2011年 アメリカ映画 97分 コメディ 採点★★
“人は誰しも取り柄がある”とは言いますが、それは他人が見出すもんなんで、自分ではなかなか気付かないんですよねぇ。私の取り柄ってのを自分で考えてみても、“他の指を曲げないで小指だけを曲げられる”ってくらいしか思いつきませんし。まぁ、自分で「私の取り柄は○○です!」って言い切るのもアレですけどねぇ。
【ストーリー】
オハイオの田舎町に住む冴えない青年バッキーは、ひょんなことから両親がかつてポルノ映画のスターだったことを知る。「うわぁ!ボクの両親はスターだったんだ!ってことは、ボクもスターになれるはず!」とうかれ上がったバッキーは、運命を信じロサンゼルスへ。しかしバッキーのアレは、ポルノスターになるにはあんまりにも粗末で…。
アダム・サンドラー作品でお馴染のニック・スウォードソンを主演に据えて贈るコメディ。製作と脚本にアダム・サンドラーとアレン・コヴァート、メガホンを『ホット・チック』のトム・ブラディが握る強力布陣。
アレがビッグなのでポルノスターになる『ブギーナイツ』とは真逆に、アレがあんまりにもあんまりなのにポルノスターになろうとする男の姿を描いた本作。短小と早漏とザー○ンに笑いを集中させる、ひたすら下品でひたすら幼稚で、良識派の方々であれば御立腹間違いなしの一本。まぁ、自称も含め良識派の人が、このジャケットとタイトルの作品を手に取るとは到底思えませんけど。
ただまぁ、アダム・サンドラー映画に共通する“優しさ”ってのは充分に感じられる本作。前向き過ぎる主人公にしろ、アレが小さすぎる故に見た人々が勇気づけられる様にしろ、どんな落ちこぼれであろうとすくい上げようとする優しさが、そこかしこに描かれている。そんな“優しさ”に★ひとつオマケしようかと思いましたが、作品自体が中途半端な悪ふざけとしか成立していない残念な出来でしたので、この評価でも充分甘めかなと。
バッキーに扮したのは、『エージェント・ゾーハン』や『がんばれ!ベンチウォーマーズ』など、アダム関連作品で非常に良い仕事をしていたニック・スウォードソン。ただまぁ、主演を張るにはまだ圧倒的なクドさというか危険な香りのする面白味ってのが足りない印象も。まぁ、アダム一派にはロブ・シュナイダーという核弾頭が存在しているから、ことさらそう思えちゃうのかも知れませんが。
でも、その主演の一歩足りなさを補って余りあるキャストが揃っちゃってる本作。その姿を見るだけで何か危険なものを観ている気になってくる『アフターライフ』のクリスティナ・リッチを筆頭に、還暦過ぎとは到底思えぬ色気を発していた『マチェーテ』のドン・ジョンソン、なんかアクセル・ローズみたいだった『ブレイド』のスティーヴン・ドーフと、まぁこれも悪ふざけの一環なのかも知れませんが、凄い顔ぶれ。ドン・ジョンソンの男前っぷりだけは一見の価値アリかと。
その他、ケヴィン・ニーロンや嫁サンドラー、イードゥ・モセリにピーター・ダンテらアダム映画でお馴染の面々が登場する本作。「あれ?今回はジョン・タートゥーロ出てないんだ?」と思ってると弟のニック・タートゥーロが出てきたり、ちょっとボーっとしてると『2番目のキス』のジミー・ファロンが出てきたりするんで、ウカウカ油断もできないキャスティングで。
“大きけりゃ良いってもんじゃない”とは言いますが、“小さけりゃ良い”とは言わない
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
そんな優しさに乗せられて、見たこちらも大らかな気持ちでこの作品の良さを探し出してあげたくなっちゃいました。
>ウカウカ油断もできないキャスティングで
これもまた、アダム映画ならではの楽しみですよね。
最近、小さな核弾頭をあまり見かけないのが残念です。
アダム映画らしさに溢れていて嬉しくなる反面、そのらしさが表面的過ぎるなぁと思ったりもしてちょい残念な感も^^;
最近ほんとロブを見掛けないんで寂しいですねぇ。TVシリーズの方が忙しいのかも知れないんですけど。
いやぁ、もうどんな曲が流れてたのかさっぱり…^^;
一応調べてみると挿入歌は以下のようなので、以下のリンクを基にようつべ辺りで一曲一曲調べてみるのが最善かと。
http://www.imdb.com/title/tt1411664/soundtrack?ref_=tt_ft