2010年 香港/中国映画 105分 アクション 採点★★★
個人的な印象に過ぎないんでしょうけど、最近の香港/中国映画って“面白い映画を作る”って姿勢よりも、感情や思惑ばかりが先走っちゃってる感じがするんですよねぇ。日本軍や欧米列強が悪役なのはずーっと昔からお馴染のパターンなんですけど、なんか大衆のストレス発散以外の意味合いが見え隠れすると言うか。まぁ、そんな余計なことを考えさせない勢いとか魅力が欠けてきてるってのが大きいんでしょうけど。
【ストーリー】
1925年の上海。第一次世界大戦のヨーロッパ戦線から戻って来たチェン・ジェンは、列強に蹂躙される祖国を憂い抗日地下組織へと身を置く。ナイトクラブ“カサブランカ”のオーナーで実力者のリウに近づき仲間に引き入れようと画策しながら、“黒覆面”として抗日行動に勤しむチェン・ジェン。そんな中、クラブの歌手キキと出会い心惹かれる彼だったが、キキには大きな秘密があり…。
『ドラゴン怒りの鉄拳』でブルース・リーが演じたチェン・ジェンを、ドニー・イェンが思い入れたっぷりに演じたTVシリーズ“精武門”。その“精武門”のその後を、思い入れてんこ盛りのドニー・イェンを再び主演に迎え贈るカンフー・アクション。メガホンを握るのは、『消えた天使』のアンドリュー・ラウ。
日中戦争を間近に控えた上海を舞台に、虹口道場で銃を構える日本兵に向かって怪鳥音発して飛んでったけど実は生きてたって体のチェン・ジェンが、暴虐の限りを尽くす日本兵を再びとっちめる様を描いた本作。日本が悪役ってのはある種いつもの事ですし、まぁアレコレあるんでしょうから仕方がないにしても、“日本兵は卑劣で残忍”ってのを描くことに感情を先走り過ぎちゃって話がメタメタってのはどうかと。スパイ戦やら社会状況やらも描かれているが、これらもさっぱり整理されておらず、物語がさっぱり頭に入って来ない混沌仕様なのも困りもの。
ただまぁ、今回はブルース・リーへの思い入れを思春期を炸裂させて演じるドニーさんがいるんで、その辺のメタメタ具合を存分に補ってくれる出来に。もう、観賞中は常にドニーさん待ち。最近はどうも型にはまってしまったようなドニーさんばかり観てたせいもあってか、ナルシスと思春期を暴走させるドニーさんを久々に観れたってだけでも満足度は高め。そんなドニーさんの活躍に、★ふたつほどオマケしてもよろしいかと。
オープニングから桁外れのスピードでドニー・アクションを披露してくれる、『導火線 FLASH POINT』のドニー・イェン。ブルース・リーの成り切りっぷりでは定評のあるドニーさんですが、今回は「なんでオレじゃなくてジェイ・チョウなんだ!?」って思いもあるのか、『グリーン・ホーネット』風の仮面姿も披露。こういう好きなものに成り切って幸せそうなドニーさんを観てるのが幸せで。
また、『クローサー』以来観てなかったんですが、10年経ってもほとんど変わりのないその様に驚いたスー・チーや、香港映画界随一の破天荒役者なだけに最近の大人しさがちょいと気になる『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』のアンソニー・ウォン、『かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート』の“緑ドニー”ことショーン・ユーらも出演し、暖かい眼差しでドニーさんの陶酔っぷりを見つめていたかと。まぁ憶測ですけど。
その他、“日本のドラゴン”と言えばまぁこの人の倉田保昭や、木幡竜、EXILEのAKIRAが出てるってのが日本的には話題になりそうな所ですけど、髪も切らずに棒立ち&棒読みでやり過ごそうとするAKIRA使う位なら、ムササビの方のAKIRAを使った方が良かったんじゃないのかなぁと。かなり動ける方ですし。そっちのAKIRAを発注したら、違うAKIRAが届いちゃったパターンなんですかねぇ。
ある意味ネバーランドの住人みたいなもんですし
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
冒頭の超人的なアクションからもう目が離せないドニー。
あの砲弾のよけ方はなんかもう反則ですよ!人間業じゃないですよ!
雨の中の戦闘も格好良かったですよね!もの凄い蹴りが炸裂してました
あの「仮面の戦士」って実際に当時映画であったのでしょうかねえ?それとも単にブルース・リー好きがこうじただけでしょうかねぇ?
冒頭から飛ばしてましたよねぇ、ドニーさん。全ての見せ場をかっさらう、こんなドニーさんが観たかったんで、内容に対する不満も概ねウヤムヤになる快作でしたねぇ。
>仮面の戦士
あれって、ブルース・リーの“グリーン・ホーネットの扮装ですよね。相変わらずのドラゴン愛w