2013年 アメリカ映画 102分 サスペンス 採点★★
アイディアって、ひらめいた瞬間とか概要を短くまとめた状態の時は輝いてますよねぇ。「オレ天才じゃね?」と夜中に一人部屋で小躍りするほどに。ただまぁ、会議の場などの為にそのアイディアを文章化していくと、もうみるみるその輝きが失せて行くんですよねぇ。と言うか、二番煎じ三番煎じどころじゃない使い古しであることに気づいちゃう。

【ストーリー】
夥しい数の死体が山積みされた穴の中で目覚めた男。記憶を失い名前もこの場所も思い出せない男を、一人のアジア人女性が助けの手を差し伸べる。彼女を追い森の奥の一軒家にたどり着いた男は、そこで彼同様記憶を失っている4人の男女と出会う。果たして彼らの正体は…。

異常な状況下に置かれた人々の姿を描くサスペンススリラー。『アポロ18』のゴンサーロ・ロペス=ガイェゴがメガホンを握り、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』『第9地区』のシャールト・コプリー、『ワルキューレ』のトーマス・クレッチマン、『ドラゴン・プロジェクト』のジョシー・ホーらが出演。
記憶を失った登場人物たち、至る所に括り付けられた死体、狂人と化し襲い来る住人ら。導入部は非常に見事。国際色豊かなキャスティングが土地の特定を拒み、ミステリー度合いを更に増させている。この状況を作り上げた加害者なのか、はたまた被害者なのかすら分からない『unknown アンノウン』にも似た設定はその力強い絵力もありグイグイと観る者を惹きつけるのだが、残念ながら面白いのはここまで。
邦題が豪快にネタバレをしている“感染”の存在が明らかになると、あとはもう『28日後…』や雑多のゾンビ映画の別アングル版と成り下がり、ミステリーの解明も登場人物のフラッシュバックに頼るのみで観客はただただ置き去りに。力強い導入部、テンションを下げない演出力、余韻を残す結末と良い部分も多いだけに、肝心のストーリー部分での失速が非常に痛かった何かと惜しい一本で。

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