2003年 アメリカ/ドイツ映画 109分 アクション 採点★★★
選択を強いられる場面って色々あるんですけど、誰の目にも明らかなほど確実な選択肢があるにも関わらず、ついつい突拍子もない選択をしてしまいがちな私。「次世代ゲーム機を買いに行くー♪」と出掛けて、買ってきたのが3DOだったみたいな。まぁ、本人的にはご満悦なんですけどね。
【ストーリー】
メキシコを牛耳る麻薬組織の大物ルセロを逮捕した、麻薬取締局DEAのショーン。これでアメリカに流入する麻薬が激減するかと思いきや、“ディアブロ”と呼ばれる新興勢力が躍進。そしてショーンもディアブロに襲撃され、最愛の妻を殺害されてしまう。怒りに燃えるショーンは、ルセロの情報を基にディアブロ壊滅に向かうのであったが…。
『完全なる報復』のF・ゲイリー・グレイによる、巨大麻薬組織に戦いを挑む麻薬捜査官の姿を描いたサスペンス・アクション。主演のヴィン・ディーゼルが製作総指揮も兼務。
『ワイルド・スピード』『トリプルX』とメガヒット作を連発し引く手あまただったヴィン・ディーゼルが、それらの続編や様々な企画を蹴って主演した本作。これがまたなんとも地味なんだが、安易な続編企画に出演してイメージを固定するよりも、自分がやりたい題材を自分で選んで作り上げたってところに、ヴィンヴィンの生真面目さが如実に出た結果での地味さなのではと。微妙に説教臭いのも、たぶんヴィンヴィンの真面目さからでは。
“復讐に燃える捜査官”ってのが主人公だけに、ハードなバイオレンスアクションになりそうな雰囲気の本作。しかしながら、如何せん美味しい題材を台無しにしがちなF・ゲイリー・グレイ作品なので、表面的雰囲気以外はスッカスカ。腰が重いのか軽いのか分からないチグハグな演出も目に余る。ただまぁ、“元ワル”って役回りの似合うヴィン・ディーゼルの個性が役柄と舞台にガッチリハマってたこともあって、なんとなく魅力のある作品に思える場面も少なくない。
そんな、作品の魅力を一手に担った感もあった『ワイルド・スピード MEGA MAX』のヴィン・ディーゼル。“酒瓶&タバコ&無精ヒゲ”でヤサグレ感を演出する安易さも凌駕する、“元ワルの捜査官&優しい愛妻家”って設定のハマり具合が見事。ツルンと剃り上げてないので、いつものムチムチ感が堪能できないってのは残念でしたが。
一方、本作を手に取る要因の一つだったのが、『アイ・アム・ナンバー4』のティモシー・オリファントの出演。鈍器のようなヴィンヴィンに対し、研ぎ澄まされたナイフのようなティモシー・オリファントがどんな絡みを見せるのか非常に楽しみだったんですけど、如何せん開花前ってこともあってか“チンピラのように見えて実は大物かと思いきや、やっぱりチンピラ”という残念な役回り。まぁでも、懐っこい笑顔のまま人を殺しちゃう凄味を見せる場面もあったので、途上中の彼を確認できただけでも嬉しかったかと。
その他、思いのほか歳がいってて驚いた『デュース・ビガロウ、激安ジゴロ!?』のジャクリーン・オブラドースや、『処刑人ソガの凄まじい人生』のファン・フェルナンデス、『クラッシュ』のラレンズ・テイトらも共演。
望まれてる事とやりたい事は、得てして一致しない
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