2011年 アメリカ映画 94分 ホラー 採点★★★
場所とか因果関係とかが明確じゃない怪談話って怖いですよねぇ。“明日は我が身”的な怖さがあって。逆に場所が限定されてたり因果関係がハッキリしてると、物語としては面白くても、やっぱり他人事な感じが。ジェイソンに会いたくなければ、クリスタルレイクに行きゃなきゃいいだけですし。まぁ、奴はたまにニューヨークなんかにお出かけしたりもしますけど。

【ストーリー】
1988年。恋人のジュリーと、彼女の娘たちであるケイティとクリスティと共に暮らす、ビデオカメラマンのデニス。ある日、家の中から聞こえる奇怪な音が気になったデニスは、部屋にビデオカメラを設置。カメラは驚くべく現象を捉えていた。やがて怪奇現象はエスカレートしていき、耐えきれなくなった彼らはジュリーの母親の家へと逃げるのだが…。

超低予算ながらも大ヒットを記録した事で話題となった“おわかりいただけただろうか?”系ホラー、『パラノーマル・アクティビティ』の第三弾。前作から製作に回ったオーレン・ペリに代わってメガホンを握ったのは、新鋭ヘンリー・ジューストとアリエル・シュルマンのコンビ。
前2作の主人公であるケイティとクリスティ姉妹の幼少期へと時を戻し、彼女ら一族の呪われた系譜を更に深く掘り下げた本作。小さな音に聞き耳を立ててると突然大きな音がしてビックリする、「そりゃぁ誰でもビクっとなるよ!」的な怖がらせ方は相変わらずなのだが、そのタイミングや怪奇現象のエスカレーション具合などが絶妙なので、決して単調に陥らない巧い作り。鏡の中からトニー・トッドが出てきそうな“ブラディ・メアリー遊び”のシークエンスや、首振りカメラの映像の隅っこに何かが見切れるなど、基本に忠実ながらも工夫が凝らされた見せ方をしているのも良い。ワンパク度合いが増した『ポルターガイスト』みたいだった台所のシーンなんかは、思わず「巧い!」と声を出してしまったほどで。
確かに“魔女”ってのが全面に出てしまったので心霊的な怖さは激減してしまったのだが、その分“逃れられない因習”のような陰湿な怖さが醸し出され始めた印象も。第四弾も製作されているこのシリーズ。劇場まで足を運んで観る自信はないんですけど、DVDでは追っかけておきたいなぁと。
そう言えば、今回はブルーレイに収められてたちょいと長めな“完全版”とやらで観賞。まぁ、観比べたわけじゃないんで、どこがどう完全なのかは分からず。稀にそういうソフトもありますけど、“ここが足されたシーンだよ!”的なマークでも出てくれれば便利なんですけどねぇ。

“魔女一家に散々な目に遭わされる男たち”を描くシリーズになってきた感じが
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