2011年 アメリカ/カナダ映画 92分 ホラー 採点★★
「続編かリメイクばっか!」とぼやかれ始めてから随分と経つハリウッドですけど、その流れは相変わらずですねぇ。ただ、ふた昔くらい前だと三作目ほどでにっちもさっちも行かなくなって打ち切りって感じだったのが、最近はシレーっと四作五作と作られてますねぇ。まぁ、ネタ切れで仕方がないってのよりは、内容云々以前にアトラクションとして皆でキャーキャー騒ぐって楽しみ方が確立されてるってのも大きいんですかね。

【ストーリー】
予知夢によって橋の崩落事故から逃れることが出来たサムと同僚8人。しかし、死の運命は彼らを逃すことはせず、一人一人と恐ろしい死のトラップにはまっていく…。

“奇抜な死に方大百科”と化した“ファイナル・デスティネーション”シリーズ第五弾。まぁ冒頭の大惨事以外は、“主人公が事故の予知夢を見て騒ぐ”→“みんな助かる”→“でも一人ずつ死ぬ”→“死に方や死ぬ順番の手掛かり発見”→“でもなんの役にも立たず”って流れに基本的な変化はないんで、バージョン違いの『ファイナル・デスティネーション1.5』って感じかと。
今回はどんなピタゴラ死に様スイッチを披露してくれるのかと思いきや、その辺がかなり雑な残念スイッチだった本作。やたらと危なげな物を周辺に配置してミスリードを図っているが、全編その調子なので結構すぐ飽きますし。展開上“落ちて死ぬ”ってのにこだわりたいのも分かるが、結果的にそれが“日常生活に潜む死の危険”って恐怖が薄れさせてしまい、そこを埋め合わせるために放り込まれた“笑い”ってのも然程機能していない、なんとも残念な出来。
ただまぁ、そもそもが劇場で仲間と一緒に、3D効果でやたらと飛び出てくるガラスの破片なんかを避けながらキャーキャー騒ぐアトラクションを目指していた本作に、“映画”を期待するってのが酷なのかと。ジェットコースターの主観映像を家で観てても面白くないってのと一緒なんで、特に不満もなく。意外な所に帰着するオチにも驚かされましたし。

表情の作り方がどことなくオーウェン・ウィルソンを彷彿させるニコラス・ダゴストを筆頭に、部屋に置いてあった“ゴキブリ イチコロ”とか書かれた色紙が気になる『フローズン』のエマ・ベル、トムちんやチャンベール風の男前だけど、年取ってハゲ上がったらジョー・パントリアーノみたいになりそうなマイルズ・フィッシャーなど、相変わらず他の映画で見かけてもそうそう思い出せそうにない薄口の若手が集められてた本作。若いはずなんだけど、あんまりそんな感じもしないってのも一緒。
まぁ、その辺の不満は『俺たちニュースキャスター』のデヴィッド・ケックナーや、登場するだけで「待ってました!」って感じになってきた『HATCHET After Days/ハチェット アフターデイズ』のトニー・トッドらが、多少は救ってくれてたかなぁと。それにしても、トニー・トッド扮するウィリアム。検死官に葬儀屋にジェットコースターのアナウンスにと、なんとも大忙しな人ですねぇ。随分と貯め込んでるんでしょうか?

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