2003年 アメリカ映画 103分 アクション 採点★★★
“第2の挑戦”を首を長くして待っている出番待ち俳優フレッド・ウォードとアレック・ボールドウィンに、心強い仲間が参上。
【ストーリー】
その経文を正確に唱えれば、この世を天国にも地獄にも変えられるというチベット僧侶秘伝の巻物。その強大な力を我が物にせんとするナチスの残党と、巻物の守護者である超絶的能力を持つチベット僧との戦いが、60年の時を経て現代に繰り広げられる。
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“弾丸を避ける坊主の物語”だというんで「いよいよレモの第2の挑戦が!」と期待したが、これもまた第1の挑戦で。
コミックを原作に持つ本作は、コミックらしい壮大な設定の割に行動範囲が異様に狭い下町風味溢れる一本。ナチスの残党が絡む展開も、老師とダメ弟子の関係を描く物語もとても21世紀に作られたとは思えない古臭さで、ワイヤーワークにも取り立てて際立ったものがない、どこを切っても平凡な作品。平凡以外に表現のしようがない作品なのに、どうにも嫌いになれない。どっちかと言えば“好き”の部類に堂々と入り込む作品でさえある。みんなが大好きな『レモ/第1の挑戦』のチュンをユンファに、レモをショーン・ウィリアム・スコットに置き換えれば分かりやすい二人の関係には、慣れ親しんだカンフー映画の匂いを感じ取れ、その居心地の良さには作品の完成度以上の好感度を生み出している。それ以上に、ショーン・ウィリアム・スコット演じるキャラクターが、映画館に住み、そこで上映されているカンフー映画でカンフーを会得した大バカ者であるという設定が堪らない。こんなバカが出ている映画を、嫌えるわけがないじゃないですか。あとは、このバカが大活躍するであろう第二弾を心待ちにするだけ。
![bpm2.jpg](https://subterranean.up.seesaa.net/image/bpm2.jpg)
もちろんこの映画が醸し出す好印象は、贔屓目で見た居心地の良さと、バカが出ている親近感からだけ生まれているわけではない。
『アダルト♂スクール』『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』など、無責任な若者役ばかりを演じている印象が強いが、そのフィルモグラフィーにハズレ作品が全く見当たらない堅実な仕事振りが本作でも存分に活かされているが、やはりチョウ・ユンファの存在感こそが本作最大の魅力。“アジア人=カンフーの達人”な認識のキャスティングには違和感が大きいものの、常に仏の笑顔を湛えながらも僅かな表情の変化で状況を伝えられる表現力の豊かさには脱帽。『グリーン・デスティニー』でも見せた、“俳優”チョウ・ユンファを堪能出来るのは嬉しい。しかしながら、『NYPD15分署』という良い映画もあったにはあったが、未だハリウッドでは“アジア人は身体が動いてナンボ”の認識なのか、これといった活躍の場を与えられていないのは残念。先頃亡くなってしまった、同じくアジアから渡ったマコも小さな役ながらも印象に残る。
ジョン・ウーが製作に携わったことでも話題になった作品だが、これといってウーらしさは見当たらず。チョウ・ユンファを引っ張り出したのが最大の仕事か?それはそれで、貢献度は高いですが。
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