2012年 アメリカ映画 111分 ドラマ 採点★★★
この春から中学生になった長女がソフトボール部へ入部。小学校時代はずっとブラスバンドに勤しんでいた反面スポーツとは無縁だった娘なので、ボールの投げ方がなんかこう砲丸投げ。「それじゃぁイカン!」とキャッチボールに付き合ってるせいか、筋肉痛が日常化している私でございます。まぁ、息子より先に娘とキャッチボールをするようになったってのはちょいと予想外ではありますが、それはそれでなんか嬉しい今日この頃で。
【ストーリー】
多くの名野球選手を発掘してきた伝説的な老スカウトマン、ガス・ロベル。しかし、視力の衰えとデータ分析が主流となった時代の流れにより、来シーズンの契約更新は微妙なものとなっていた。そんな中、疎遠となっていた弁護士の娘とともに、ある目玉新人をスカウティングする旅へ出ることになるのだが…。
多くのイーストウッド作品で製作や助監を務めてきたロバート・ロレンツが初メガホンを握った、父娘の絆を描くヒューマンドラマ。
表に出さなかったわだかまりを、旅の中で少しずつ溶かしていく様を描いた本作。成功と挫折、デジタルとアナログ、それにちょいとした恋模様などを織り交ぜつつ綺麗にまとめ上げた、「なんか良い映画を観た」って気にはさせる一本。
ただまぁ、物語の背景として扱われている“野球”の描き方がどうにも上手くない。「あんな分かり易い弱点に気付かないスカウトマンっているの?」って細かい疑問をさて置いても、扱いの大きさに対し中身がフレーヴァーとしての風味付けから一歩も出ていない薄さは気になるところ。結局『マネーボール』に唾ペッペしたいだけって印象も。まぁ、過去の事件に関するシーンだけイーストウッドらしいドロっとした空気が流れる以外これといって個性の無い作品だけに何かしらの目印を付けたかったんでしょうけど、あまり功を奏しているとは思えない“可もなく不可もなく”って一本に。
役者としては『グラン・トリノ』以来、他監督もとで役者専念作としては『ザ・シークレット・サービス』以来20年ぶりとなるクリント・イーストウッド。とは言ってもマルパソ製作の作品なので、今回は完全なるホーム戦って感じ。そんな気心知れた仲間との作品だからか、“昔堅気の頑固じじい”という今観ていて最も安心できるイーストウッド像を。強いだけでも正しいだけでもない、そんな人生の紆余曲折の果てを見事に表現していたかと。
また、娘役には『ザ・マペッツ』のエイミー・アダムス、その恋の相手役として『ソーシャル・ネットワーク』のジャスティン・ティンバーレイク、ガスの親友兼上司として『アルゴ』のジョン・グッドマンらがキャスティング。その他、年々良い顔立ちになっている『デンジャラス・ラン』のロバート・パトリックや、『スペル』のチェルシー・ロス、『キック・オーバー』のボブ・ガントン、あまりの扱いの小ささに「似てる人?」とまで思った『ロンゲスト・ヤード』のエド・ローターら、イイ顔揃いのキャスティングが嬉しい。で、イーストウッド作品といえば公式/非公式問わず自分の子供がちょいと顔を出してるってお楽しみがあるんですけど、今回ももちろんその中の一人スコット・イーストウッドが出演。なんかもう、つくづく男の中の男だなぁと。
家族だから核心に触れれない
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