2006年10月21日

ロケッティア (The Rocketeer)

監督 ジョー・ジョンストン 主演 ビル・キャンベル
1991年 アメリカ映画 108分 アクション 採点★★★★

スーパーマンやウルトラマンなど端っから飛べる身体を持っている勝手な方々は放っておいて、何か乗物を使う以外に自由に空を飛ぶ方法はないものかと夢見がちだった子供時代。タケコプターが一番身近にあった存在であったが、どうにもあれは首がすごく疲れそうだ。そんな有り得もしないことを考えながら漠然とテレビを観ていた私の前に現われたのが、ロサンゼルスオリンピックに突如と現われた“ロケットマン”。宇宙服のようなものを着て、背中にロケットを背負い、上からフラフラと降ってきたアレ。左右の移動がしんどそうであったが、子供心は鷲掴みに。まぁ、それでみんなが航空技師を目指したわけもなく、翌日から近所の子供たちによってロケット花火に括り付けられたカエルが上空を飛び回るのが大流行することになるわけですが。

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【ストーリー】
第二次世界大戦直前のアメリカ。志は大きいが懐は寂しいパイロットの青年がひょんなことから見つけたランドセル型ロケット。自由に空を飛びまわるその姿に、人々は“ロケッティア”と名づけるが、そのロケットを狙う黒い影が近づいてくる。

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ハワード・ヒューズが開発したロケットを背負い自由に飛び回る青年と、そのロケットを狙うナチスドイツ。クライマックスは、ナチスドイツの兵隊を相手にイタリアンマフィアとFBIの連合軍による銃撃戦!しかもヒロインはジェニファー・コネリー!!これでつまらない映画になるわけがない。
この人気グラフィックノベルを映画化した本作の監督は、ジョー・ジョンストン。若干影の薄い印象もあるジョー・ジョンストンではあるが、フィルモグラフィーを見てみれば、揃いも揃って良作揃い。ILM出身ということもあり、本作や『ミクロキッズ』のように特殊効果を前面に出した作品ばかりの印象も強いが、本作にも溢れている空とノスタルジーへの想いがパンパンに詰まった傑作『遠い空の向こうに』が忘れ難い。恐竜バトル映画のツボをしっかりと押さえた『ジュラシック・パークV』なんて、正直な所シリーズ中一番好き。そんな娯楽映画の名手ジョンストン監督作品だけあって、盛り沢山の見せ場や要素を持て余すことなく消化。尚且つ、何をやっても微妙に上手くいかないドジな主人公と上昇志向のヒロインの関係をコミカルに描き、心優しい“古き良きアメリカ”庶民の姿をも前面に出している為、いつでも誰でも安心して観れるいい意味でのディズニー作品となっている。
また、隅々に散らばる小ネタ大ネタに対する気配りも充分。降板したばかりの元ジェームズ・ボンドに、見た目はロンド・ハットンだが扱いは『私を愛したスパイ』のジョーズという大男を相棒として絡ませる大ネタも、その元ボンドがエロール・フリンソックリだったり、クラーク・ゲーブルとすれ違ったりする小ネタも非常に楽しい。「へぇぇ!“HOLLYWOODLAND”の“LAND”って、こうやってなくなったんだぁ!」とビックリしましたし。
なんとなく虫っぽいヘルメットのデザインはさて置き、さりげなく見せる空中スタントのレベルも高く、作品を盛り上げるジェームズ・ホーナーによる王道的サウンドトラックも感じが良い。何度観ても楽しい、娯楽映画の見本のような作品。

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“B・キャンベル”と言えば真っ先に“ブルース”・キャンベルが浮かぶ私ですが、本作の主演であるビル・キャンベルもなかなかなもので。クラシカルな顔立ちに均整の取れたスタイルの持ち主である彼は、プライベートではかなりのプレイボーイらしく、本作でもその生粋の二枚目臭漂う好青年を好演。しかし、この作品以降ぱっとしない。印象は決して薄くはないのだが、大して強くもない。相手が悪かった。なにしろ可愛げ絶頂期のジェニファー・コネリーだから。『ダーク・ウォーター』では身体が細くなったのと同時に魅力自体も失ってしまった彼女だが、本作では『ラビリンス/魔王の迷宮』の可憐な少女から、可憐な顔はそのままに身体だけは立派に成長した、大人になるギリギリ手前の妖しくも危うげな魅力をたっぷりと振りまいている。さすがジョー・ジョンストン。子連れで来たお父さんへの気配りも忘れていない
歴代ボンドでは4番目に好きなティモシー・ダルトン扮する、口説き文句は常に自身の出演作からのセリフで、“ハリウッドNo.3のスター”という微妙な位置にいる割に、態度だけは“No.1”の悪役も、主人公の父親代わりでもある飛行機技師を演じる『ポイント・ブランク』のアラン・アーキンも非常に魅力的であるが、やっぱりサブタレ的には大富豪ハワード・ヒューズに扮する、大人気テレビシリーズ『ミレニアム』のワッツ役や『W/ダブル』の頑張りすぎる義父役で一部では有名人なテリー・オクィンをイチオシで。かなりひいき目かも知れないが、最後に見せる優しさに溢れた笑顔は、本作全体に通じる優しさである。ワッツなのに。

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彼が救ったのは、オジサン一人と世界

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posted by たお at 02:14 | Comment(2) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■ら行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TVの企画でヒロミがロケット花火を背負って実験して大火傷を負ったのもこの映画でしたっけのぅ…
 
いや好きなんで余計にそのニュースが悲しかったワケですが、最近のテンポで押すだけのとは違ってカッチリした娯楽映画で好きなんですよね、本作も。
『スカイキャプテン〜』の予告編を観た時、実は勝手に脳内で『ロケッティア』と連結していて実際観たら別物でガッカリしたとです(苦笑)
 
しっかし、アメリカの国内情勢のせいでしょうが、こういうカラッとした娯楽作品って減りましたよね… まぁそればっかりでも飽きてしまいますけどね(笑)
Posted by USA-P at 2006年10月21日 10:32
そういや、ヒロミも飛ぼうとしてましたねぇw
『スカイキャプテン』は、二時間ジュード・ロウを見続ける自信が全くないので未見なのですが、多分これからも未見のままで。
確かに最近はウジウジとした主人公の作品ばかりですが、どうせ飽きるならそんな作品よりも、今作のようにカラリとした作品に飽きたいものです♪
Posted by たお at 2006年10月22日 10:02
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ロケッティア
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