2011年 アメリカ映画 118分 ラブロマンス 採点★★★★
「見た目じゃないよ!中身だよ!」とは言いますが、コミュニケーションを取る入口として“見た目”ってのは非常に重要ですよねぇ。最近ちょっと思う事があって自分の見た目を少しばかし変えてみたんですが、別に整形とかそんなレベルじゃなくて、髪型を変えたり眉を整えたりって程度ですが、そしたら途端にこれまで大して会話もしなかった人から親しげにされたり、周囲の対応が変わったりと様々な変化があったもので。まぁそれは、周囲が「変わったねぇ!」って思う以上に、ちょっとした自信が自分の中に根付いたってのも大きいんでしょうけど。

【ストーリー】
愛する家族と幸せな人生を送っていたと思っていた中年男のキャルは、突然妻から離婚を切り出されてしまう。すっかり落ち込み一人寂しくバーで管を巻いてたキャルだったが、ひょんなことからプレイボーイのジェイコブと知り合い、彼の手ほどきでみるみるモテモテ中年へと変貌していくのだったが…。

思いもよらなかった離婚を突き付けられた中年男を中心に、その家族の様々な恋模様を描く群像ラブコメディ。メガホンを握ったのは、『フィリップ、きみを愛してる!』のグレン・フィカーラとジョン・レクアのコンビ。
“巧い!”、集約するとこの一言に辿り着く本作。情けない話だが、もうこれ以上書きようが浮かばない。全てのキャラクターが年齢や状況に添った悩みを抱え、過剰に背伸びすることなくそれと戦い、ほんのちょっとの映画的マジックを施されて解決されていく絶妙なサジ加減と言ったら。この手の群像劇だと躍起になって輪にすることに終始したり、「どうだい?ちゃんと輪になっただろう?」とシタリ顔されたりするのだが、スタートから関係性がしっかり関連付けられてる本作にはそんなイヤラシサは微塵も感じず、宙ぶらりんのキャラクターはそのまま宙ぶらりんのバランス感覚も絶妙。“見た目が大切か?”“本当の愛はあるのか?”など様々なテーマも絡み合っている本作だが、それらを単純に取捨選択するのではなく、多面的に見つめ必要と思われるものを少しずつ取り入れているのも好印象。“魂の愛>見た目”という単純構造ではなく、“最低限の身だしなみは必要”みたいな。
しこたま驚くが納得もいくサプライズ後の、なんか吉本新喜劇みたいな大団円を迎えそうな雰囲気から更に奥へとフワーっと進んで着地するその締め括りの上手さにしろ、豊富な笑いとシビアさのブレンド具合にしろ、ただただ「巧い!」と唸らされた本作。明確なディレクションを見せた監督コンビ同様に、これだけ見事な脚本を手掛けた『塔の上のラプンツェル』のダン・フォーゲルマンの名前も頭の片隅に入れておこうと強く思った一本で。

服選びの基準がファッション性重視から価格と機能性重視となり、やがて「とりあえず隠れる場所が隠れてればいいや」になっちゃう、自分も含めどこにでもいる中年男のキャルに扮したのは、本作の製作も務めた『デート&ナイト』『奇人たちの晩餐会 USA』のスティーヴ・カレル。真面目で優しく、良い父親には間違いないのだが、刺激を求める相手には最も向いていないキャル役にドハマりのキャスティング。元々素材が良いだけに、ちょっと身だしなみを整えるだけで見違えるような男前になっていく様も、そこに嫌味の無いさり気なさが生まれる様もピッタリ。
一方の妻エミリー役には、『シェルター』『NEXT -ネクスト-』のジュリアン・ムーアが。歳を取る一方で何も生まれてこない中年期の不安ってのをもう少し掘り下げて欲しかったキャラではあったが、決して夫のことを嫌いになったわけではないのだが、自分の中から湧き出る衝動に抗えないって様を、いつもの細やかな表現で好演。
その他、一言一言が非常に勉強になるプレイボーイに扮した『ステイ』のライアン・ゴズリングや、本作最大のサプライズを担当した、最近何気に引っ張りだこである『キューティ・バニー』のエマ・ストーン、可愛さそのままに良い歳の取り方をしている『僕の大切な人と、そのクソガキ』のマリサ・トメイに、飄々とした軽さに磨きが掛かってきた『スーパー!』のケヴィン・ベーコンと、錚々たる顔ぶれが揃った本作。それぞれが持ち味をそのキャラに反映させるだけではなく、内側まで垣間見せる好演を見せてくれている。その中でも、13歳なりに悩んで恋して抗う長男に扮したジョナ・ボボと、年上のお姉さんというよりは母親的な懐の深さを感じさせた『グリーン・ホーネット』のアナリー・ティプトンが絶品。中年の恋模様だけではなく、彼ら10代の可愛らしくほろ苦い恋模様をしっかりと描けたのが本作成功の最大の要因だったのではと。

何度でも振り返りたくなる恋の思い出って案外ない
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恋人が夫婦になり子供の両親になる時間の経過と共に、自分の魅力を引き出す努力を忘れていく様子が、たおさんの説明で凄く実感が湧きました。
努力しなきゃ・・・
ストーリーの入り口はそんな中年の話でしたが、本当に色んな年代の色んな関係での恋が、上手に描き分けられていましたよね。
長男君、良い男になりそう!!!(・・なって欲しい)
わたしも映画好きでいろいろ検索していたところたどり着きました!
すごい丁寧な更新に感動してます♪♪
よかったら仲良くお話させてください!
よろしくお願いします!
ついつい疎かになる日々の努力。こういう小さな積み重ねの大切さってのも知らしめられた作品でしたねぇ。
一方的な視点ではなく、それぞれの状況や年代も描き切れてるのも見事!
あらあら、よりによってサブタレなんぞにようこそ^^;
若い世代にはピンと来ない作品群と、オッサン臭丸出しの文体のサブタレですけど、よろしくお願いしまーす!
脚本の素晴らしさ、キャストのハマりぐあい
非常に楽しめました
これは DVDで欲しいと思ったぐらいで!
キャストも豪勢だし脚本も見事なんですが、どうも日本では地味な扱いですよねぇ。。。
こちらもお世話になりっ放しで^^;
これほど自分がイケてないスティーブ・カレルに似てるとは!?
嫁さんに「服のセンスはゼロ」と言われた私は主人公がとても他人とは思えない(汗
まぁ三行半を突きつけられないように、頑張るのみですw
ちょっとカッコでも付けてみようかしら?と思わせる映画でしたw
やり過ぎるとただのイタイ中年になってしまうんですけど、ほどほどのオシャレは大切ですよねぇ。それを持続するのが大変なんですが^^;