2011年 カナダ映画 86分 アクション 採点★★
面白いかどうかは別にしても、最近ビデオ屋に並んでいる商品って、目をつぶって適当に手にとっても最低限映画としての形を成している安全なものばかりですよねぇ。その作品の批評なんかもすぐに調べられる時代ですし。海の物とも山の物とも知れないビデオに囲まれていた、80年代のビデオブームの頃とは比べ物にならない環境の良さ。ただまぁ、それが幸せかって言うと「んー…」って感じではありますけど。
【ストーリー】
ドレイクとその息子たちによって牛耳られた町ホープタウン。警察もドレイクに歯向かえず、暴力に支配され殺戮が公然と行われるこの町に初老の放浪者がやって来る。目立たぬよう過ごしていた彼だったが、ある日質屋強盗に遭遇。偶然手にしたショットガンで強盗団を返り討ちに。それを機に、彼はショットガン片手に町の犯罪者を次々と葬り去っていくのだが…。
『グラインドハウス』内に収められていたフェイク予告編の映画化と言えば、トレホさんの大傑作『マチェーテ』を真っ先に思い浮かべますけど、本作はその『グレインドハウス』公開を記念して開催された“フェイク予告編コンテスト”でグランプリを受賞した作品を長編化した、バイオレンス浮浪者アクション。予告編を製作したジェイソン・アイズナー自身がメガホンを握り、主演には『WANTED/ウォンテッド』『ザ・ライト -エクソシストの真実-』のルトガー・ハウアーが。
70年代風の如何にもなオープニングで幕を開けたかと思いきや、首が飛び頭が破裂し盛大に血飛沫が噴き上がる80年代風スプラッターバイオレンスへと豹変する本作。とことんチープでけばけばしく、それでいてどこか長閑で間の抜けた雰囲気は、グラインドハウスってよりはトロマっぽくも。まるで小学生男子が考えたキン肉マンの新キャラみたいな“地獄の使者”のデザインにしろ、タランティーノやロドリゲスなら“面白い映画”に仕上げてしまう所を、敢えてそのダメな部分も徹底的に再現しようとした姿勢はあっぱれだなぁと。まぁ、再現した上で面白くなってれば良かったんですけど、そこがゴールじゃなく「きっちり再現しました!」ってとこがゴールになってしまってるので、なんとも残念な感じも。ゴアには奔放な割に、オッパイひとつ出てこないエロに対する奥手さも物足りませんでしたし。
消しゴム化して欲しい
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
おっぱいは出てませんでしたねー。なぜか。
最初のマンホール血しぶきシーンでかなり引きましたが
チープさにだんだん慣れてきて、地獄の死者コンビ登場あたりからは楽しめました!
「ビデオブームの頃こんなの山ほど観たなぁ・・・」と色々思い出しながら観てたんですけど、ついでに当時の思い出したくない思い出まで蘇っちゃう、なんとも面倒臭い作品でしたねぇ^^;
次は地獄の使者コンビで一本を!