ソウ３ (Saw �V)

監督　ダーレン・リン・バウズマン　主演　トビン・ベル
2006年　アメリカ映画　108分　ホラー　採点★★

まぁ、３人に増えてないだけ良かったですが。

【ストーリー】
ゲーム好きのジグソウに誘拐された男女。女性医師リンに与えられたルールは、ある男に仕掛けたゲームが終了するまで、瀕死状態にあるジグソウを生かし続けること。一方、愛する息子をひき逃げで失ったジェフに与えられたルールは、３人の男女、その事故を目撃しながら証言しなかった女性、犯人に軽微な罪しか宣告しなかった判事、そして息子をひき殺した運転手を赦すことだった…。



誰の目にも明らかな最善策はあるものの、そんなことは絶対にやりたくない究極の選択を強いる状況設定と、最初から答えが目の前にぶら下がっていた巧みな脚本で唸らせた『ソウ』。しかし、“なにかと増える”続編のセオリーに乗っちゃったのか、『ソウ２』になると残酷描写だけでなく犯人までも増やしたのはいいが、肝心の緊迫感がないがしろのワンパク映画に。で、本作だが、前作と比べれば大分“ソウらしく”軌道修正がなされているが、言葉を変えれば、辛うじてソウの体裁が保たれているとも言える。シリーズを通してテーマとなっていた“贖罪”も、事ある毎に言葉として語られてはいるし、さすがに一つの選択で延々と悩むような質素さはなくなったが、選択の苦悩も手短に描かれているが、結局前面に打ち出されているのは残酷処刑ショー。
序盤から詰め込まれた手の込んだ処刑シーンの数々に選択の苦悩が入る余地はなく、「いちいち悩んでたら上映時間が３時間を越えるでしょ！」と念を押されたかの如くにサクサク進んでいく。確かに嫌悪感と痛点を刺激するゴア描写の完成度は高く、圧倒的な迫力を生んでいるのだが、「“ソウ”と言ったらやっぱコレでしょー」と鼻高々な製作側と私の間で“ソウ”に関する認識の意思疎通が上手くいってなかったようで。
少なからず外部の視点もあった前２作とは異なり、本作は完全にジグソウ視点。思いのほか元気だ。そんなジグソウの“自称閻魔大王”ぶりを堪能できる方にはうってつけの一本だが、「何様だ？」とすぐに怒ってしまう私のような短気な人間にはちょっと。



残酷処刑ショーに成り下がったとは言え、物語自体に見所がないわけではない。女装したモルダーに見えて仕方がないアマンダと女医との“女の意地対決”も、その間に挟まれてしまっているのが瀕死の老人という構図が面白いし、『リベリオン』のラスボスが扮する父親の、全員許している割に誰も助からない間の悪さも、楽しいっちゃぁ楽しい。
そもそも、前２作の収集付けに慌しい印象が強いものの、２本の基本ラインを最終的に１本に繋げる脚本は決して悪くはない。アマンダの意外なキャリアの長さや、ゲームの本来の目的が明かされるラストにも驚きは少なくない。その後のもう一捻りは、蛇足だと思いますけど。
第４弾のアナウンスもされたようですが、やはり残酷増量路線で行ってしまうのだろうかとの不安も。まぁ、安易に“ビギニング”とかやられるのも困りモノですが、どうせなら、冷凍保存されたジグソウが未来で発見されて宇宙に行っちゃったり、ジョン・ドーやレクターと対決する方向に進んでいただければと。


トレパネーションを受けたことをきっかけに、超能力に目覚めるとか

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Comments

最初に編集したときは3時間以上あったみたいですね。
テンポの良さという意味では飽きずに最後まで見れました。
TBありがとうございました。

Posted by とりこぷてら at 2006年11月21日 18:22

とりこぷてら様こんばんは！
あら。やっぱり３時間超えてたんですかｗ
テンポがいいというか、すっごくサクサク進んでましたねぇ＾＾；

Posted by たお at 2006年11月21日 21:59

こんばんわ！
この会社の社長が、「グロが人気があって売れるなら売れるものをつくる」ってなことを云ってたので、続編はさらにグロかもｗ
やっぱり人間の体は悪魔の力でも借りないと首は360度回りませんね。

Posted by ＰＩＮＯＫＩＯ at 2006年11月22日 00:13

ＰＩＮＯＫＩＯ様こんばんは〜♪
グロは嫌いじゃないんですが、そればかりでも・・・＾＾；
なにやら首やら手足やらがギコッギコッっていってましたが、それを前にオロオロするだけのオッサンが印象的で。

Posted by たお at 2006年11月23日 00:08

たおさん　お返しするのがとっても遅れてしまってごめんなさい＜(_　_)＞

＞女装したモルダーに見えて仕方がないアマンダ
これ！言われてみればほんと似てる!!!

あ〜レクターとの対決が観たい♪
たおさんっていつも発想が豊かですよねぇ。
このバトルで監督をして欲しいくらいです☆

Posted by なぎさ at 2006年11月23日 13:48

なぎさ様こんばんは〜♪
実際『ツイン・ピークス』で女装したモルダーの印象が強すぎて、なかなか頭から離れないんですけど＾＾；
レクターとの対決は是非観たいのですが、ジグソーは既に食べやすく開いちゃっているので、かなり不利かと。

Posted by たお at 2006年11月24日 02:06

こんばんは、たおさん♪

＞残酷処刑ショー

確かに〜。もう三番目の青年に至っては、酷すぎて……。なんで、あそこまで残酷しなきゃいけないんでしょうかね〜？

とりあえず、全然期待しないで観たので、作品的には面白かったんですけど、これで完結にしてほしいな、って思いますね〜。

Posted by りら at 2006年11月24日 21:39

りら様こんばんは〜♪
なんかこう・・・処刑シーンだけに特化してきたようなきもしますねぇ、このシリーズ。売れている間はずーっと続くんでしょうねぇ。

Posted by たお at 2006年11月25日 02:24

こんにちは、ＴＢありがとうございます。
今回の「ソウ３」は、ジグソウが出ずっぱりで私的には満足でした。
次作は、どうやら『ビギニング』らしいですよ。
今後共「ｍａｓａｌａの辛口映画館」を宜しくお願いします。

Posted by ｍａｓａｌａ at 2006年12月07日 01:19

ｍａｓａｌａ様こんばんは！
また“ビギニング”かぁ・・・。

Posted by たお at 2006年12月07日 01:59

こんにちは♪
ビギニングにしても続編にしても外伝にしても残酷は増量の方向でしょうね〜。
脳みそ見えた時点でレクター博士を思い出してしまいました。

Posted by ミチ at 2006年12月07日 16:19

ミチ様こんばんは！
『ソウ』の面白さって、そこだけじゃなかったと思うんですけどねぇ・・・。

Posted by たお at 2006年12月08日 15:57

TB貼らせていただきました。
グロ場面を考える能力がすごいのはわかったけれど・・・といった感じです。
「リベリオン」親父の話は悪くなかったのになぁ・・・と思ったり。
またお邪魔します。ではでは。

Posted by 微妙 at 2006年12月09日 13:56

微妙さまこんばんは！
そうなんですよ。あの父親の物語だったらいくらでも膨らみそうなものなのに、処刑シーンばっかに力が入っちゃってて・・・。

Posted by たお at 2006年12月09日 21:01

TBありがとうございました。
今作はなんだか残酷描写ばかり目立ってしまって、１作目のような衝撃がありませんでした。
やっぱりこういう映画は１本で終わりにしとくべきなんでしょうかね〜？

Posted by TEPPY at 2006年12月13日 17:18

TEPPY様こんにちは！
キャラがむちゃくちゃたっていて、それさえ出ていれば全く問題ないのなら乱造されても仕方がないのですが、ジグソウってそうなのかなぁ・・・＾＾；

Posted by たお at 2006年12月14日 10:21

トラさせていただきます＾＾
＞、「何様だ？」とすぐに怒ってしまう私のような短気な人間にはちょっと。

この点同感です（笑）
まだ、ジグソウの方はやり方というか、一本スジが通ったように見える部分もあるのですが
アマンダの単に自分勝手なキャラはまったくもって共感できず・・・
しかもあんな残忍なゲームを仕掛けてるくせに
ジグゾウの頭ぱっくり手術シーンで尻込みするあたりなんて・・・

もう４はいらないけど
ホント「ビギニング」「リターンズ」あたりができそうで心配です

Posted by じゅりまの at 2007年03月31日 10:28

じゅりまの様こんばんは〜♪
もう、だんだんイライラしてくるんですよねぇ、これ＾＾；
ゴアと物語がすっかり逆転しちゃいましたし・・・。

Posted by たお at 2007年04月02日 01:00

こんにちは！　こんな作風になると、かえって見ているうちに残酷さにマヒしてしまい、そんな自分が怖いです。

Posted by みのり(楽蜻庵別館） at 2007年10月22日 10:42

みのり様、こんばんは！
残酷描写に慣れてくるというよりは、「今オレは何を観ているんだ？」と首を傾げる時間の方が多かったですねぇ＾＾；

Posted by たお at 2007年10月22日 21:18

あはは、4作目は安易にビギニング路線も込みでしたね(´▽｀*)ｱﾊﾊ
ってことは5作目はリターンズでしょうか？(；・∀・)
冷凍保存の線も難しいかな？

Posted by miyu at 2008年04月07日 23:04

miyu様、こんにちは！
まぁ、“クローン”“模倣犯”“落雷で”“超能力少女のうっかり”と、蘇らせる方法は山ほどありますしねぇｗ

Posted by たお at 2008年04月13日 08:13