2011年 フランス映画 108分 アクション 採点★★
好きな音楽や映画の傾向が中学の頃からさっぱり変わってない私。好きなお菓子や妄想タイムの内容も、考えてみればずーっと変わらず。どうすれば思春期ってやつを卒業できるんでしょうかねぇ。
【ストーリー】
南米コロンビアで9歳の頃マフィアに両親を惨殺されたカトレアは、シカゴに住む叔父に引き取られ復讐だけを胸に成長する。そして15年の歳月を経て、復讐相手へのメッセージとして殺害現場にカトレアの花を置く凄腕の殺し屋となっていた彼女。その存在に気付いたマフィアも彼女に向け殺し屋を送り…。
妄想ノートを後輩に映像化させる、リュック・ベッソンいつものアレ。今回ベッソン先輩に捕まったのは、監督デビューから捕まりっ放しである『96時間/リベンジ』のオリヴィエ・メガトン。
「『レオン』のマチルダがぁ!ニキータがぁ!」ってのが本作を語る上で中心になりそうな所だが、要は“鼻っ柱の強い美女(基本ガリガリ)が野良猫のように部屋に上がり込んで来て文系のボクを翻弄。でも彼女、あぁ見えてボクの前では甘えん坊。そんな彼女がボクは好き!”ってベッソニズム溢れる妄想を描きたいだけのいつもの一本。何十年もオカズが変わらない一途なベッソン。
そんな妄想が走り過ぎちゃったからか、復讐相手とは全く関係ない殺害現場にもサインを残してたり、「女にこんな事は出来る筈がない!」とFBIに断言されてたのに次のシーンには容疑者となってたりと、全く一貫性のない上に、一番面白くなりそうな少女が暗殺者になるまでの15年間がすっぽりと抜け落ちてたりとメタメタの脚本になっちゃってましたが、少なくとも自分の観たい部分だけはしっかりと映像化されてるのでベッソンは満足できたのではと。しっとりとしたドラマ部とハードなアクション部とのバランス感覚に優れたオリヴィエ・メガトンの手腕にだいぶ救われてましたし。
カトレアに扮したのは、『ルーザーズ』『スター・トレック』のゾーイ・サルダナ。遠目マッチ棒なガリガリ体型がベッソン好みとは言え、なんか拒食症的な不健康さと、そのせいかまだ若いのに顔に出来てる猿的なシワが目立っちゃってアクション映え悪し。たった今“猿だな”がダジャレになってることに気付く。それはさて置き、同じガリガリでも『トランスポーター2』のケイト・ノタの様な一枚絵としてのビジュアルインパクトがあるわけでもなく、コマ落としを多用しても隠しきれない格闘アクションのキレの悪さや銃を構える様がキマってないなど、ちょいと本作の主人公を演じるには不満も多し。
主人公にこそ不満は多いが、そんな彼女に翻弄される男性陣はなかなかの顔ぶれ。妄想内のベッソンを投影したかのような文系男子に扮した『25年目のキス』のマイケル・ヴァルタンや、ラテン系ジェラルド・バトラーっぽかった『ダイ・ハード4.0』のクリフ・カーティス、『ナイト&デイ』のジョルディ・モリャ、『スリーデイズ』のレニー・ジェームズといった好みの面々が揃ってたのが救いかと。
そう言えば、『ハンガー・ゲーム』のアマンドラ・ステンバーグが9歳の頃のカトレアに扮してましたが、出来ればこのパートだけで映画の半分を使って欲しかったですねぇ。
ベッソンの関心ここにあらず
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