2013年 ロシア/アメリカ映画 107分 アクション 採点★★★
たまに映画館へと足を運べば、そこでやってるのは“感動作”ってのばかり。稀にやってるコメディの頭にはまず“ラブ”がついてるし、予告編を観てみればどんな作品にも概ね“感動”が付いてくるっぽい。ゲスで空っぽでポンコツの作品なんぞ、まぁず目にしない。なんですかね?知らぬ間に皆さんお上品になられちゃったんですかね?便座を除菌するように、下品なエンタメもそれを愛する人も排除されちゃうんですかね?
【ストーリー】
不死身のスーパーメキシコ人マチェーテのもとに、アメリカ大統領から依頼が入る。それはアメリカにミサイルを撃ち込もうとするメキシコの狂人メンデスの抹殺だった。しかし、ミサイルの発射装置は彼の心臓と連動しており…。
2010年に自分の中で大旋風を巻き起こした『マチェーテ』待望の第二弾。監督はもちろん前作同様『プラネット・テラー in グラインドハウス』のロバート・ロドリゲス。一家産業的な製作スタイルもいつも通り。
前作って、グラインドハウス映画群の“良い思い出”で作られてるような作品でしたよねぇ。面白成分しか入ってない。いつ観てもどっから観ても面白い、まるで奇跡のような一本。そう考えれば、本作のポンコツっぷりってのは“グラインドハウスの再現”を目的の一つとしたこのシリーズにおける、ある意味正当進化とも言える気が。より一層デタラメで、程ほどに面白く程ほどにつまらない。かと思えば唐突にとてつもなく面白いシーンがやってくる。狂った展開に過激な暴力描写のオンパレードにもかかわらず、陰惨さがないどころかスコーンと抜けた明るさが全体的に。そこに「ネタ映画だし」といったひねくれさはなく、どうやってもこうなってしまうロドリゲスの娯楽に対する生真面目さと愛情がしっかりと汲み取れるってのが素晴らしい。構えて観る作品も良いんですが、こういう何にもない土曜の午後に観るにはちょうど良い、酩酊状態でもしらふでも観終わった後の印象が然程変わらない作品ってのも良いなぁ。というか、大好き。
今回もお楽しみである次回作のフェイク予告編が入っているんですが、「ピピピピー」とビームが飛び交う宇宙空間でマチェーテが大暴れするっていう、ダメ映画臭プンプンって感じがこれまた堪らない。このフェイクがまたリアルになるよう、ひたすらお祈りしたくなる程の出来で。願わくば、今回は売春婦がいっぱい出るのにオッパイ一つ出ないガッカリ仕様だったので、次回作では盛大に出して欲しいなぁと。乳房が三つのエイリアンオッパイとかではなく。
主演はもちろん『デス・レース2』『プレデターズ』のダニー・トレホ。そもそも“主演がダニー・トレホ”ってのが肝の作品ですし。その出オチのような存在な分、2作目である本作ではその効果が落ちてるかと思いきや、やっぱり画面の中央に常にトレホさんが居るってインパクトは強烈。主演であることにビックリはするが、そこに役不足感が全くないってのは凄い。
また、前作に引き続き『バレンタインデー』のジェシカ・アルバや、出番が思いのほか少ないので今回は「なんか可愛い」と気迷う所までは行かなかった『バイオハザードV:リトリビューション』のミシェル・ロドリゲス、もう役者としてしか見かけなくなった『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』のトム・サヴィーニらが。もちろん、エレクトラ&エリース・アヴェラン姉妹が今回もセクシー看護婦として登場。やっぱり嬉しい。
そして、豪華というか奇抜なキャスティングがこのシリーズの魅力。今回はキャラが『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』と丸カブリだった感じのメル・ギブソンに、アントニオ・バンデラス、扱いがちょうど良かったレディー・ガガ、もうちょいビッチさを出しても良かった『ザ・ウォード/監禁病棟』のアンバー・ハード、『ア・フュー・グッドメン』のキューバ・グッディング・Jrに、本名でキャスティングされた『メジャーリーグ』のチャーリー・シーンと、錚々たるってか騒々しい面々が。
そう言えばメンデス初登場のシーンの中に、メンデスの部下役としてコッソリ『スカイ・ハイ』のブルース・キャンベルが紛れ込んでましたねぇ。「マチェーテ褒め称えたことある奴、手ぇ挙〜げて」の問いに素直に手を挙げちゃう役で。
ラブシーンではやっぱり目が泳ぐ
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
この状況は、涙物です。
予告が流れ始める時期も早くなっているので、公開時にはもうおなかいっぱいだったり。
色んなタイプの作品を上映して欲しいです!
>より一層デタラメで、程ほどに面白く程ほどにつまらない。
そうそう、“程ほどにつまらない”(笑)
製作側が頑張りすぎていると、見ているほうも力が入って肩がこることになるので、いい具合に力が抜けていてくれると見ているほうも心地イイ♪
すごく面白いまではいかないんですがつい観てしまいます。
何気に出演者が豪華ですよね。
スペースマチェーテはあるなら観てみたいです。
>色んなタイプの作品を上映して欲しいです!
もう、併映制度復活を願うばかり。ちょいと手間が掛かるけど、現行の入替制をベースに可能だと思うんですよねぇ。
しかしまぁ、本作の抜け具合は絶妙でしたねぇ^^
こんな抜けた映画に豪華な俳優陣。たまにはこういう息抜きをしたいんでしょうねぇ^^
マチェーテ・キルズ・アゲイン・イン・スペースは絶対観ます!!