1985年 アメリカ映画 94分 ファンタジー 採点★★
ハンサムは何をやっても似合うんだよ。あ、僕トム・クルーズです。「お姫様になりたーい!妖精になりたーい!」と夢見がちなことを言ったり、実際にそんな格好をしちゃったりする夢から醒めてない女の子っているよね。まぁ、それも多少大らかな気持ちで見れば可愛いっちゃあ可愛いもんだけど、あんまり男の子で「王子様になりたーい!妖精になりたーい!」って言う人はいないよね。やっぱり、アレかな?ハンサムが足りないからかな?でも、僕はやるよ。だって、ハンサムだもん。
【ストーリー】
闇の魔王が世界から全ての光を奪い地上を支配する為、光の象徴である神聖なるユニコーンを捕らえた。そのユニコーンと愛する王女を救う為、森の妖精と森の人トムちんが魔王の城へと向かう。
「観た!」という強烈な印象が残っている割に、内容はサッパリ思い出せなかった本作。改めて鑑賞し直してみたが、昨夜観たばかりだというのに相変らず内容はサッパリ。
スピルバーグ同様、徹底したリアリズムと妥協なき暴力描写が本来のスタイルであると、最近になってようやく認知され始めたリドリー・スコット。しかし、『エイリアン』『ブレードランナー』直後だった当時は、まだまだ「ビジュアルだけのSFの人でしょ?」と誤解されていたようで。どっちかと言えば、それは弟の方ではと。まぁ、そんな誤解が生じても仕方のないほど、本作のビジュアルイメージは強烈。やり過ぎと言えるほどファンタジーの世界を徹底的に再現したセットは全てのシーンが絵画のように美しく、特に暖炉の炎を照明に利用した王女の舞踏シーンの美しさは絶品。しかし、画面上を花びらだの粉雪などシャボン玉だのが常に飛び交うウザったいほど美しい映像とは裏腹に、物語がビックリするほどチグハグ。元々は150分ほどあった完成版を94分(欧州版114分)にカットしただけあって展開は唐突。また、人物描写が浅すぎるため、お姫さまは行き当たりバッタリの行動を繰り返すただのバカにしか見えないし、トムちんにいたっては、女性に対して根拠の全くないお世辞だけが上手い森に住むちょっとアレな人以外の何者でもない。この二人の間で恋愛感情が存在していることにも説得力が全くなく、トムちんはお姫さまを好きだとしても、お姫さまにとってのトムちんは、自分になついている森の小動物のように扱っているようにも。案外その通りなのかも知れませんが。本作の100分の1くらいの予算でホールマークあたりが作れば、もっと面白い作品になったのでは。
94分の上映時間にタンジェリン・ドリームが音楽を担当した米版、114分の上映時間にジェリー・ゴールドスミスが音楽を担当する欧州版と二つのバージョンがメインに存在する本作だが、なぜか日本公開版は米版の上映時間に欧州版の音楽というややこしいバージョン。米版で使われていたのか、ブライアン・フェリーがまるで自分の主演映画のように気持ち良さそうに歌うPVを先に見ていたので、劇場で鑑賞した際に流れてこないのでガッカリした記憶も。
過剰なまでに作りこまれた背景の中を走っていると、まるでケイト・ブッシュのPVを見ているかのような現実離れした美しさを発揮する『フェリスはある朝突然に』のミア・サラの美しさには溜息が出るばかりだし、「オンナ♪オンナ♪」と嬉々として女性を追っかけまわしていた『モンスター・パニック』や人体破壊の限りを尽くした『遊星からの物体X』のロブ・ボッティンによるクリーチャーデザインも秀逸。そして、そのロブ・ボッティンにより原型を留めないほどゴテゴテとメイクされているにも関わらず存在感を失うどころか、より強固にその存在感をアピールするティム・カリーのいつもの仕事ぶりにも感嘆する。本作や『ロッキー・ホラー・ショー』『IT/イット』のように分厚いメイクをしていても、『殺人ゲームへの招待』や『シャドー』のようにスッピンでも芸風が全く変わらないのは凄い。
だが、本作最大の鑑賞ポイントは彼らではない。そう。もちろんトムちんだ。厳密に言えば、トムちんの太ももだ。基本的にトムが飛んで、トムが回って、トムが泣いて、トムがニカっと笑う映画なのだが、それ以上に印象に残るのがトムの太もも。ピーターパンのような緑の衣装は異常なまでに短いホットパンツだし、いざ鎧を着込んだかと思えば、丈が異常に短いのでミニのワンピース姿にしか見えない。作り手もトムちんの太ももを撮ることに執着しているのか、スタントを使っているわけでもないのに太ももしか映っていないシーンも多数。顔よりも太ももが映ってる時間の方が長い。しかも、四つんばいかしゃがんでいるシーンばかりなので、顔が写っていればもれなく太ももも。共演者がトムちんよりさらに小さい方々なので、彼らをワンフレームに収める工夫としてトムちんがしゃがんでばかりいると思っていたが、作り手の意図はそこではなかったのかも。あんまり嬉しくない配慮でしたが。
トムちんもリドリー・スコットも二度と近づかないジャンルではあるが、トムちんは可愛かったので、トムちんファンか美少年の太ももフェチの方々にはオススメの一本で。
どんだけ寒くても太ももだけは
↓↓ぽちりとお願いいたします↓↓
人気blogランキングへ