2003年 アメリカ/ドイツ映画 84分 ホラー 採点★★★
田舎道を車で走ってると、山間の周囲に何にもない場所に一軒だけポツンと家が建ってたりするのを見かけたりしますよねぇ。「何でよりによってこんな所に住んでるんだろ?」って疑問から想像が膨らみに膨らんで、最終的にスゲェ怖い妄想に行き着くこともしばしば。まぁ、住んでる人からすれば失礼極まりない話なんでしょうけど。

【ストーリー】
ウェストバージニア州の鬱蒼とした山道で追突事故を起こしてしまった医学生のクリスと、キャンプに訪れていたジェシーら5人組。携帯も通じない山の中、彼らは助けを求めるため森の中を歩き出す。程なく一軒の山小屋を発見した彼らは電話を探し中に入るが、そこは奇形化した食人一家が住む家で…。

森に潜む食人一家に襲われるという、“都会人が田舎で散々な目に遭う”お馴染のアレ。『ゾンゲリア』『プレデター』のスタン・ウィンストンが製作を特殊メイクを担当。
文明批判やら環境問題など余計なことには目も触れず、ひたすら恐怖演出に注力した本作。序盤からほぼトップスピードで突き進む様は、なんとも痛快ですら。食人一家のパンチが効いた風貌やそのワンパク過ぎる行動、力任せなゴア描写など見所も豊富。コンパクトなランニングタイムで一気に見せ切る、なかなかの良作かと。クォリティが落ちる一方とはいえ、続編が作り続けられるのも納得の一本。
ただ、“近親相姦の末に生まれた食人奇形一家”という不謹慎極まりない題材の割に、ずいぶん手堅くまとまってしまった感も。コンパクトにまとめてしまった弊害か、“地元の人は知っている”的な描写が少ないため怖さに陰湿さが足りなかったり、主人公が最初っからタフ過ぎるバックグラウンドの浅さは気になるところ。でもまぁ、本作を初めて観た当時はメタホラーや笑いに走るホラーに辟易していた時期だっただけに、こういうストレートなホラーが作られた事に喜びを覚えたもので。

失恋したってんで慰めようにも心身ともに強過ぎる主人公に扮したのは、『ニュー・ガイ』『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』のエリザ・ドゥシュク。山の中が舞台だったせいか、なんかこう巨乳のアライグマみたいな感じが。そのせいか、観賞中はほとんど彼女の胸元に目が釘付けだったので、個人的に本作の見所7割が彼女だったのかと。
その他、『ロシアン・ルーレット』のエマニュエル・シュリーキーや、どこかエロチックなお人形然とした『ドーン・オブ・ザ・デッド』のリンディ・ブースといった一緒にキャンプに行ったらとっても楽しそうな女性陣に、『ゴースト・シップ』のデズモンド・ハリントンや『呪い村 436』のジェレミー・シスト、『フローズン』のケヴィン・ゼガーズといった、できれば彼ら抜きでキャンプを楽しみたい男性陣らがキャスティング。まぁ、印象の7割をエリザ・ドゥシュクが、残りの3割を食人一家が握ってたような作品なので、その他のキャストの印象がほとんど残っていないんですけど。

本能に正直
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殺戮シーンそのものはアクセントで、チェイスがメインになっている構造といい、グダグダと理由や原因やトラウマや内面の葛藤や社会へのメッセージを一切無しにしたのもいいと思ったんですが、私は何よりも編集も上手いが撮影も手馴れていて無駄が無く、観ていてとても安心出来たのが良かったですわ… 続編が踏襲すべきはそこだと思うんですけどねぇ…
おぉ!3まで付き合いましたか!
私は2で「ま、もういいかっ!」って感じでしたのにw
にしても本作、劇中でもちらっとタイトルが出てましたが、“ジェットコースター版『脱出』”として非常によく出来てましたねぇ。本当なら様々なシチュエーションでこういう怖さとかをストレートに見せる作品になるべきなのに、まぁ食人一家のキャラが立ち過ぎちゃったせいか、なんともフツーのシリーズに^^;