2009年 ノルウェー映画 91分 ホラー 採点★★★
どんなに平和そうに見える土地でも、過去には忌まわしい出来事の一つや二つくらいあったりしますよねぇ。私の住む地元にも、その長閑な田園風景とは裏腹に“女殺し”と呼ばれる地名がありますし。まぁ、その由来については聞く人によってマチマチなんですけど、たぶん誰かは死んだんじゃないのかと。
【ストーリー】
冬山にバカンスにやって来た医学生の若者たち。そこへ突如ナチスのゾンビが襲来。彼らは一人一人と血祭りにあげられていき…。
ゾンビがナチスで阿鼻叫喚なノルウェー産ホラーコメディ。
“ナチゾンビ”のインパクト一発勝負のキワモノホラーではあるが、思いのほかしっかりとした因果関係作りや気合の入ったゴア描写、メリハリの効いたスピーディな展開に豊富なギャグと、案外堅実な作りが好印象な本作。“ナチスの秘宝”がカギを握ってるかと思えば案外そんなの関係なくゾンビが暴れてたり、笑いと恐怖が噛み合ってるとは言い難かったりと難も少なくないが、どんな映画が好きでどんな映画にしたかったのか手に取るように分かる、その好きな物に対する素直さが好き。なんか自己紹介代わりに映画作ったみたいな。また、笑わせながらもバッドエンドに持っていくセンスも好み。
「ナチスのゾンビが出てきたよ♪」って以外は特に書くこともない作品なんですが、勝負に出たそのインパクトは充分過ぎるほど効果があったので結構楽しめた一本で。それにしても、最近の北欧ホラーはホント元気が良いなぁと。
因みに、登場人物の一人が着ていた“Brain Dead”Tシャツは、ピーター・ジャクソンのアレじゃなくて『ブレイン・デッド 死霊の晩餐』の方なのでお間違いなきよう。
ノルウェーっ子にとっちゃ、こんなの冬の内に入らないんでしょうねぇ
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
『処刑山』ご覧になりましたか!
「あー……雪山でゾンビ映画撮ってみたいなー……」という思いつきでできたんじゃないかという感じもしますが、画面全体から漂う自主制作臭さとかブレインデッドTのオタク臭さから、変に愛着湧いてしまいますね。
>笑いと恐怖が噛み合ってるとは言い難かったり
あの状況下で「海にいけばよかった!」とか、笑いのセンスも独特なんですよね。これも気に入らない人とハマる人の差が開きそうです。
あと、ブレインデッドはピーター・ジャクソンのじゃなかったんですね!! タイトル違いってことも『死霊の晩餐』って映画も初めて知りましたよ。教えていただいてありがとうございます。
なんか大好きな『死霊のはらわた』を撮ろうと思ったんだけど、周囲に雪山しかなかったみたいな映画でしたねぇ。でも、そんなやる気と愛情に溢れた作品だったんで嫌いにはなれず。
私も当初ピージャクのブレインデッドだと思ったんですが、調べてみたら違う作品だったようで。