2007年01月14日

キャンディマン (Candyman)

監督 バーナード・ローズ 主演 ヴァージニア・マドセン
1992年 アメリカ映画 101分 ホラー 採点★★★★

試着室から消えた恋人が東南アジアで“ダルマ女”として見世物になってたとか、遊びに来てた友達が「コンビニに行く」と出て行った途端に電話をよこし「ベッドの下に包丁持った男が隠れてるの!さり気なく逃げて!」と言ったとか、夜の山道で車に乗せた父娘が実は誘拐殺人犯とその被害者だったとか、場所や細かい設定に変更を加えられ日本でも語り継がれる都市伝説。基本“友達の友達から聞いた”から始まるこれらの都市伝説には、怪談とはまた違った「もしかして本当にあった事件が基なのでは?」と思わせるだけの力強さと味わいがあるんですよねぇ。

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【ストーリー】
鏡の前でその名を5回唱えると現れるという“キャンディマン”の伝説。都市伝説を題材とした論文を書いていたヘレンはその伝説を調査していたが、突如彼女の前にキャンディマンが現われ殺戮を開始する。それらの犯行の容疑を掛けられたヘレンは、全てを失い追い詰められていく…。

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「他人には任せてられん!」と、早くから自らの原作の映像化に積極的に参加していたクライヴ・バーカー原作・製作総指揮による一本。まるでクローネンバーグの描くカナダのように寒々しく映し出されるシカゴに、まず魅入ってしまう。その寒々しい映像を背景に、徐々に明らかとなるキャンディマンの忌まわしい過去と悲劇、それと並行して全てを失っていく主人公といった物語の構成が上手く、やや控え目に抑えられたショック描写も物語をより浮き彫りにする点で効果的。凄まじいゴア描写を前面に打ち出し、相手が殺人鬼であろうが怪物であろうが、最終的には常にタイマン勝負のアメリカンホラーを見慣れてしまった目には物足りなさも感じられるかもしれないが、“キャンディマン”という具象化した対象がいるものの、抗うべき対象が“運命”でもある本作の持つ悲壮感は昨今のホラーではなかなか味わえないものである。その辺は、共にイギリス人であるクライヴ・バーカーとバーナード・ローズだからこそ出せた味わいなのであろう。一見“ラストでドッキリ”的エンディングではあるが、新たな“噂”として生きることを余儀なくされてしまった悲壮感はしっかりと伝わる。
後にシリーズ化もされる本作であるが、「呼んだところで何らいいことないじゃん」との疑念が大きくなるばかりのキャラクターホラーに成り下がってしまっているのでご注意を。

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ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』と本作でホラーアイコンの一人となった、トニー・トッド。最近では『ファイナル・デスティネーション』シリーズ(『ファイナル・デッドコースター』では声のみの出演)でもお馴染みであるが、やはり古風で豪勢なビロードのロングコート姿がピタリとはまる高貴な顔立ちと深みのある声を堪能できる本作でのトニー・トッドがピカイチ。葬儀屋で死体の相手をしているよりも、豪邸の大広間にポツンと一人優雅に座っている方が似合うと思うのですが。どのみち独りぼっちですけど。そんな独りぼっちが似合うトニー・トッドが、鏡の向こう側で名前を呼ばれるのをワクワクしながら待っている姿を想像すると、ちょっとカワイイ。4回で止める寸止めを繰り返すと、やっぱり向こう側でイライラしたりするんでしょうか?
レインメーカー』や『ファイヤーウォール』でもその美しさに翳りを感じさせなかったヴァージニア・マドセンだが、本作の頃はその絶頂期。その人形のような顔立ちと脱ぎっぷりの良さはジャンル的にジリアン・アンダーソンと大差がないので、「モルダーーー!」と叫ばせてみたいなぁとも思ったりするが、あんまり彼女をイジると、年々ホタテマン化が進む兄マイケル・マドセンから直々に説教を食らいそうなので程ほどに。

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呼ばなきゃいい

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posted by たお at 02:55 | Comment(6) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■か行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この映画大好きなんです〜思わずコメント!
一時期キャンディマンに恋してました。
続編も観てしまった気がしますが内容はあまり記憶に残ってませんw

4回で寸止め状態の彼は想像したことなかったのでウケましたw
4回まで呼ばれちゃったらきっとすっかり登場する気でスタンバっちゃいますよねぇ。
Posted by kenko at 2007年01月15日 15:56
kenko様こんばんは!
恋までしておられましたかー。
私も3まで観ているはずなのに、全くもって覚えてませんw
たぶん彼は、名前を3回呼ばれた辺りでコートを着て鉤爪付けて、発声練習をしているんでしょうねぇ。で、4回目辺りで鏡の前でワクワクと。
Posted by たお at 2007年01月15日 20:51
こーんばーんはー♪
先日のコメントでキャンディマンの話をしたと思ったら、早速レビューなんて!!(笑)
その反応のよさに思わず感嘆してしまいました♪
トニー・トッドが鏡の前でスタンバってる姿!!思わず想像してバカ受けしちゃいましたわヨ
いやあ、さすがたおさん、キレ味いいわぁ
実は関西芸人の血が流れてませんか?(笑)
Posted by chibisaru at 2007年01月19日 19:15
chibisaru様こんばんは〜♪
「あ、ついでにこれも観ちゃおう」てな感じでなんにも考えてはいないんですけどねw
いやぁ、5回呼んだら来るってことは向こう側で数えているんだろうなぁと思ったら浮かんだだけで^^;
静岡人の血と、一説にはほんのちょっぴり白系ロシア人の血が混じっているという話の私ですが、関西人の血は流れていなかったはず。
Posted by たお at 2007年01月21日 00:30
時期外れにお邪魔します。
この作品かな〜り前に鑑賞したのでウラ覚えですが、肝心のキャンディマン当人より話後半の団地住民の反応のほうが怖かった覚えがあります。(あんたらが新しい伝説を生み出したんだろーが×)、浮気旦那の最期には快哉叫んじゃったですが・・・。
どうもホラーの見方を間違えているのかも知れません^^。
クライブ・パーカー作品でしたか・・・。し、知らなかった。
Posted by 座敷わらし at 2007年02月05日 22:52
座敷わらし様こんばんは〜♪
>団地住民の反応のほうが怖かった
そこはとっても重要なポイントです!
結局、伝説の裏にある悲劇を作り出したのが群集でしたからねぇ。
クライヴ・バーカーの作品ですが、確か本としてはでていなかったような。
いよいよ『ミッドナイト・ミート・トレイン』が映画化されますが、どうなんでしょうねぇ・・・。日本では監督が奴になったんで、期待も高まっているようですが、個人的にはちょっと^^;
Posted by たお at 2007年02月07日 01:24
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Excerpt: 製作:クライブ・バーカー 監督:バーナード・ローズ 脚本:バーナード・ローズ 原作:クライブ・バーカー 出演者:バージニア・マドセン 、トニー・トッド 、ザンダー・バークレイ 、カシ レ..
Weblog: 風に吹かれて-Blowin' in the Wind-
Tracked: 2007-01-19 19:12
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