2007年01月23日

グリズリー (Grizzly)

監督 ウィリアム・ガードラー 主演 クリストファー・ジョージ
1976年 アメリカ映画 92分 パニック 採点★★

その意味合いが全く不明な柄と、誰かが入っているとしか思えない愛くるしい動作で大人気のパンダ。でも、熊。雑食なんで、人も襲われる。まぁ、パンダにはさして興味はないが、熊自体は大好きな私。赤ん坊のような座り方や、立ち上がって餌をねだる時の手の動きなんて、可愛らしくてしょうがない。以前TVで観た、飼い主が大好きで大好きで、飼い主がソファーに座ってTVを観てると隣に座って顔をベロベロ舐め続ける熊なんて、本気で欲しかったですし。あと、民家の庭に迷い込んでハンモックで寝てる熊とか。まぁ、こんな熊バカなので、突然笹藪から現れたパンダに襲われても、なんで今かじられているのか全く分からないが、気分は幸せのまま死んじゃうんでしょうねぇ。

【ストーリー】
森林公園に巨大な熊が出現し、人を襲う。さぁ、大変。

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「なんで今“グリズリー”なんだ?」って言われましても、「ただそこにあったから…」としか。
『ジョーズ』の大ヒットを受けて、「海行ったってサメなんかにゃそうそう会わんべ。だったら、山で熊さ会う映画の方が怖いべよ」と作られた亜流品。『ジョーズ』における“海・鮫・保安官・海洋学者・町長”を、“山・熊・森林警備隊・動物学者・森林公園管理者”に置き換えただけのお気軽な舞台設定の中、ただ人が「ワー!」とやって来て「キャー!」と逃げ惑うだけの頭の悪い展開に、軽い眩暈すら覚える。“身の丈6メートル、体重1トン”と謳われる肝心の熊も、餌をおねだりして立ったした野性味の全く感じられないごくごく普通の大きさの可愛らしい飼い熊に、やたらと恐ろしげな声を被せただけですし。なんというか、赤ちゃんの吹替えをジェームズ・アール・ジョーンズがやっているような。
そんなグダグダな内容に展開をする作品ではあるが、ダレ場が生まれるほど内容がないとは言え、女子供でも容赦しないと言うか女子供しか襲わないショックシーンが小気味よく挟まれており、手足が景気良くポンポンと飛ぶので特に退屈もしない。

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griz5.gif“知る人ぞ知る”というか、知らなくても人生においてこれといって損もない監督のウィリアム・ガードラー。“黒人版『エクソシスト』”と言えば全て伝わってしまうような二番煎じ映画『アビィ』やら、『ジョーズ』の二番煎じである本作、『鳥』の二番煎じで動物だけではなくレスリー・ニールセンも狂う『アニマル大戦争』と二番煎じ映画を撮り続け、背中から小人のインディアンが「オギャー!」と産まれてくる何の二番煎じだかは全く分からないが、何の映画なのかすら全く分からない『マニトウ』を残してこの世を去るという、ある意味男の中の男と言える監督。どれもこれも見事なまでに心がこもっておらず、本作にも“自然は大事”“利益の追求より人命が大事”といったテーマはあるが、それ自体借り物なので全く心がこもっていない。肝心の熊との最終決戦も、えらく大雑把な合成で処理された大爆発で終わる心のこもってなさ。
とは言え、途中登場して首根っこを押さえられ頬ずりされる小熊の可愛らしさと、“興行とはヤクザな人間が住む世界”ということを再確認させられる作品でもあるので、★ひとつオマケで。

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ポスターさえ良く出来てれば、客は集まる

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posted by たお at 01:53 | Comment(2) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■か行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『殺人魚フライングキラー』とか『バラクーダ』とかと比べると確かにヌルイんですが、テレビ東京系列やらでやってるとこういうのってヌルヌルっと観てしまっておりました(笑)。いやぁ懐かしい〜
Posted by USA-P at 2007年01月23日 23:44
USA-P様こんばんは〜♪
ついついボケラーっと見入ってしまう割には、何度見ても印象が全く変わらないんですよねぇ。で、数年経つとまた観てしまうw
Posted by たお at 2007年01月26日 01:36
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