2011年 アメリカ/オーストラリア映画 116分 アクション 採点★★★
近代の争い事ってのは、原因を突き詰めてみると“石油”ってのが中心にある場合が少なくないですよねぇ。まぁ、だからと言って石油が無くなれば争いも無くなるってわけでもないでしょうし、それ以前に生活が成り立たなくなるでしょうし。画期的な新エネルギーや新素材がポーンと出てきてそれにシフトすればいいんでしょうけど、「石油はあと○○年分しかないよー」と言いながらもなんだかんだ出てくる往生際の悪さが、そのタイミングを逸し続けさせているような感じも。70年代のオイルショックで本当に無くなってたら、21世紀はどうなってたんでしょうねぇ?
【ストーリー】
かつては凄腕の殺し屋として世界情勢の裏側で暗躍していたダニーであったが、今では足を洗い恋人と共に静かな生活を送っていた。しかし、同業者で親友のハンターが仕事をしくじり依頼主に拘束されたことを知ったダニーは、ハンターを救うためその仕事を受けることに。“SASの精鋭を事故に見せかけて殺す”。この非常に難しい仕事を成功させていくダニーであったが、謎の組織“フェザー・メン”が彼の前に立ちはだかり…。
真偽は別として、実話を基とした原作をベースとしたサスペンスアクション。監督を務めたのは、本作が初長編作品となるゲイリー・マッケンドリー。
タイトルを聞くと否応がなしに忍者がヘロヘロアクションを披露するペキンパーのアレを思い出してしまうが、別物なので無論忍者なんか出て来ない骨太な本作。復讐が生み出した争いの連鎖に身を投じた主人公が、やがて石油利権を巡る国家レベルの陰謀に巻き込まれていく様をリアルかつスリリングに描いている。全体像がぼやけてしまってはいるが、「あぁ、なんか国家がやってそうな陰謀だなぁ」って説得力はある。ただまぁ、肝心の“フェザー・メン”に全く迫力も凄味もないってのはどうかと。
リアルさを優遇しケレン味を嫌った演出方法がそうさせたのかも知れないが、何もかにもが滲んだかのようなボヤけ具合。映画をスムーズに理解させ、一定のリズムとメリハリを付ける事で関心を引き続ける最低限の“誇張”ってのがほぼ皆無。“80年代”という時代設定はデカイ電話とモミアゲで判断するしかなく、主人公を追うスパイクの片眼が義眼であることもセリフで説明されるまでは気付かないなど、注目して欲しい部分もそうでない部分も同じトーンで撮られているので、それなりの事をやってるのにアクションはボヤけ、じゃぁ反面ストーリーが際立つかといえばそうでもない、まだまだ手慣れていない作風が残念。“ジェイソン・ステイサム版『ミュンヘン』”として、いつものステイサム映画を観るようなスタンスで観賞するのが丁度良いのかと。
ダニーに扮するのは、『ブリッツ』『メカニック』のジェイソン・ステイサム。どんな役柄だろうがどんな場所に立とうが、結局はいつものステイサムでいてくれる絶対的な安心感が魅力。何色にでも染まる器用な役者ってのも映画界にとって重要だが、何色でも自分色に染め直すこういう存在も貴重。本作では多少序盤にぐずぐずするが、怒り始めて以降はいつものジェイソンなので、「なんでもいいからジェイソン・ステイサムを観たいなぁ」って作品を手に取る私のようなファンを最低限満足させるだけの仕事は完遂。そんなステイサム仕事に、★ひとつオマケで。
また、そんなダニーを追うスパイクに扮したのは、『シューテム・アップ』『トゥモロー・ワールド』のクライヴ・オーウェン。『シューテム・アップ』の駅弁撃ちが悪かったのか、最近どうにも元気がなく心配だったんですけど、本作ではいつものシャツがちょっと臭そうな“だらしない男前”を存分に披露していたので安心。まぁ、役柄が全てにおいて邪魔者でしかなかったのには、ちょい不安を募らせちゃいましたが。
その他、今回は完全な“楽チンモード”であった『ミート・ザ・ペアレンツ3』『マチェーテ』のロバート・デ・ニーロや、『ブレイド3』のドミニク・パーセルらも出演。
もう“ステイサム”ってのは一つのジャンル
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訪問&TBありがとうございます。
突然のことで戸惑っております…。
ジェイソン・ステイサムは、どれも同じような役ですね。
と言いつつ、『SAFE/セイフ』も観る予定です。(笑)
そうそう(笑)
内容はともかく、“ステイサム”映画だから見ておくか。
と思っちゃうことも多いです。
この監督が映画作りに慣れたらどんな作品を作るのか、少しだけ気になります。
コメントを書いていくとそれも
ERROR : 投稿に失敗しました。
…となってでてしまいます;
のでこれで失礼します
アクション映画でもジェイソン・ステイサムが出てるとどこか安心感がありますよね(笑)
>もう“ステイサム”ってのは一つのジャンル
確かに!!そうですねー
URL欄に記事URLを記入しておきます
俺色に染まれなステイサム兄貴の作品としてはまああまあな作品でしたが、
やはり石油利権の話と、おっしゃられているとおり裏組織の設定にはちょっと微妙だったかなと。
それぞれ見せ場もあり、見れる作品にはなってるものの、どうもやっぱりストーリーに引力が足りないなあと思ってしまいました
どれも似たような感じってのは、ある意味ステイサムの強みでもありますよねぇ。とりあえず観たいものは観れるっていう。
ステイサムが出てるなら大体安心って感じ^^
想定内に収まるけど、それが観たかったんだから文句はないんですよねぇ。まぁ、本作は作り手がイマイチ手慣れてなかったってのが痛かったんですが^^;
>アクション映画でもジェイソン・ステイサムが出てると
ってか、ほとんどアクション映画でしか見なくなりましたが^^;
まぁ、次世代がなかなか育ってないアクション映画界では数少ない“ザ・アクションスター”ですよねぇ。
あらあら、それは大変お手数を。
maki様んとこのは今まで何の問題もなく受け付けてたんで、もしかしたらシーサーが無理やり禁止語句を文章から見つけ出しちゃったのかも知れませんねぇ…。