1988年 アメリカ映画 105分 アクション 採点★★★
遠く離れた外国はおろか、名古屋ですら映画ぐらいでしか触れることのない私。出不精ですからねぇ。まぁ、さすがにもういい歳なので、映画に描かれたものを全て鵜呑みにすることはなくなりましたが、でも多分名古屋にはヤクザ処分場がありますよ。ロシアのサウナには筋肉男がウヨウヨしていて、阿蘇山の中には秘密基地もきっとありますよ。
【ストーリー】
ソビエトからシカゴへ逃げた麻薬密売人を追って、ソビエト警察のダンコもシカゴへ。シカゴ警察のダメ刑事リジックと二人で大暴れ。
80年代から90年代にかけて、知能指数よりも血糖値の方が高い映画を作り続けていたカロルコ。「他に作られるくらいなら」と、俳優のみならず三流脚本にまで莫大な金額を支払い、ハリウッド映画の製作費高騰の原因を作ったとも言われる彼らが1988年に製作した一本。
「シュワルツェネッガーでなんか一本作ろうか?金ならあるし。」
「でもアイツ訛りきついからなぁ。ロボ役は前にやったし・・・。あ!ロシアから来た刑事とかでいいんじゃない?」
「じゃぁ、まだ誰もやってないみたいだから、クレムリンでロケしようよ。金ならあるし。」
「正反対のアメリカ人刑事と組ませるいつものアレでいいね、中身は?」
「じゃぁ、監督は『48時間』のアイツでいいんじゃない?」
といった経緯で作られたのが容易に想像が出来る、相棒が犬だったり宇宙人だったりもするバディ物の一本なのであるが、定番的展開から一歩も逸脱しない分、変わり映えもないがこれといって退屈もしない。製作費が100万ドルでも1000万ドルでも仕上がりにこれといって違いのないウォルター・ヒルのゴツゴツとした演出手腕もまだ冴えていた時期であり、テカテカした筋肉男が佃煮にするほどいるサウナからフンドシ一丁で雪原へ転がり落ち殴り合いをする冒頭から女人禁制な仕上がりに。『ダブルボーダー』でもストーリー上重要な位置にいるはずの女性キャラを、ただ「キャーキャー」騒ぐだけの存在にしか描けなかったほど女性の描けないウォルター・ヒルだが、本作では満足なセリフのある女性キャラはただ一人、それもジーナ・ガーションなので全体的に違和感もなく安心。“米露友好”をほんのりテーマに取り入れながらも、出来上がったのは平均的なウォルター・ヒル映画という結果に。
断然スタ公派だった私にとっては、“すきっ歯の筋肉”としてしか認識のなかったシュワ。“あだ名がガンビーのロシア人”とか“実はロボット”など、役柄に常に断り書きが必要なほど存在自体が不自然なのだが、その不自然さが必要な世界が舞台となるとずば抜けた輝きを放つのも確か。「ロシアにならいるかも知れない」という妙な説得力と、どっからどう見てもガンビーな衣装で、本作に見事に馴染んでいる。
走る姿があんまりにもソックリなので“ジョン・ベルーシの弟”という冠が常につきまといはするものの、偉大だった兄以上に広い芸幅が魅力のジェームズ・ベルーシ。犬を相棒にあてがわれたりと刑事物も多い印象があるが、『暴力教室’88』や『リバース』など、ダメなアメリカ人を演じさせたら右に出る者はそうそういなかったりも。
身体が細い以外はなんら今と変わらないローレンス・フィッシュバーンやピーター・ボイルなど、男臭い面々に囲まれた本作。どこを見ても、筋肉かスキンヘッドかジーナ・ガーションしか目に入らない非常に汗臭い作品ではあるが、清涼剤のような映画ばかりの昨今なので、たまにはこのギットリ感も新鮮。
好きな人には天国のようなサウナなんでしょうねぇ
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
人気blogランキングへ
映画の内容より、映画館で観客が私ただ独りだった事の方が記憶に残ってます。
監督はウォーター・ヒルだったんですねぇ。今初めて知りました(笑)
私もこれは劇場で観たんですが、なんか同時上映があったような気がするも思い出せないんですよねぇ。
ウォルター・ヒルは、この作品まではギリギリ彼っぽい作品を作ってたんですけどねぇ。