2006年 アメリカ映画 85分 コメディ 採点★★★★
わんぱくで鼻たらしなだけだった小学生の私も、地元から離れボンボンばかりが集まる街場の私立中学へ進学すると、途端にイジメのターゲットに。まぁ、田舎者でしたし。数年ばかり苛められてた私も、パンクに出会いシド・ヴィシャスに憑依されたかのような風貌に変貌すると、バンドを始めたこともあって仲間も増え、全く苛められないまま楽しい学生生活を送ることと。「音楽って素晴らしいね」と締めたい所ですが、まぁただ単に怖がられてたんでしょうねぇ。
【ストーリー】
子作りにイマイチ消極的なガスと生まれついての苛められっ子であるリッチーとクラークは、野球場で苛められていた子供を助けたことをきっかけに「苛められっ子にも野球の楽しさを!」と、三人だけで子供のチームと対戦することと。その目的に賛同した自らも苛められっ子だった億万長者が、新設する球場を商品にトーナメントを開催する。
アダム・サンドラーが製作し、監督には『俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル』『ビッグ・ダディ』のデニス・デューガン、主演にロブ・シュナイダー、共演にジョン・ロビッツと、全くいつもと同じ顔ぶれが揃った安心印の一本。「今日はアレン・コヴァートいないのかぁ」と油断していると、脚本家としてクレジットされてるので要注意。
基本構図は“いじめっ子VSいじめられっ子”なのだが、いじめっ子が小学生なのに対し、いじめられっ子がいい歳した大人ってのが異色。と言うか、大人げない。いじめられっ子の代表のような彼らが奮闘する姿に全国のオタクが集合し応援する展開に新味は全くないし、野球映画にしては野球シーンは支離滅裂。しかしながら、ロブ・シュナイダー扮するガスの素性が判明する展開にヒネリは効いているし、何よりもいじめられっ子が奮闘する話自体が嫌いになれない。まぁもちろん、デニス・デューガンの笑いのツボを押さえた演出があってこその面白さであるんですが。劇中では笑いのネタになっている大人になっても苛められている主人公達だが、外界から遮断された小さな町が点在するアメリカでは、学生時代に形成された力関係がその町に暮らす限り一生付きまとう現実を映し出しているようで、ゾッともしましたが。
アダム・サンドラー映画で何をしでかすか分からない対人地雷として作品中に潜んでいる以外は、日本でその顔を見る機会が少ないロブ・シュナイダーだが、『ホット・チック』など主演作もなかなかの良作揃い。ところが、せっかくの主演作なのに今回のロブ・シュナイダーは面白くない。全くもって面白くない。変なアクセントで喋るわけでも、濃いメイクをしているわけでも、むぎわら帽子をかぶっているわけでもない。美人の奥さんがいて、ケンカも野球も強いいいとこ取りのキャラクターなのだ。ただ単に彼が不調だったのかと思えば、未公開シーンでの彼はいつも通りに面白い。面白いロブをことごとくカットし、あえてあまり面白くないロブを残しているのだ。なぜか?それは、ロブ・シュナイダーが本作のコメディリリーフではないからだ。じゃぁ、誰だ?と言われると、そりゃぁもう、たくさん。サタデーナイト・ライブ出身で本国では人気だが日本ではさっぱりのデヴィッド・スペード、ここまで日本未公開が続くと、本当に日本興行界の重鎮に個人的な恨みをかっているのではないかと思えてくる『バス男』『恋人はゴースト』のジョン・ヘダー。今回はややナポレオンなキャラに戻ってましたよ。相変らず口が半開きでしたし。この二人だけでもお腹一杯なのに、とどめがジョン・ロビッツ。ロブ・シュナイダーが大人しい分、ジョン・ロビッツが地雷だ。大金持ちになったオタクらしく、自宅はスター・ウォーズグッズに埋め尽くされ(カーボン化されたハン・ソロまで)、自家用車はナイトライダーのアレという、理想的な金の使い方を披露。よくよく考えてみれば、ジョン・ロビッツの出る映画に面白くない作品は少ないなぁと。つまらない作品でも、彼が出ている所だけは面白いですし。
この顔ぶれで、つまらない映画を作るほうが難しい
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哀生龍も最初そう感じたんですよ!
あれ? 何で??・・・と。
でも、それが戦略だったんですねぇ〜♪
>日本ではさっぱりのデヴィッド・スペード
凄くもったいないです。
彼の“真面目だからこそ滑稽なキャラ”は、かなり好きなんですけどねぇ〜
と書きつつ、まだ4作しか見ていないので、次回は脚本も書いている「ライラ/フレンチKISSをあなたと」を見たいと思ってます♪♪
作品のバランスを考え一歩下がるなんて、ロブも大人になりましたよねぇw
まぁ、ジョン・ロヴィッツが目の前にいれば、なかなか割り込めないんですが^^;
デヴィッド・スペードに限らず、ホント、コメディアンの認知度が低いんですよねぇ・・・。
私、ロブ・シュナイダーが好きなのでかなり期待して観てしまったんですが、なんだかみんな浮いてる気がしてイマイチ笑いが引きつってしまいました。
単に濃いだけ(いろいろと)…な映画だった気がします…;;
確かに今回のロブは、ずいぶんと控え目なんですよね。その分、ジョン・ロビッツが濃いんですがw
この系統は好きで見ているのですが、役者さんは覚えない私でも、ロブ・シュナイダーは覚えました。
ロブを覚えていても普段の映画生活では特にメリットもないんですが、アダム映画を観る時にはもの凄く得した気分にはなれますよw
確かに今回のロブ・シュナイダーは面白くなかったですね。周りにキャラクターの濃いメンバーが揃っていたとはいえ、ちょっと拍子抜けしました。それでもアメリカン・コメディらしく底抜けに明るい展開で退屈はしませんでしたけどね。何気にいじめ問題にも真剣に向き合ってますし。(笑)
ここ最近のアダム・サンドラーのアンサンブル路線を狙った気配もある本作でしたが、いささかロブは力を抜きすぎた感もありましたねぇ。まぁ、実際自身の主演映画ではあまりやりすぎることはないロブですが、今回は周囲の激濃さもあってちょうど良かったようにも^^