2006年 カナダ/アメリカ映画 92分 ホラー 採点★★★
かねてからある程度ヨボヨボになったら、海辺の小さな港町なり小さな島で釣りでもしながらのんびりと余生を過ごしたいなぁと考えてはいたんですが、なにせ“協調性”の意味を全く理解していない私なもんで、調和なり協調が重要となる小さなコミュニティで上手にやっていけるわけがないと、ようやく気付いた今日この頃。
【ストーリー】
平和で静かな村“ロックウェル・フォールズ”を訪れた国勢調査員のケイディは、その村の人口が436人のまま100年以上も変動していない事実に気付く。一見平和そうに思えたこの村に不穏な空気を感じ取ったケイディは、何とか脱出を試みるが…。

一人産まれれば一人死に、一人迷い込めば一人が殺される、人口数に非常に律儀な村を舞台にしたホラー。修学旅行生でパンパンになったバスでも迷い込んだらどんなことになるのか、興味も尽きませんが。
納屋一軒実際に燃やせない誰の目にも明らかな低予算で、結局この村を包む不思議な力がどんなものなのか曖昧なままで終わってしまう煮詰めの足りない脚本なのであるが、ストーリー自体は充分に面白い。それこそ『悪魔のいけにえ』や『蝋人形の館』などの“アメリカの田舎は怖いんだよ”作品の一本なのではあるが、表面上は脳天気ながらイマイチ理解出来ない不思議な力に悩まされ、後味の悪い結末を迎える様は、70年代のオカルト映画にも近い味わいを持っている。そんな味わいがある分、劇場で観ちゃえばだいぶアレな作品かもしれないが、深夜や土曜日の昼下がりにうっかりTVで観てしまう分には、本編の大部分は瞬く間に忘れてしまっても、「なんか変なのを観た」って記憶だけはいつまでも残るような作品になるのでは。

心も身体も切なく痛い思いをする傑作『メイ』で、ジョン・トラヴォルタを髣髴させる人懐っこい笑顔が印象的だったジェレミー・シストは、本作でもますますトラヴォルタっぽく。そんなトラヴォルタっぽい主人公が、古き良きアメリカを再現しているかのような村に迷い込む作品なもんで、ついついソ連がスパイ養成用に時代遅れのアメリカ村を作り上げる『エキスパーツ』を思い出してしまうのだが、もちろん関連性は全くなし。
で、そんなトラっぽい主人公以上に印象に残るのが、リンプ・ビズキットのフロントマン、フレッド・ダーストの好演。「なんで、こんなのに出たんだ?」という疑問はさておいて、主人公に騙されようが、婚約者を寝取られようが、ふらりと現れただけのよそ者である主人公を友達として慕いきってる切な過ぎる保安官助手を熱演。半ベソかきながら「友達だと思ってたのにー!」と主人公に詰め寄る姿には、リンプの面影微塵もなし。まぁ、そのお陰で本作が“田舎は怖いよ”映画としてだけではなく、“よそ者は信用しちゃダメよ”映画としての側面を持つことになるのですが。

どこにも馴染めない私にとっては、“小さな村”ってだけでホラー
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最近この手のB級臭プンプンなホラーを
探してはみています(笑)
やたらと小さなコミュニティーを律儀に守ろうとする姿は私はついていけないかも
別にホラー週間ってわけでもないんですが、ホラーばかりが続いているサブタレです。出来云々より、ネタだけは面白い作品が続いているんで、それなりに幸せですがw
まぁ、こんな村で上手くやっていく自信なんて、さっぱりありませんけど^^;