2011年 アメリカ映画 105分 サスペンス 採点★★
犯罪の目的を達成し尚且つ警察から完全に逃げおおせることって、下手な堅気の仕事よりも難しいと思うんですよねぇ。短期的に見れば犯罪で稼ぐ方が早そうですけど、トータルで見たら案外地道に働いてた方が稼げそう。まぁ、そんな難しいことに易々と手を出すような輩だから、あっさり捕まっちゃうんでしょうけど。
【ストーリー】
平穏で幸せな生活を送っていた高校教師のウィルと、音楽家の妻ローラ。しかし、ある晩ローラが何者かによって暴行され重傷を負ってしまう。そんな中、怒りと悲しみに暮れるウィルのもとにサイモンと名乗る謎の男が近づき、妻をそんな目に遭わせた犯人を代わりに殺す代理殺人の契約を持ちかけてくる。それを承諾したウィルは程なく犯人が死んだことを知り安堵するが、やがてサイモンからある男の殺人依頼が舞い込み…。
闇の私刑組織に立ち向かう平凡な男の姿を描いた、『リクルート』のロジャー・ドナルドソンによるサスペンス・アクション。製作者に『カラー・オブ・ハート』のトビー・マグワイアの名も。
代理殺人を依頼してしまった男に待ちうける運命を描くにしても、警察内部にまで入り込む巨大闇組織に立ち向かう男の物語を描くにしても、いくらでも盛り上がりそうな題材の本作。ところがこれが、まぁ盛り上がらない。脚本のお粗末さとプロットの弱さが全てを台無しに。
顕著なのが、ちょっとした恩義と後ろめたさを共有して結束を高める、なんか『シャドー』みたいな組織の描写。犯罪によって家族を失ったり街の腐敗に心を痛める善意の集団ではあるのだが、所詮素人が嫌々殺人をする“やらされてます感”がハンパじゃないので、機密保守の面でも組織存続の面でも説得力が余りに脆弱。カルト集団のような盲信している者に対する怖さが無い。ある意味唯一の特色である組織の描写がこんなんなので、あとはもう都合の良い展開とありきたりの描写が連続する、ちょいと残念な“よくある一本”に。
これで上位部署の人間が暴走する支部長にドギツイ説教をする“組織色”の強い締め括りでもすれば独特の味わいが残ったんでしょうけど、なんだかんだと銃が事態を制してしまういつもの展開に肩透かし感も大きかったなぁと。
高校教師のウィルに扮するのは、『ドライブ・アングリー』のニコラス・ケイジ。“普通の人”を演じたかった時期なのか、『ブレイクアウト』に続いて普通の中年男に扮しているんですが、まぁ大まかに見れば多少の無理をも押し通すいつものニコケイ。オーバーアクションと一般人役との相性は悪かったんですけど、嘘をついてる挙動不審っぷりだけは見事だったなぁと。
一方、謎の男サイモンサイモンに扮したのは、『プロメテウス』『ザ・ロード』のガイ・ピアース。一瞬人当たりが良さそうなのだが、知れば知るほど底意地の悪さが露呈する役柄を抜群の卑しさで好演。これで妻役である『アンノウン』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のジャニュアリー・ジョーンズがそれに同調すれば最高だったんですけど、ただ単に綺麗な奥さんってだけの役柄になんともガッカリ。もったいない使い方。
その他、『28週後...』のハロルド・ペリノーや、まだまだ悪魔が抜けきってない感じだった『エミリー・ローズ』のジェニファー・カーペンター、“ウォーキング・デッド”シリーズのアイアン・シングルトンらがキャスティング。中でも『ファースター 怒りの銃弾』のザンダー・バークレイの飄々とした公務員臭は良かったなぁと。
ここは逆だった方が良かったのかも
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やっちゃう前によく考えるべきですかねw
それって、どうよの見方ですね。
>悪魔が抜け切ってない
って(爆)!
>やっちゃう前によく考えるべきですかね
それが出来ないから犯罪なんぞに手を染めるw
「ニコケイだし」って観るのも正しい観方なんですけど、“ニコケイ映画”ってニコケイが一人で気持ち良さそうってのが大前提なので、本作のようにあんまり楽しそうじゃないのは、なんかとっても台無しって感じも^^;