シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム (Sherlock Holmes: A Game of Shadows)

監督　ガイ・リッチー　主演　ロバート・ダウニー・Ｊｒ
2011年　アメリカ映画　129分　アクション　採点★★★

独身時代に遊びまくった友人でも、結婚した途端なんとなく疎遠になってしまうことがありますよねぇ。遊ぼうと思っても「アイツの嫁さんに悪いしなぁ」とか気が引けちゃったり、いざ遊んだとしても家庭の話題が出ちゃったりすると妙に幻滅したりも。やっぱりアレですかね？男同士の友情の根底には、なにか恋愛感情にも似た物が流れてたりするんですかねぇ？



【ストーリー】
19世紀末。各地で爆弾テロが続発。誰しもが反社会勢力による犯行と考えていたが、名探偵シャーロック・ホームズだけは、その事件の背後に天才犯罪者モリアーティ教授が関わっていると確信していた。そんな折、新婚旅行中だった親友で助手のワトソン博士とその新妻メアリーがモリアーティ一派に襲撃されるが、間一髪ホームズによって救われる。そして彼らは、モリアーティ教授の陰謀を阻止すべくパリへと向かうのだが…。



ホームズが武闘派になってて驚いた『シャーロック・ホームズ』の続編を、前作同様ガイ・リッチーがメガホンを握って作り上げたミステリー・アクション・アドベンチャー。
宿敵モリアーティ教授との対決を描いた『最後の事件』をちょいとかじった本作。愛読者の方々であれば、「滝のシーンでの抱きつきっぷりが、挿絵に似てるー♪」とかより一層楽しめるんでしょうけど、私のように「ホウムズ？あの帽子被ってパイプふかした頭良い人？」って程度の認識しかないにわかであっても楽しめる、とっても親切な作りが嬉しい一本。相変わらず小忙しい展開なので、一本筋が通った物語なのに雑な感じがしてしまう難点もあるが、ガイ・リッチーらしい独特な映像センスとリズムに、ジョエル・シルヴァーらしい派手さと大味さが良い具合に融合されているので、全くダレることなく最後まで楽しむことが出来る。特に、名チェスプレーヤー同士の試合の如く、卓越した頭脳と肉体が直結した天才同士だからこそ可能な“戦わずして結果を導く”クライマックスは、この作品ならではのスリルかと。まぁ、物語自体は「ワトソンが結婚しちゃうなんてヤダー！」ってのを世界危機レベルまで広げただけのものでしたけど、そんなラブラブっぷりをこっちは観たんで特に不満もなく。
ただまぁ、その小忙しさもそうなんですがアプローチ方法も絵的にも前作からほぼ変化がなく、半年も経てば前作と頭の中でゴッチャになってしまいそうな個性の無さが否めないのは残念かと。



武術に通じジャンキーでエキセントリックと、考えてみれば原作に忠実なホームズに扮したのは、引き続き『デュー･デート 〜出産まであと５日！史上最悪のアメリカ横断〜』のロバート・ダウニー・Ｊｒ。ジャンキーでエキセントリックな役柄に彼がハマらないわけはなく、その悪童ならではのいたずらっ子気質も駄々っ子ホームズにピッタリ。問題ばかり起こして一時はどうなるかと思いましたが、メジャー大作に仕事をシフトしてからというもの、こういう彼独自の持ち味を活かしながらのびのびとした仕事っぷりが続いているので一安心。
一方ホームズに追い回されるワトソンに扮したのも、前回から引き続き『コンテイジョン』のジュード・ロウ。どっちかと言えば“動”のキャラなのだが、ホームズがあんまりにもあんまりなので“静”な感じがしちゃって良いコントラストが生まれる見事なコンビネーション。ツンデレをツンデレで返す、“イヤよイヤよも好きのうち”的キャラを好演。なんか自分でも何を言ってるのか分かりませんが。
その他、モリアーティ教授に扮した『ザ・ウォード／監禁病棟』のジャレッド・ハリスや、もうちょっと活かしようがあった気もする『ミレニアム　ドラゴン・タトゥーの女』のノオミ・ラパス、あっさり退場するのが残念だった『ウエディング・クラッシャーズ』のレイチェル・マクアダムスに、ある意味ひとりで英国色を背負ってた感じもした『Ｖフォー・ヴェンデッタ』のスティーヴン・フライらもキャスティング。


本音は一緒に居たいだけ

↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
　　　

　　　　　　　　

　　　　　　　　

Comments

>前作と頭の中でゴッチャになってしまいそう
ある意味シリーズものの宿命ですね。
「寅さん」「釣りバカ」なんかその典型です。
違うのはヒロインのキャストと訪れる地方くらいで粗筋にすればほぼ同じ。
人情やキャストの立ち位置、展開までそっくりとくれば良くも悪くもマンネリの極みです。

ともあれ、ヒットした前作と同じ色調で行くか、敢えてガラッと変えるかと考えた場合、２作目では同じ雰囲気とするのでしょうが、３作目はどうするのでしょうか。

モリアーティ教授はどうなるんでしょうね。

Posted by KGR at 2012年08月12日 08:05

>相変わらず小忙しい展開なので、一本筋が通った物語なのに雑な感じがしてしまう難点もあるが
このリズム感がガイ・リッチーならではというか、観客に一緒に謎解きをさせるタイプではないですよね。

>本音は一緒に居たいだけ
もうその一言に尽きます（爆）

Posted by 哀生龍 at 2012年08月12日 10:30

KGR様、こんにちは！
まるでまとめ撮りしたかのような感じでしたが、“特色”って意味ではまぁこうなるのかなぁと。
もしシリーズを続けるとなると、モリアーティに匹敵する敵キャラを無理に作るよりは、スペクターのブロフェルドのようになんだかんだモリアーティが絡んでくる方が面白そうですねぇ。

Posted by たお at 2012年08月12日 17:27

哀生龍さま、こんにちは〜♪
推理は全部ホームズに丸投げして、ただただ展開に身を任せて楽しむタイプですねぇ。
ホームズとワトソンのラブラブっぷりを楽しむ作品なんで、シリーズが続くならチューしない程度のイチャイチャを期待したいところでｗ

Posted by たお at 2012年08月12日 17:29

ほんと!ホームズとワトソンのラブラブっぷりを楽しむ作品ですよね(笑)
いいコンビです♪

Posted by yukarin at 2012年08月13日 22:16

レイチェルのあっさり度が、男性諸氏には不評のようですねえ。
こっちの見たくもない兄貴のヌードなどがありましたが・・。

本日、「アベンジャーズ」を見てきたもんで、ロバダウは、やっぱアイアンマンかなあ〜と。こっちも当たり役ですが、スタークが見事にはまってました。

Posted by sakurai at 2012年08月14日 21:40

yukarin様、こんにちは〜♪
まぁ、ある意味ラブストーリーですしねぇｗ

Posted by たお at 2012年08月15日 13:20

sakurai様、こんにちは！
なんか“展開上不要だからさっさと消す”みたいな扱いだったもんで＾＾；
兄貴のヌードには笑わせて頂きましたがｗ
『アベンジャーズ』は近々観賞予定なので、ダウニー・Ｊｒの悪童っぷりを楽しみにしているところで！

Posted by たお at 2012年08月15日 13:30