゲットの様子がどうにもおかしく…。

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『プレシャス』の脚本でオスカーを獲得したジェフリー・フレッチャーが、自身の脚本を初めてメガホンを握り映像化したオフビートなクライムコメディ。
一言で言えば“下手”としか言いようのない本作。アクションはヌルヌルで、展開はスケッチの継ぎ接ぎ。父親と疎遠な娘たちと娘と絶縁状態の父親との関係の中から“父性”ってのをボンヤリと浮かび上がらせようとはしているが、目指していただろうスタイルよりも更にボンヤリとしてしまう結末。
また、わざと間の抜けたシークエンスを放り込んだりして、風変わりでスタイリッシュなアート系作品を作ろうとしている様子は伺えるのだが、如何せんヘタウマの“ウマ”の部分が身に付いていないので「背伸びして頑張ったね!」って印象しか残らず。

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「じゃぁ何で★4つの高評価なんだい?」って言われれば、そりゃぁもう私のツボを刺激しまくっていたから。ただまぁ、「どこが?」と言われると非常に困る。正直わからない。書くのが面倒くさいのじゃなくて、本当にわからない。これを書くために一晩置いてみたが、それでもやっぱり理由が浮かばない。
ただ言えるのは、いびつな間の空き方や緩い展開、少女たちの他愛ないにもほどがある会話とその声のトーンなどなど全てが、私にはどうしようもなく心地良く、目が離せず惹きこまれてしまったってことのみ。なんと言うか、動画サイトで関連動画を追ってるうちに辿り着いたホントにどーでもいい動画に訳もなく心を奪われてしまったり、深夜のテレビで流れているイメージ映像をぼーっと見ているうちに夜が明けてしまったりする、それにちょっと近い感情なのかもと。

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ただひとつだけハッキリしているのは、主人公の一人デイジーに扮した『ザ・ホスト 美しき侵略者』『ハンナ』のシアーシャ・ローナンの存在感がとてつもなく大きかったってこと。もう、本作の成分はほぼコレ。吸い込まれそうな青い瞳もさることながら、純粋から軽く足を踏み外しアホをこじらせたデイジーが発した抗いようのない魅力は彼女だからこそ出せたもの。もうなんと言うか、想像上の理想の娘。昨年惜しくも亡くなられたジェームズ・ガンドルフィーニがとてつもなく大きな包容力を見せてくれたのも、彼本人の力にこの“理想の娘”ってのが乗っかってきたからなのではと。これだけ優しく哀しげで、そして大きなガンドルフィーニを見れたのも非常に嬉しい
そんな二人を前にバランス取りに徹してしまった感もあったが、ラストに見せる心を通わせる友人同士だからこそ気付きたくないが悟ってしまった複雑な表情が印象的だった『シン・シティ』のアレクシス・ブレデルや、おもむろにシアーシャと手遊びを始める衝撃的シーンのためだけに登場する『マチェーテ・キルズ』のダニー・トレホらも良い味を出していた一本で。

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外で何をしていようが子供は可愛い

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posted by たお at 13:36 | Comment(4) | TrackBack(6) | 前にも観たアレ■た行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たおさん、今晩は!
シアーシャ2本立てですね︎
私は結構、見る映画を出演者で選ぶ傾向があってそのせいで映画自体はトンデモ映画だったりするんですが、観ている本人はそれはそれで満足だったりするんですよね(笑)
まぁ、ルー・ダイアモンド・フィリップスとか、マーク・ダカスコスとかマイケル・ビーンとかですが。
それにしても邦題って、もう少し映画に対して愛着のある方が付けるべきだと、とそろそろ気付いてもいいと思うのですが……(^^;;
Posted by 双子の新米パパ at 2014年12月14日 00:21
双子の新米パパ
その人そのものが観たいとか、その人らしさが観たいってのが目的なんで、概ね満足できますよねぇ。
>もう少し映画に対して愛着のある方が
この作品はまだ原題&分かりやすいイメージをベースにしてるんでマシなんですけど、考えた形跡の全く見当たらない“あやかり系”とか相変わらずヒドイ邦題は多いですよねぇ。。。
Posted by たお at 2014年12月14日 22:10
>父親と疎遠な娘たちと娘と絶縁状態の父親との関係の中から“父性”ってのを〜
>想像上の理想の娘

ちょっと変わった切り口で描いて見せた、“擬似”父と娘の物語でしたね。
もしかすると、“下手”だからこそ、この空気感が出たのかもしれない?
と、たおさんの感想を読みながら思いました。
Posted by 哀生龍 at 2015年01月27日 23:00
哀生龍さま、こんにちは〜♪
なんでこんな映画になったのか、そんでもってなんでこんなに気に入っちゃったのか未だに分からないんですよねぇ^^;
Posted by たお at 2015年01月31日 09:21
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