2007年04月16日

80デイズ (Around The World In 80 Days)

監督 フランク・コラチ 主演 ジャッキー・チェン
2004年 アメリカ映画 121分 アドベンチャー 採点★★★★

末っ子かつB型という典型的なゴクツブシである私は、集団行動が全く出来ない特技が。“特技”とは言わないですねぇ。さておき、他人にアレコレ言われて行動するのが大の苦手なもんで、集団でウロウロするパック旅行なんて出来るわけもなく、瞬く間にはぐれること請け合い。旅行をするなら特に行き先も決めずにジックリと自分のペースで動きたいものなんですが、同行する人は辛いでしょうねぇ。

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【ストーリー】
19世紀末のロンドン。変わった発明ばかりしている発明家のフォッグは、権威ばかりを振りかざす王立科学アカデミーの長官ケルヴィン卿に反発し、その座を賭け“80日間で世界一周”を成功させる宣言をする。そんな中、ひょうんなことからフォッグの使用人となり旅に同行することとなってしまった中国人のパスパルトゥーには、ある秘密があり…。

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言わずと知れた『80日間世界一周』を、スキモノには堪らない豪華キャストでリメイクした一本。
やけにこじんまりとした舞台と、思いのほかすんなりと進んでしまう“世界一周”に肩透かしを食らうものの、各エピソードで繰り広げられる程良くくだらないギャグと、ジャッキー自身が監修するストーリーを止める事のないアクションのレベルはさり気なく高く、ハリウッドに渡ってから本人以上にファンが拒絶反応を起こした一連のハリウッドジャッキー映画の中では、最もジャッキーらしさが出た作品。“女装”と“パンツ一丁”という、ジャッキー映画の最も重要な要素を忘れていませんし。確かにアクションコメディで120分というのは幾分冗長な感もあるが、中国を舞台にしてからはまるっきり違う映画のようになってしまうので、これといって飽きもしない。
ジャッキーに乗っ取られた感もある本作だが、『もしも昨日が選べたら』や『ウェディング・シンガー』などのアダム・サンドラー映画が有名なフランク・コラチの“場を和ませる”特技があったからこそ、全体が破綻しない結果になったのではと。まぁ、あんまり我が強い監督だと、ジャッキーを相手に辛い思いをするだけなんでしょうが。

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主人公の座をアッサリとジャッキーに奪われはしたものの、時折アラン・リックマンを思わせる語り口で隙さえあれば前へ出てくるスティーヴ・クーガン。『ナイト ミュージアム』でちっちゃいオーウェン相手に全くひけをとらなかった存在感を、今回はジャッキー相手に存分と。
ハイテンション』のセシル・ドゥ・フランスは、髪型とメイクのせいか、コッソリとアークエット家に混じっててもバレそうにないほどパトリシア風に。隙っ歯がセシルで乱杭歯がパトリシアと見分けることに。全く外国の名前に詳しくないのでアレなのだが、セシル・ドゥ・フランスの名前って、“日本花子”みたいなものなんでしょうか?まぁ、ベルギー人なんですが。

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で、本作最大の見所はもちろんスキモノには堪らない豪華な顔ぶれ。一般的には筋肉知事の出演に話題が集中してしまった感もあったが、肝心の筋肉知事が出演するエピソードには隙っ歯が二人並んでお風呂に入っているシーン以外に見所がなく、これといって面白いエピソードでも。しかし、それ以外の顔ぶれにはジャッキーと並んでいるだけでも嬉しくてダダ漏れになる面子が勢揃いで、もうどこから手を付けたらいいのか分からなくなってしまうほど。特に香港勢の顔ぶれは見事なもので、キャラクター的にも最大の大物であるウォン・フェイフォン役に『SPL/狼よ静かに死ね』のサモ・ハン、見事な英語を披露する『エンター・ザ・フェニックス』のカレン・モク、『ドラゴン・プロジェクト』の次世代ジャッキーのダニエル・ウー、『M:i:III』のマギー・Qら、彼らだけで一本観たくなる顔ぶれ。それだけに止まらず、ヴァージン総帥やメイシー・グレイ、パンクラスで活躍した謙吾など、瞬きしただけで見逃してしまいそうな短い登場時間のキャラクターにまで驚きの顔ぶれが。
扱いが『ロビン・フッド』のショーン・コネリーと然程変わらないキャシー・ベイツや、どうせならシリー・ウォークをやって欲しかった『ワンダとダイヤと優しい奴ら』のジョン・クリーズら大物に混じって、お待ちかねのオーウェン&ルーク・ウィルソン兄弟の登場なのだが、ある意味出て当然の顔が出て当然の場所にありがちな役柄で登場するので、「キャー!オーウェーーーーン!!!」ってまではならず。いやいや、もちろん可愛かったですよ、オーウェンもルークも。そんなウィルソン兄弟以上のインパクトを持って登場するのが、『がんばれ!ベンチウォーマーズ』のロブ・シュナイダー。もちろんフランク・コラチ/アダム・サンドラー繋がりでの登板なのだろうが、短い時間ながらその芸風のあまりの濃さに、そのシーンだけで一気に疲れ果てることこの上なし

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記憶に80日間留まる様な映画ではありませんが

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posted by たお at 15:53 | Comment(4) | TrackBack(14) | 前にも観たアレ■あ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとうございます♪

たおさんはかなり高評価なのね〜
と思いながらレビューを読んでいたら…、

>記憶に80日間留まる様な映画ではありませんが

笑ってしまいました(*^_^*)
★4点でも記憶に残らないあたり、さすがジャッキーですね。
Posted by 奈緒子 at 2007年04月25日 14:31
奈緒子さまこんにちは!
まぁ、映画としてどーのこーのってよりは、お祭りのような楽しさがあったんでこの評価で^^
ケチをつければ果てしなくつけれるんですが、流れに身を任せて楽しんだ方が得ですしねぇ。
既に忘れ始めてますが^^;
Posted by たお at 2007年04月26日 08:33
こんにちわ!
ウィルソン兄弟目的というちょっと邪まな鑑賞をしたせいで、
全部の豪華キャストを堪能しきれてないような気が(汗汗
ジャッキー映画楽しくて大好きなのに、
80日すら記憶が・・・・(汗
そのおかげで、再鑑賞してもまた楽しく見れるのか!
…とプラスに考えておきますw
Posted by PINOKIO at 2007年05月23日 10:50
PINOKIO様こんにちは〜♪
ウィルソン兄弟は出るべき場所に当然のように出てくるので充分に構えが出来ていたんですが、ロブにはやられましたw
まぁ、来週くらいにはすっかり忘れてしまいそうな作品ですが。。。
Posted by たお at 2007年05月23日 16:18
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