2013年 アメリカ映画 121分 戦争 採点★★★
小学校中学年の頃、学校の裏手にあった高さ15メートル位の崖をひたすら上り下りするだけの遊びにはまっていた私。崖の表面を突き破って生えてる木の根や蔦を伝って頂上に行っては「イェ〜イ!」、同様に降りては「イェ〜イ!」。ただそれだけの繰り返し。過去に戻れるなら「バカなの?」と言ってやりたい。で、そんなある日。いつものように友人らと上っていたら、頂上まで後一歩のところで蔦が切れ、全身を至る所にぶつけながら地面に落下。おまけに額には野球ボール並みのタンコブまで。「こんだけ痛いんだ、もう泣く!」と決めていた私ですが、そんな姿を見た友人らの「スゲェ!」の言葉に気を良くし「スゲェべ!」と鼻高々になった私だとさ。やっぱり「バカなの?」って言ってやりたい。
【ストーリー】
2005年。タリバンの幹部を見つけ出し殺害する極秘任務のため、アフガニスタンの山岳地帯へと向かったマーカスら4人のネイビーシールズ。本部との連絡もままならない劣悪な無線状態の中標的を発見し、残すは作戦の遂行のみとなっていた。しかし、そこに現れた山羊使いの男たちを拘束したことから事態は最悪の方向へと向かい始め…。
マーカス・ラトレルの体験記“アフガン、たった一人の生還”を、『バトルシップ』のピーター・バーグが映像化した戦争ドラマ。主演のマーク・ウォールバーグも製作者の一人としてクレジット。
戦地の悲惨で過酷な状況をリアルに描くと共に、仲間同士の深い絆を描いた本作。戦闘シーン自体は山岳戦の割りにこれといって高低さもゲリラ戦の緊張感も活用されず、ただひたすら正面から来る敵に対し発砲を繰り返す単調なもので、どちらかといえば「崖から落ちてばっか!」って印象しか残らなかったが、“逃げる”って事に関しては駆け抜ける際に折れる木の枝や飛び交う銃弾が耳元をかすめる音が見事に再現されており、非常に高い緊張感が演出されている。人物描写に主点を置いたマッタリ気味の前半部と熾烈な戦闘が描かれる後半部の緩急が効いた構成も、全体を通してダレさせない巧い作り。
ただまぁ、一兵卒の視点かつ美談推しって感も強い作品なので仕方がないのかも知れないが、「戦地の兵士たちは悪くないんだよ!アフガニスタン人も悪くないんだよ!悪いのは全部タリバンなんだよ!」ってのはちょいと表面的過ぎなのではと。また、実際の兵士たちの映像にピーター・ガブリエルがオーケストラカバーしたデヴィッド・ボウイの“ヒーローズ”を流し、感動を力ずくで押し付けてくるって手法も正直好みではなし。そもそも“ヒーローズ”ってそういう歌ではないですし。まぁでも、ボウイの曲が流れれば無条件で「ヒャッホーイ!」となるいつもの“ボウイ・アドバンテージ”を加え、若干甘めの評価で。
原作者であり劇中主人公のマーカスに扮したのは、『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』のマーク・ウォールバーグ。お勉強はアレだけど情に厚く腕っ節もそこそこ強いそこらの兄ちゃんって役柄が良くはまるだけに、今回のような兵士役に彼はうってつけ。ただ気合が入りすぎたのか、あまりらしさの感じられない、ちょいと重すぎる印象も。
そんなマーク・ウォールバーグと共に戦地へと向かう兵士役に、『バトルシップ』のテイラー・キッチュ、なんか今回はイケメンのジャック・ブラックみたいだった『ロード・オブ・ドッグタウン』のエミール・ハーシュ、みんな揃いも揃って髭面なのでゴッチャになりがちの中一番輝いていた『メカニック』のベン・フォスターらが。
また、『ハンナ』のエリック・バナや、実話なだけにその顛末がなんともイジりずらいパットン役に扮した『ハンガー・ゲーム』のアレクサンダー・ルドウィグらが、短い登場時間ながらも印象的で。
こういう作品が必要とされる社会状況なんですかねぇ
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本当に「痛い!」と思わせられて
とんでもない映像だよ〜〜と思いながらみてました
海老ゾリってましたもんね
痛そうってのと、サラウンドで観てると銃弾が耳元をかすめてるようで、ついつい身をかがめてしまう、そんなリアルさはありましたよねぇ。