2013年02月10日

ロック・オブ・エイジズ (Rock of Ages)

監督 アダム・シャンクマン 主演 ジュリアン・ハフ トム・クルーズ
2012年 アメリカ映画 136分 ミュージカル 採点★★

ミュージカルは苦手なんですが、ロックは大好物な私。じゃぁ“ロックミュージカル”なるものはプラマイゼロで概ね大丈夫かというと、その世界観にはあの音楽しかありえず、その音楽にはあの世界観しかあり得ない『ロッキー・ホラー・ショー』みたいな傑作も稀にありますけど、大体はロックとしてもミュージカルとしても中途半端な作品が多い気が。やっぱりあれですかね?私の苦手な生牡蠣に大好物のアンコを和えたって、別にプラマイゼロになるわけじゃないってのと同じですかね?

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【ストーリー】
1987年。シンガーになる夢を持ってロサンゼルスにやって来たシェリーは、嬉しかったり悲しかったりしてる内に夢を叶えましたとさ。

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80年代のヘヴィメタル/ハードロックをフィーチャーした同名ブロードウェイ・ミュージカルを、『キャプテン・ウルフ』のアダム・シャンクマンが映画化した、トム・クルーズしか見所のない一本。エクステンデッド版とやらで観賞。
過剰なまでにグラマラスにドラマチックに肥大化した当時のメタルシーンとミュージカルは決して相性が悪くないと思うんですが、その特異性や時代の整合性なんかには目もくれず「ほら!この曲懐かしいでしょ!」で終わっちゃってる本作。“夢!愛!挫折!成功!でもやっぱ愛だよね!”だけを繰り返すペラペラな15歳向け物語で若年層を取り込みつつ、懐かしい楽曲でその親御さんにも目配せをしたんでしょうが、そのどちらにも重きが置かれていない台無しな感じに。楽曲も特に奇抜なアレンジをされてるわけじゃないので、なんか腰の入ってない他人のカラオケを聴かされてる気分になりますし。なによりも、「シンガーになりたい!」と願ってるだけで特に何もしない主人公が、どさくさに紛れて最終的に夢を叶えちゃうアメリカンドリームの大安売りっぷりに唖然。
また、「全部ロックで!」って元々の趣旨もあるんでしょうし、人物の過去にまつわるヒントの意味合いもあるのかも知れないんですけど、ロック反対派の人物までもがロックを歌うってのもシックリ来ず。どうせなら出てくる度にバックでケニーGが流れてるとか、カーペンターズしか歌わないとかだったらバランスが取れたのに。まぁ、そうなったところで格段に面白くなるとは思えませんが

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ジュリアン・ハフとディエゴ・ボネータとやら若者が中心にいるが、「なんかホラー映画だったら3番目くらいに殺されそうな感じだなぁ…」位の印象しかなし。いかにもな歌いっぷりと佇まいも、非常に苦手な部類でしたし。「どう?私輝いてるでしょ?」みたいな。
ただ、デビュー前のアルダス・スノーみたいな感じだった『伝説のロックスター再生計画!』のラッセル・ブランドを筆頭に、『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』のポール・ジアマッティ、『ディパーテッド』のアレック・ボールドウィン、ただただ怖かったキャサリン・ゼタ・ジョーンズなど、脇を固める大人勢はなかなかの顔ぶれ。その他にも、『DOA/デッド・オア・アライブ』のケヴィン・ナッシュや、『アンストッパブル』のT・J・ミラー、『ホステル2』のイーライ・ロスに、「同じ“デボラ”なら“ハリー”の方でしょ、この映画なら?」と思っちゃったデボラ・ギブソンらもチラリと顔を出す豪華さ。
で、やっぱり見所はもちろん『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のトム・クルーズ。ロックとなかなかイコールになるイメージのないトムちんだけに、ヴィンス・ニールとアクセル・ローズを足した感じのハンサムロックスター役をどう演じるのか期待と不安が半々だったんですが、考えてみればある意味ロックスターだったレスタト役を『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』でモノにしていたトムちんだけに、それのバージョン違いとして難なくハンサムにクリア。肝心の歌声も、4ヶ月半に及ぶボイストレーニングと多少の機械的調整もあってか、なかなかの仕上がり。「そんな高いキーで歌い始めちゃったら、サビでエライ目に遭うよ!」とハラハラしたフォリナーの“アイ・ウォナ・ノウ”も、サビの部分でシレーっと低音パートを歌うハンサム回避能力を発揮してくれましたし。やっぱりハンサムは日々の鍛錬と、それを決して感じさせない堂々と自然な佇まいが必須なんだなぁと確認できたのと、トムちんが女性のお尻に向かって「愛ってなんだろ〜♪」って歌う様が妙にツボだったので、★ひとつオマケ気味で。

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トムちん出待ち映画

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posted by たお at 13:10 | Comment(0) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■ら行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「ロック・オブ・エイジズ」 80年代が青春時代!って方にオススメ
Excerpt: 「シカゴ」以来、ミュージカル映画のファンになった僕、「ロック・オブ・エイジズ」を
Weblog: はらやんの映画徒然草
Tracked: 2014-11-20 21:55