2010年 中国映画 115分 アクション 採点★★
どんな人にだって、思う存分尾ひれを付ければ映画の一本や二本作れるくらいのドラマが過去にあるもんですよねぇ。私もそんな与太話を披露し、無駄に孫らを驚かせる老後を過ごしてみたいもので。まぁ欲を言えば、「年寄りを見たら生き残りと思え!」と言い切れる人生を過ごしたいものですが。
【ストーリー】
清朝時代。高名な戦士スー・サンも今では戦地から離れ、愛する妻と息子と静かに暮しながら武術を追及する生活を送っていた。そこへ義兄ユアンが現れスーの父親を殺害し息子を連れ去ってしまう。戦いに敗れ重傷を負ったスーは通り掛かった医師ユによって一命を取り留めたが、武術家としての自信を失い酒に溺れてしまう…。
『ドランク・モンキー/酔拳』の赤鼻のお師匠でも知られる武術家スー・サンの若き日を描いた、ユエン・ウーピンによるカンフー・アクション。
通常のワイヤーアクションから武侠ファンタジー風アクションなど、これまで手掛けてきたカンフー映画の歴史を駆け足で巡るかのようなバラエティ豊かなアクションスタイルを演出するユエン・ウーピンと、そのいずれのスタイルに置いても本物ならではの凄味を見せるチウ・マンチェクの高い技術が堪能できる本作。「そんな所でやるの?」と素直に驚く、技術力の高さは流石。
ただまぁ、なんとも絵面が地味。とんでもないことを目の前でやっているのだが、それに画がついて行ってない感が。あんまりにも残念なCGもあってか、映画ってよりはTVシリーズの1シーズンを再編集したダイジェスト版って様相も。展開もバラエティ豊かと言えば聞こえは良いが要はぶっきら棒で、こっちが「アレ?酔拳はどうした?」と思い出す終盤に、ばたばたと雑に酔拳が放り込まれるドタバタ感も残念。『イップ・マン 序章』や『SPIRIT スピリット』など、最近の中国映画で顕著な“列強に蹂躙される中国”が強引にねじ込まれている様は、「こういうの入れないと映画ってもう作れなくなってるのかなぁ?」と邪推してしまうほど展開上不自然極まりなし。
まぁ、画の華の無さを補うかのように『ポリス・ストーリー3』のミシェル・ヨー姐さんやデヴィッド・キャラダイン、リュー・チャーフィらが顔を出してるのは非常に嬉しかったんですが、ホント「ヤァ!」って顔を出しただけって扱いに失望感冷めやらぬ一本に。
拘束日数2日くらい?
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓