2009年 スペイン映画 94分 サスペンス 採点★★
集団行動から瞬く間にはぐれてしまう私の迷子遺伝子を受け継いでる割には、うちの子供らは迷子になったことがないんですよねぇ。ちょっとばかしはぐれても、大体想定内の場所にいるんですぐに見つかる。「変な所が似なくて良かった良かった」と思ってたんですが、先日子供らとスーパーに行ったら、2歳の末っ子がアンパンマンの遊具目指して「マンマンマーン!」と暴走。でも、5メートルも行かない内に親がそばに居ないことに気付いたのか、泣きながら戻って来る。どうやら迷子遺伝子よりも、私の“案外小心者”遺伝子の方が強く受け継がれてしまったようで。
【ストーリー】
休暇を島で過ごす為、幼い息子と共にフェリーに乗ったシングルマザーのマリア。しかし、ほんの少し目を離した隙に、息子は忽然と姿を消してしまう。半年後、島の警察から子供の死体が発見されたと連絡を受けたマリアは再び島を訪れるが、その死体は息子のものではなかった。「息子はまだ生きている」、そう確信したマリアは島中を捜索。やがて、マリア同様に事故現場から子供が姿を消してしまった母親と出会い…。
長編初監督となるガベ・イバニェスによる、ミステリアスな雰囲気だけは充分なサスペンススリラー。主人公のマリアに扮したのは、普段は小動物的な可愛らしさに溢れているが、油断をするとヒラリー・スワンクになってしまう『この愛のために撃て』のエレナ・アナヤ。
鏡やガラスに映る人物の動きがそれぞれ微妙に異なっていたり、子供の目が一瞬死体のような目になってたりと、憔悴しきった母親の心理状態を表すかのような夢か現実か定かじゃない幻想的で不穏な雰囲気に包まれた本作。“母親が何かをしてしまったのか?”“島の神秘的な力のせいか?”“やっぱ宇宙人?”と、様々な憶測が膨らむ空気が流れてるのだが、結局それらが空気だけでしかない肩透かし感ったら。オープニングからエンディングまで変わる事のない、ノッペリとした演出が生む強烈なまでの催眠効果も辛い。息子を失った母親の悲痛な物語という良いネタを真っ直ぐに描けず、ひたすら目くらましだけを施して一種特別な作品にしようとした安易さが目に余ったなぁと。
要は“子供から目を離しちゃダメよ”って話
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