2007年03月07日

エンゼル・ハート (Angel Heart)

監督 アラン・パーカー 主演 ミッキー・ローク
1987年 アメリカ映画 113分 ホラー 採点★★★★

アフリカやカリブ諸島からアメリカに渡ってきた奴隷や移民たちによって広まったヴードゥー教。土着宗教とキリスト教が混ざり合って生まれたものだが、よく分からないものをオドロオドロしくイメージしがちな習性によって、邪教だのなんだのとネガティヴな印象も強いヴードゥーだが、信仰している人にとっては生活の指針なり心の拠所として重要な位置づけにあると思うんですが。もちろん、ヴードゥーと言えばゾンビ。死体が生き返ったものだとか、特殊な薬品で仮死状態にされた人だとか諸説ありますが、むかし日本のテレビ番組で“遂にカメラが捉えた!これがゾンビだ!”な感じで紹介されてたのは、どう見ても泥酔状態にあるオッサンだったので、あれは違うと思います。

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【ストーリー】
ルイス・サイファーと名乗る謎の人物から、失踪したかつての人気歌手ジョニーの行方探しを依頼された、私立探偵のハリー・エンゼル。僅かな痕跡を基にジョニーを探すハリーだったが、ハリーの行く先々で関係者が次々と惨殺され、その容疑はハリーに向けられていく…。

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これをネタバレしないで書けるほど、私に文才があるとお思いですかい?
ラストでネタを明かしても更なる混乱を生み出し、一回観ただけでは理解不能とばかりに数多くのリピーターが続出した一本。地獄の底まで繋がってるかのように下り続けるエレベーターや、惨劇の前に必ずインサートされる換気扇の映像、顔の見えない黒尽くめの人物など意味深なビジュアルイメージが随所に織り込まれている本作。それらのイメージ全てがストーリー上重要な意味を持つのだが、劇中で全てを説明するわけでもないので、一度観ただけではストンと腑に落ちない座り心地の悪い作品でもある。しかしながら、それらの意味を理解した瞬間に脳内を駆け巡る快感は大きい。とは言っても、“最後に出てくる男が、本当のハリーなんだよ”なんて、映画を観ただけでは分かるはずもないネタが含まれているのは、困りものですが。ブルースやゴスペルなど、アメリカ南部の音楽をこよなく愛するアラン・パーカーらしく、ニューオリンズに舞台を移してからの映像の力強さは見事。湿気と臭いまでも伝わってきそうな映像と、趣味と実益を兼ねたかのように収められる街中を響き渡る音楽と人々の姿が、あたかもその場にいるかのような錯覚さえ起こす。
今ほどインターネットが一般的ではなかった当時、この手の映画を掘り下げるには既に詳しい人間に聞くってのが一番手っ取り早かったのだが、おかげ様で鑑賞中ひっきりなしに隣で解説をされるという、非常にウザったい目にも遭うんですよねぇ。

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東宝東和の宣伝マジックによって、あたかもオールスターキャストかのようにポスターに7・8人の顔がデデンと刷り込まれているのだが、実際物語に絡むのは4人くらい。
スペシャルゲスト専門俳優かと思うほど、この当時観る映画観る映画全てに出ていた気さえするロバート・デ・ニーロ。役名がネタバラシである本作でもクレジット上は“特別出演”なのだが、本編中は出ずっぱりで、得意のデ・ニーロスマイルをキメてくれる。別に太ったり痩せたり毛を抜いたりと役作り上の工夫はしていないのだが、最後に目がキラリーンとなるのは余計だったのではと。当時、ゆで卵を食べるのに本作のデ・ニーロ割りを真似する者が続出したが、あれをやると殻が細かくなり過ぎかえって剥き辛いので、ご注意を。
さて、ミッキーさん。50年代の私立探偵という滅法ハードボイルドな役柄の割に弱腰な本作がその人気の絶頂期にあったのだが、既にファン離れも加速度的に進んでいたようにも。顔だけ見ればいつもの色男モードなのだが、作品の設定上、なんか全体的にベタベタとしちゃってて、なんというか、まぁ…汚い。もちろん役作りの上でのブクブクベタベタなのだが、「あれ?ミッキー・ロークって、こんなんだったっけ?」と思ったファンも多かったのでは。この後ネコパンチという破壊力満点の技を会得するも人気と仕事が激減し、整形にまで失敗するというドン底人生を歩むことになるミッキーさん。20年間その姿を追っているだけに、昨今の見事な復活は嬉しい限りなんですよねぇ。

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この後20年間、本当の自分探しに奔走

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posted by たお at 00:07 | Comment(10) | TrackBack(8) | 前にも観たアレ■あ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うはははははーーー!
何を唐突にメチャ懐かしい作品を(笑)
ミッキーちゃんはフェロモンむんむんなのに、役作りのためにベタベタだったのねwwww(納得
とりあえず、この作品でのデ・ニーロ様のゆで卵食べといったら秀逸なシーンでしたねぇ
つか、それが一番印象的だった私は、やはり鑑賞方法を間違えているんでしょか(汗
Posted by chibisaru at 2007年03月07日 07:45
あー!これまた大好きな作品です!懐かしー
なんとも言えず不穏な空気をかもし出す、ピアノの旋律もとっても印象的でした。

とあるマンガについての感想の中にこの映画についてもチラっと書いているので、
TBさせて下さいー
Posted by kenko at 2007年03月07日 11:21
たおさん、こんばんは
この映画予告で気になって友人を巻き込んで観たら、鑑賞後のブーイングが辛かったです。(雰囲気あるし、好きなんだけどな〜。)そんなトラウマのあるこの作品だけどもう1回観てみようかな??
Posted by あかひ at 2007年03月07日 22:24
chibisaru様こーんばーんはー♪
いやぁ、最近これといって面白い新作がないので、だったら面白いのが確実の作品を観てればいいかなぁと思いまして^^;
なんというか、フェロモンが脂となって全身にまとわり付いたかのようなミッキーさんでしたが、あれだけベッタベタでもカッコいいのは流石ですねぇ。
この映画は“如何にゆで卵を他人がビックリするような剥き方をするか”ってのも重要なテーマなので、あながち間違った鑑賞法でもないのではとw
Posted by たお at 2007年03月10日 01:40
kenko様こんばんは!
知らないはずなのに何故か弾けちゃうあのピアノの旋律にもトリックがある本作でしたが、いまだにこの旋律が突然頭に浮かんで離れなくなって、何の曲だったか悩むことがあるんですよねぇ。いつのまにかジョニーに魂を吸い取られてるんでしょうか?
Posted by たお at 2007年03月10日 01:45
あかひ様こんばんは!
何故にブーイングが!?
ミッキーさんが汚いからですか?
まぁ、確かに『ナインハーフ』だと思って観に行ったら、えらくビックリする作品ではありますがw
Posted by たお at 2007年03月10日 02:01
たお様 懐かしさに思わずコメント。
レンタルで何度も何度も観たのは、1回みただけでは意味わかんなかったから〜〜
だったのですね。納得☆☆
そーだこの後だ、ネコパンチでドン引きしたのは。
追伸:イケテルハゲランキングの記事、引用させて頂きました。ありがとうございます
Posted by Lance at 2007年03月12日 23:47
Lance様こんにちは〜♪
意味深なシーンの意味が繋がると、とても面白い作品なんですよねぇ。繋がらないと意味深なままの映画ですがw
ハゲを引用ですか?
てことは、ニコケイの映画ですね?w
Posted by たお at 2007年03月13日 16:23
たお様!! さすが鋭い☆ ズバリ、ニコケイの映画です。
Posted by Lance@仕事サボリ中 at 2007年03月14日 18:53
Lance様こんばんは〜♪
サボリ中でしたかw
やっぱり、アレでしたねぇwww
Posted by たお at 2007年03月15日 02:04
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