スネーク・フライト (Snakes On A Plane)

監督　デヴィッド・Ｒ・エリス　主演　サミュエル・Ｌ・ジャクソン
2006年　アメリカ映画　107分　パニック　採点★★★

子供の頃、丘の上に建てられた小学校へと向かう長い坂道の左右に積まれた石垣の、子供の腕が辛うじて入るだけの隙間に深々と腕を突っ込む遊びが何故だか大流行。基本ただの度胸試しなのだが、ヌルヌルと湿ったその隙間には、蜘蛛やら何やらウジャウジャとおり、皆キャーキャー叫びながら腕を突っ込んだもの。バカですねぇ。で、時折その手がやけに冷たく、中途半端に硬くて、スベスベした物体に触れることが。思い切って掴んで取り出すと、デローンと出てくるのが長々としたアオダイショウ。その尻尾を掴みグルグルと回しながら、泣き叫んで蜘蛛の子を散らしたかのように逃げ回る友人達を尻目に学校へ行ったものです。ホント、バカですねぇ。でも、その日一日だけはヒーローなんですよ。



【ストーリー】
青年ショーンは、ハワイで偶然大物ギャングのエディ・キムによる殺人現場を目撃してしまう。ショーンの身柄を保護したＦＢＩのフリンは、裁判で証言させる為に秘密裏にショーンと共にロサンゼルスへと旅客機で向かうが、その飛行機にはエディ・キムが放った無数の毒蛇が潜んでいた。



集団食中毒でパイロットが倒れたり、セスナ機がコックピットに突っ込んだり、ミサイルに追い回されたり、パイロットがカリーム・アブドル＝ジャバールだったりと何かと大変な空の旅ですが、今度は大量の毒蛇ですかぁ。なかなか気も抜けませんね。
“飛行機にヘビ”
名は体を表す立派過ぎるタイトルを持つこの作品。その名の通り、ヘビが出てきてあっちで「キャー！」こっちで「キャー！」と騒がしいことこの上ないのだが、その悲鳴の合間合間にサミュエルが人を指差しながら説教する独特の味わいに。それはそれで騒がしいのですが。派手な死に方大図鑑に特化した『デッドコースター』、嬉しい拾い物だった『セルラー』のデヴィッド・Ｒ・エリスらしく歯切れだけは非常に良く、無理難題山積みの展開に疑問を挟む余地を全く与える余裕を与えない。潔癖症のラッパーに、子連れ犬連れ、しまいには謎のキックボクサーと、普段なかなか一箇所に集まることのない顔ぶれそれぞれにそれなりの見せ場と、もちろん合間合間にサミュエル説法を挟み、嫌な奴となんか羨ましい奴から死んでいくパニック映画の王道を突き進む開き直った展開が心地よい。しかし“どうせＢ級なんだから”と開き直った割には、大蛇から「ボェ！」っとジョン・ヴォイトが吐き出される様な気が効いたサービスカットが少ないのは、どうにも食い足りない印象を生んでいる。劇場を出た時に、全てを忘れていてもそこだけはシッカリと脳裏に刻まれている下品さが足りないのだが、目指している到達点が“下品”ではなく“バカ”なのであろうから、そこは仕方がないのかも。



「このイカしたタイトルを変えないんだったら、出るぞ」
どんなジャンルの映画でも一枚看板で主役を張れる数少ない黒人俳優の一人でありながら、その作品選びの基準もイマイチ分からなかったサミュエル・Ｌ・ジャクソンだったが、そっかぁ、タイトルだったのかぁ。『シャフト』や『トリプルＸ　ネクスト・レベル』を観る限り、てっきり楽に稼げる仕事ばかり選んでいると思っていたら。そんなサミュエルと言えばやはり説教なのだが、今回もたっぷり。隙さえあれば、説教。目の前に誰か立てば、その顔を指差し説教。あまり乗客とは絡まない設定ながらも、絡めば説教とお腹が一杯になるまで堪能できる。しかも、今回はそんなサミュエルのサーフィン姿までも堪能できる。どんなヘビよりも猛毒。
サミュエル以外は揃いも揃って見事なまでに薄い顔ぶれの本作。劇場を後にすると、大挙していたヘビすらも忘れてしまいそうな印象の薄い作品なのだが、サミュエルの波乗り姿のインパクトに★おまけ。


人に指を指してはいけないと教わらなかったんでしょうか？

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Comments

こんにちは♪
とんでもない数のヘビさんたち。
最高に面白かったです。
助かる人とそうでない人もすぐ分かっちゃいましたけどね。
サミュエルのサーフィンはちょっと笑ってしまいました。でも貴重？

Posted by ゆかりん at 2006年10月24日 10:05

ゆかりん様こんばんは〜♪
最近にないスコーンと突き抜けた爽やかさ残る映画でしたねぇ。“ヘビ！”“飛行機！”“大変！”と、それ以上のことは一切手を出さない潔さで。しいて言えば、最後のサーフィンが謎で。なぜ映すと。

Posted by たお at 2006年10月25日 23:23

そうですね♪最後のサーフィン、謎ですねーあははははｗ
でもなんとなく、蛇と喧騒の狭苦しさと生命の危険から解放され、開放的な気持ちになんないと気のすまない、アホなＬＡ気質☆
ってな感じなんでしょうねー。

で♪たおさんも、蛇掴んだのね！！！
おんなじこと書いてるぅ♪
わーいｗｗバカ同士〜♪
私も振り回しました。
そして、男の子を追っかけ回してみました。嫌がられたよ！

Posted by とらねこ at 2006年10月28日 12:06

とらねこ様こんばんは！
多分ヘビ並に下品なものを見せようとした結果がアレでは？
とらねこ様は本日をもって“蛇女”とインプットさせていただきましたー♪

Posted by たお at 2006年10月30日 00:54

ＴＢ＆コメントさせて貰いますね〜。
ホント面白かった。
あのＢ級丸出しの宣伝やめればもっと客を呼べたかもｗ
あとは、題名かなぁ・・・・
サミュエルの職人らしいところも好感が持てますよね（説教職人か！？）

Posted by oguogu at 2006年11月02日 12:38

oguogu様こんばんは！
まぁ、ヘビ満載って時点で来る客数も決まったようなもんですがｗ
邦題は意外と良いと思いますよ。原題が“飛行機にヘビ”ですし。シンプルさとバカバカしさを狙った意味では、こんなもんかなぁと。

Posted by たお at 2006年11月03日 21:21

Ｍと申します。
先ほど間違って拙ブログの間違った記事をＴＢしてしまいました。すみませんでした。

Posted by Ｍ at 2007年04月26日 23:48

Ｍ様こんばんは！
消しておきましたねー。

Posted by たお at 2007年04月27日 20:28

こんばんわ！
予告を見ただけでどないな映画やねん！と大笑いしたんですが、
そのまんまの内容でしたｗ
最後にサーフィンしたり恋愛したり、変なオマケはついてましたけど（＾＾；

そうそうヘビって冷たくてすべっとしてますよねー。
微妙に気持ちいいｗ
首に巻いて「マフラー」なんてしたことあるけれど、あれってヘビの気分次第で殺されるかも？汗
なんであんなもん首に巻いたんだろう、わしｗ

Posted by PINOKIO at 2007年05月23日 23:56

PINOKIO様こんばんは〜♪
本編が予告編を上回らない映画が多い中、コレはまんまでしたねぇｗ
にしても、ヘビマフラーですか。。。
まぁ、子供時代は誰しも一時は気が狂ってますから＾＾；

Posted by たお at 2007年05月24日 21:49

たお様☆
えっ　飛行機にヘビですかぁ？とツッコミ気分で観ましたけど、笑えて楽しい映画でした。
サミュエルの饒舌の生える映画(ヘビはしゃべりませんものね)でした。
プププ　ほんとだまた指さしてますね〜
TBさせて頂きました。

Posted by Lance at 2007年06月30日 22:17

Lance様こんばんは〜♪
何気にこの間ＤＶＤで観直した本作なんですが、劇場で観た時と印象が全く変わっていないのも驚いたものです。やっぱり“飛行機にヘビ！”の潔さは気持ちがいいですね！

Posted by たお at 2007年07月02日 00:25