2006年10月28日

レモ/第1の挑戦 (Remo Williams:The Adventure Begins)

監督 ガイ・ハミルトン 主演 フレッド・ウォード
1985年 アメリカ映画 121分 アクション 採点★★★★

誰も待っていないというのに、『氷の微笑』がヌケヌケと復活。10以上のスクリーン数を誇るシネコンに行っても、複数のスクリーンを占拠して上映されるシリーズ物にリメイク作品の数々。レンタル店の新作棚も、ほとんどがシリーズかリメイク。この現状は今に始まったことでもないし、面白ければさして文句もないのだが、続編やリメイク作によって面白い作品が隅に追いやられて陽の目を見ないのは如何なものかと。まぁ中にはシリーズ化を目論むも、20年以上首を長く待っている人たちもいるんでしょうが。アレック・ボールドウィンとかフレッド・ウォードとか。

【ストーリー】
顔も名前も身分も全ての過去を捨て秘密組織の暗殺員となったレモ。韓国の秘術“シナンジュ”を駆使し、悪徳軍需産業の陰謀を打ち破る。

rwtab2.jpg

ベストセラー小説『デストロイヤー』シリーズを映画化。内容以前に主演がフレッド・ウォードという大バクチに驚く。そのバクチに勝ったか負けたかは、まぁ…。
韓国の秘術“シナンジュ”によって、飛んでくる銃弾を避けたり水面を駆けたりする主人公の活躍ぶりが中心に描かれるかと思いきや、その訓練課程に時間の大半を。まぁ、“第1の挑戦”ですから。“第2”までの待機時間が長すぎますが。だがその訓練課程こそが魅力的で、粗野で礼儀知らずの典型的アメリカ人レモと、全てにおいてナンバー1を主張する謙虚さに欠けた師匠チュンとの掛け合いには“師弟関係=擬似父子関係”を匂わせ、『ベストキッド』やかつてのジャッキー映画に通じる面白さがある。
60年代から70年代にかけて007シリーズをはじめ数多くの骨太アクションを手掛けたガイ・ハミルトンだけあって、「男のアクションは体を張れ!」と言わんばかりの土木系アクションを連発。“高い所に宙ぶらりん”が土木系アクションの基本であることを踏まえた、自由の女神上で延々と繰り広げられるアクションシーンは白眉。悪徳軍需産業に立ち向かう秘密組織の暗殺員って物語の割には、闘っている相手が建設作業員と犬という地味さが多少気になるが、そんな地味加減も、「今から特攻野郎Aチームでも始まるのか?」と錯覚さえ起こす軽快なテーマソングで強引に捨て去る力技も魅力。音楽に合わせてキャストが振り向き、ピタっと止まって名前がババーンと出るアレ。いつフレッド・ウォードが振り向いちゃうのかとハラハラしましたが。

rwtab3.jpg

“華やか”という言葉の使い道だけはどうやっても見つからないフレッド・ウォード。しかし、その華のなさが本作に与えた影響も大きく、観た後一瞬で忘れ去られそうな単純娯楽作である本作を、観た人誰もが忘れられない一本にのし上げた存在感に脱帽。それにしても、このキャスティングに行き着いた経緯に興味津々。俳優リストのAからZまで片っ端にオファーを出して、ようやくフレッド・ウォードが受けてくれたんでしょうか?よかったですね。フレッド・ウォードまで蹴ってたら、残るのはバート・ヤングぐらいですもんね。いや、かなり好きな俳優ですよ、フレッド・ウォード。『アルカトラズからの脱出』も『地獄の7人』も『トレマーズ』も『ライトスタッフ』も大好きな映画ですもの。まぁ、どれも主演ではないんですが。
いつまで経ってもフレッド・ウォードが主演である事実に脳が慣れず、他のキャストに対し気もそぞろになってしまうのも本作の魔力なのだが、それでも厚塗りメイクで韓国人に扮したジョエル・グレイのインパクトは強烈。不気味なのか可愛いのか不明なキャラクターであるが、大まかに分ければ“可愛い”に分類されるのでは。実は娘がジェニファー・グレイだったりするのが最大のビックリですが。ヴァンダミングアクションの代表作『ハード・ターゲット』を始め、こんな役ばっかりのような気もするウィルフォード・ブリムリーも印象深い。
“第1の挑戦”から早くも20年以上が過ぎ去ったのだが、寝ても覚めても未だ“第2の挑戦”の噂すらない。心待ちにしているファンも、フレッド・ウォード本人も含め意外に多いので、ビデオスルーでも構わないので作って欲しいなぁと。もうそろそろ急がないと、フレッド・ウォードがチュンみたいになっちゃいますし。

rwtab1.jpg
待てども待てども待てども待てども………

↓↓ぽちりとお願いいたします↓↓
人気blogランキングへ

        

        
posted by たお at 02:04 | Comment(2) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■ら行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんはー♪
ほんとにいつになったら第二の挑戦がはじまるんでしょうねぇ(笑)
主役っぽくない主役にかわいい師匠は爆笑でした。
こういう遊び心満載の痛快娯楽アクションこそ是非復活して欲しいものです。

で、うちにこれのレビューがあるだろうと思ったわけを教えてくださいますか??(実は結構気になってるw)
Posted by chibisaru at 2006年10月31日 00:53
chibisaru様こんばんは〜♪
こういったゴリゴリしたアクションってのも、たまに無性に観たくなるんですよねぇ^^
え?理由ですか?
いやぁ、サブタレ以上に誰もが忘れかけている作品をきっちりレビューしている所って、chibisaru様んとこ以外に浮かびませんしw
Posted by たお at 2006年10月31日 01:50
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

#187 レモ 第1の挑戦
Excerpt: kjさん[フレッド・ウォード]名作で必見と言われれば見ないわけにはいかないでしょう。(笑) 監督:ガイ・ハミルトン 原作者:リチャード・サビア 、ウォーレン B マーフィ 脚本:クリスト..
Weblog: 風に吹かれて-Blowin' in the Wind-
Tracked: 2006-10-31 00:51