2004年 タイ映画 97分 ホラー 採点★★★
日本中がオカルトブームに沸いていた70年代後半。テレビをつければ必ずどこかで心霊写真特集や恐怖体験談をやっている、ある意味素晴らしい時代だったのだが、10人の自称霊能力者が一斉に違うことを騒ぎ立てる状況にいい加減ウンザリしたのか、80年代に入るとブームも下火に。そんな中登場したのが、確か『ワイドYOU』だったかとは思うが、視聴者から送られてきた心霊写真をプロのカメラマンが検証するというコーナー。実際に撮影された場所まで赴き、限りなく同じ条件で撮影をし、光の加減などが原因で出来上がってしまった不気味な写真の原因を次々と解明。中でも多いのは、「後ろは崖っぷちで人が立てるはずがない」状況で撮られた写真が、現地へ行ってみれば崖っぷちどころか後ろに遊歩道があったりする“思い込み・勘違い”の例。まぁ、だからといって「なーんだ。幽霊なんて存在しないんだ」と私は成長しちゃったわけではなく、解明され続ける膨大な数の心霊写真やUFO写真の中に僅かながらに解明できないものもあり、その中に一枚くらいは本物があるかも知れないなぁと、逆に興味深々に。“かも知れない”ってのが、恐怖を増長させる重要な要素なんでしょうねぇ。
【ストーリー】
写真家のタンと恋人のジェーンは、友人の結婚式の帰り道突然飛び出してきた女性をはねてしまう。動揺しその場を逃げ去った二人だが、その日以降タンの撮る写真に不気味な影が写りこみ始め…。

本国タイで大ヒットを記録した、心霊写真を題材としたホラー。劇中に本物の心霊写真が使われていることでも話題となったが、その心霊写真が効果的に恐怖を増長しているかと言えば、その辺はまぁ…別に。
深い悲しみと優しさのこもった怪談映画の傑作『the EYE 【アイ】』を送り込む底力を誇るタイ映画界だけに、期待も大きく鑑賞したのだが、明らかに『呪怨』というか伽椰子の影響下にある幽霊描写には何ら新鮮味はなく、一本調子の展開によって、忌まわしい過去や被害者の悲痛な叫びが上手く活きてこない。謎が解明されるクライマックスからラストショットまでの恐怖演出のさりげなさが効果抜群なだけに、そこに到るまでの力任せで単調な演出が残念。とはいえ、時折挟まれるスタントシーンなどの“迫力が欲しければ身体を張る”基本に忠実な映画作りに対する姿勢は好印象。不満も多いが、その不満のほとんどは既に高いレベルにある本作に、あと一歩を望む贅沢な願いでもあるんですが。

時折女の子にすら見える可愛い顔立ちをした、主人公を演じるアナンダ・エヴァリンハム。本国ではオバサマ方に大人気だそうで、そんな彼が散々な目に遭い、実は自業自得の酷い奴だったと明らかになる本作では、「キャー!エヴァ様ぁー!」「エヴァ様がぁ!?信じられないわぁー!」と大騒ぎだったんでしょうねぇ。いかにも遊んでいそうな風貌に、本作の役柄は非常にリアルだと感じたんですが、まぁ、ひがみっちゃぁひがみでございますよ。いいですよねぇ、二枚目。自業自得男の因果応報話であるので主人公に同情心は一切生まれないのだが、地雷女として扱われ、無残な最期を遂げるネート役のアチタ・シカマーナーは、ちょっぴり好みのタイプかも。いえいえ、目の前で手首を切る女性が好きなわけではないですよ。役柄ではなく、見た目がってことで。まぁ、その見た目も素顔の伽椰子っぽかったりするので「しっかりしろ、俺!」と我にかえる必要があるんですが。
一部の好事家の間では話題になった本作であるが、ややアピールの足りなさを感じるのも事実。幅広い客層に受けそうな作品だけに、もう少し宣伝に力を入れても良かったのではと。DVDの付録に生写真を付けるとか。もちろん、“生”と“写真”の間には“心霊”って文字が入りますが。

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この男、趣味じゃないし、、、
怖いところはありましたが、
もうすでに、ほとんど忘れてしまいました、、、
まぁ、タイでは大人気ってことですが。それもオバサマ方に。。。
ちょっと印象的なシーンが多かっただけに、詰めの甘さが残念でしたねぇ。
どうにも伽椰子を連想してしまいますね(^^;
伽椰子のイメージ強すぎ、、強いのはイメージだけではないけどw
こういう映画にありがちな、「撮影中に不思議なことが・・・」ってのもちゃんとメイキングに入ってましたねぇw
すっかり伽椰子でしたが、日本だったら背中におぶさっている表現をしそうなところを、肩車にしちゃうところに「あぁ、よそ様のお国なんだなぁ」と。なんとなく楽しそうでしたが。
メイキングの例の写真ですが、道の真ん中に思いっきりスタッフらしき人影が写っているのに、そこにはノータッチでしたねぇ。道路脇の人影も、どう見てもスタッフなのでは。。。^^;
>鬱陶しくてめんどくさそうな人
男としてこれ以上ない酷評ですねぇw