2011年 アメリカ映画 106分 ホラー 採点★★★
自分が高校の頃って、経済力があって車を持ってて、遊び方と遊ぶ場所を知ってる大人が羨ましく思える一方で、どうやっても敵わない憎らしい敵って感じでしたねぇ。彼女のバイト先なんかにそんな大人が居たりすると心中穏やかなんかじゃなく、デート中なんかにバイト先の話題が出るだけでヤキモキしちゃったもので。「オレも大人になったら若造にヤキモキされるぞぅ!」と誓って早数十年。未だその誓い果たせず。
【ストーリー】
脱オタクを果たし美しい彼女も出来た高校生チャーリーの家の隣に、謎めいた色男ジェリーが越してくる。女手一つで育ててくれた母親も好意を寄せてしまう男性の登場に心中穏やかじゃないチャーリーのもとに、かつてのオタク仲間エドが「奴は吸血鬼だ!」と警告しにくるが、そんな警告に耳を貸さなかったばかりに…。
1985年の、未だにJ・ガイルズ・バンドによるテーマ曲のサビの部分が突然頭の中で流れたりする『フライトナイト』を3Dでリメイクしたホラーエンタテイメント。メガホンを握ったのは、『ラースと、その彼女』のクレイグ・ギレスピー。
要約すれば“隣に吸血鬼が越して来てスゲェ嫌だ”って本作。もうちょっと深めに掘り下げれば、脱オタクを果たし身の丈に合ってない彼女が出来たはいいが、そのポジションに居続けることへのプレッシャーと居心地の悪さを感じる車すら持っていない主人公の隣に、イケイケドンドンの色男が越して来てスゲェ嫌だって話。重要なのは“吸血鬼”ってとこじゃなく、車も経済力もルックスも何もかもが自分より勝ってる色男が来てしまったってとこ。“彼女も母親も奪われてしまうんじゃないか?”“背伸びしてる事がばれちゃうんじゃないか?”って不安と、到底敵わない大人をモンスター視する思春期っぷりをしっかりを収めた前半部は面白い。オリジナルから抜き出すべき部分を理解した作りも嬉しい。
ただ、面白いのはここまでで、後は追いつ追われつの単なるホラーバトル映画に成り下がってしまう。“隣人が吸血鬼であることを周囲が信じる/信じない”の溜めがほとんどないまま「やぁ!私が吸血鬼です!」と本人がネタバラシをしてしまうので、主人公が孤立して精神的に追い詰められるって見せ場は皆無で、唯一の大人の協力者であるピーター・ヴィンセントも、“なりたくはないけど、結局自分もこんな風になっちゃうんだろうなぁ”って大人の象徴から単なるケバい人になっちゃったんで、“子供対大人”の構図が一気に弱まってしまう、なんとも残念な展開。まぁ、“ホラー映画を作ろう!”ってのよりも、“『フライトナイト』をモチーフにしたホラーアトラクションを作る!”って意味合いの方が強い作品なんでしょうから、こうなるのも仕方がないんでしょうねぇ。
主人公のチャーリーに扮したのは、『スター・トレック』のアントン・イェルチン。ピープル誌の“最も美しい100人”にも選出されたことがあるそうですが、本作から受ける印象は“理数系に強そうなちょいとイケメンなDJクオールズ”って感じだったので、役柄的にはピッタリかと。努力でモテたギークって感じで。
その他、オリジナルに模した扮装と特殊メイクも披露してくれた『センチュリオン』のイモージェン・プーツや、是非とも狼男に変身して欲しかったエド役に、ギーク役者の代表格となった『キック・アス』のクリストファー・ミンツ=プラッセ、『リトル・ミス・サンシャイン』のトニ・コレットに、オリジナルの役柄のままゲイリー・オールドマンにやらせれば良かったのにと思ってしまったピーター・ヴィンセント役にデヴィッド・テナントがキャスティング。オリジナル版でジェリーに扮したクリス・サランドンも、新ジェリーに襲われるドライバー役でちらりと登場。
ただやっぱり本作の目玉は、吸血鬼ジェリーに扮した『マイアミ・バイス』のコリン・ファレル。吸血鬼のくせに“主食が肉”って感じがプンプンするのはどうかと思いましたが、高校男子にとって歓迎できない隣人としてはこのくらいのギラギラギトギトが丁度良いのかと。“草食vs肉食”って感じも。実際、コリン・ファレルとかマシュー・マコノヒーとか隣に越して来られたら、夜中とか非常に騒々しそうですしねぇ。自分の彼女を最も紹介したくないタイプでもありますし。
要はコリン・ファレルが越して来たらスゲェ嫌だって話
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
コリンのワイルドな肉食系ヴァンパイアも
セクシーで素敵に見えました
…が。なにぶん詰めが甘いというか、
ヴァンパイアを隠さない部分がもう気になって気になって。
そんなに堂々とヴァンパイアしててもいいのかなと思ったりも。
まあ、人?の勝手ですよね(笑)
物理的にはガンガン追い詰めてくるけど、精神的・社会的に追い詰めてはこない、如何にも肉食系のヴァンパイアでしたねぇ。まぁ、そこがコリンにハマってたんでしょうけど^^;
TBありがとうございます。
僕はこの作品、結構期待していたので
ちょいと残念でした。
もっと怖いかと思いきや・・・
怖くないんですよね〜。
3Dが全然生きていない(怒)
イモージェン・プーツの美しさだけ
が救いでしたね(笑)
無理して背伸びしているティーンエイジャーが、
到底敵わない大人をモンスター視する思春期映画。
まさにそういう映画でしたね。
思わず膝を叩きまくってしまいました。
後半のつまんなさも、まさに、ですね。
まさに!!(笑)
吸血鬼じゃなくても、十分に危険ですね。
自分が持っていない物を全て持っている上に、数少ない自分の物まで奪われそうな、危険な存在。
>単なるケバい人になっちゃった
ピーター・ヴィンセントに、もう少し登場した意味合いを感じられたら良かったんですが・・・
見て面白かったけれど、それだけだったのが残念です。
こんな健康そうなヴァンパイアは嫌ですわ。
細くて青白いイケメンヴァンパイアが隣に引っ越してくればいつでも仲間になるのに(笑)
私は逆に全く期待していなかった上に、普通にブルーレイでの観賞だったんで最低限楽しめたのかなぁと。まぁ、不満も多い作品ですけどね^^;
そういう意味では、オリジナルをよく理解したリメイクではあったんですけど、あの後半のグダグダっぷりが全て台無しに。。。
ふつうセレブが近所に越してくれば野次馬根性も含めて嬉しいもんなんですが、コリンはちょっとなぁ。。。^^;
ピーター・ヴィンセントに背景を持たせたのは面白い試みだったんですが、別にそれまでって感じが。
リア充とは真逆の人種がヴァンパイアの世界で孤独を癒すってのが普通のパターンなんですが、コリン自体がイケイケドンドンですからねぇ^^;