マインドハンター (Mindhunters)

監督　レニー・ハーリン　主演　ＬＬ・クール・Ｊ
2004年　アメリカ映画　101分　サスペンス　採点★★★★

不得意な分野ってのは誰にでもあるようで、私にとってのそれは数学。もう、全然ダメ。高校時代の県内統一学力テストで、英語の成績が県内ベスト５に入った反面、数学が県内ワースト５入り。その結果を聞いた母親の、怒っていいのか褒めていいのか分からなくなっていた姿が印象的で。たっぷりと大人になった今でも数学はてんでダメで、数字が出てくればそれこそカレンダーであろうと思考が停止する始末。不得意な分野から逃げまくっている私ですが、中には果敢に挑戦し、力技で解決しちゃう人もいるんですよねぇ。数学が苦手だから数学博士を殴り倒す様な方法でですが。

【ストーリー】
無人島の特殊訓練施設に試験の為に集められた、ＦＢＩプロファイラー訓練生達７人とオブザーバー１人。島に潜むという連続殺人犯をプロファイリングして捕らえるというシュミレーションのはずだったのだが、実際に一人一人が不気味な予告と共に惨殺されていく。



脳ミソまで筋肉で出来ているかのような作品ばかりを撮り続けるレニー・ハーリン。そんな彼が撮るサイコスリラーに一抹どころじゃない不安を感じていたのだが、あらあらなかなか面白い。もちろん、ちっとも知的じゃありませんが。
お金を持たせたら持たせた分だけあっという間に使い切ってしまう江戸っ子監督の為、今回はだいぶ予算を絞られている様だが、その中でも精一杯迫力重視のサイコスリラーを作り上げている。“迫力重視”とか“知的じゃない”って、ちっともサイコスリラーに対する褒め言葉じゃない気もしますが、そうしか褒められないので仕方がない。この筋肉で出来た『ソウ』のような作品には、もちろん“犯人は誰だ？”ってミステリー要素もあるにはあるんですが、主人公と思い込まされていた人物がさっさとピタゴラスイッチで死んでしまうこの映画最大のサプライズの後に残されるのが、どうにもＴＶ的に薄い顔立ちの面々なので、誰が犯人でも別にどうでもいい親切設計。無駄に頭を使って、せっかくの休日を疲れさせないよう気遣うレニー・ハーリンの心遣いが嬉しい。ただ、“一番怪しい人物は犯人ではない”という裏をかいた定石な展開から更に一捻りしてみんなをビックリさせてやろうとしてくれたようだが、裏の裏は表ですし。あんまり無理しなくてもいいですよ。



かつては“ヤング・ジャック・ニコルソン”とまで謳われたクリスチャン・スレイターだが、私生活でのトラブル続きが祟ったか、生え際だけがジャック・ニコルソンに。『カフス！』とか『今夜はトーク・ハード』での彼が大好きだっただけに、すっかりオッチャン臭くなった彼に驚きやら哀しみやら。役名が『ヘザース』と同じＪＤなだけに、どっちかといえば哀しみの方が大きめで。そのクリスチャン・スレイターと『トゥルー・ロマンス』繋がりで駆り出されたのか、「ほら！なんか懐かしい顔ぶれでしょ!?」ってだけなのか、ヴァル・キルマーもお気楽な出演。『キスキス，バンバン　-L.A.的殺人事件』など最近仕事が好調なのは嬉しい限りですが。
彼ら以外ではすっかり俳優が本業となったＬＬ・クール・Ｊがお馴染みの顔ぶれだが、それ以外は全くといっていいほど印象に残らない薄口な面々。ダビングを重ねたジュリアン・ムーアの様なキャスリン・モリスを始め、みんな誰かに似ている。まぁ、そのおかげで別に誰が犯人でもどうでもいい親切な作品になったのですが。
突如始まる思いのほか長い格闘シーンなど『クリムゾン・リバー２　黙示録の天使たち』並に脈絡のない作品にこの採点は気恥ずかしい気もするが、楽しんじゃったので仕方がない。あまり頭を使うのも得意じゃないですし。


スターもいなけりゃ主役もいない

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Comments

クリスチャン・スレイターを目当てで観たらあれれ〜でした。
まさかそんなに早くやられるとは！
何かやってくれるかと期待してたのに残念(笑)

Posted by ゆかりん at 2006年10月17日 19:54

ゆかりん様こんばんは〜♪
あっという間でしたねぇ、スレイター。
それはそれで、なかなか楽しめましたが＾＾
ところで、ライブドアにＴＢ送れなくなってますので、もう少々お返しまで待っててくださいね＾＾；

Posted by たお at 2006年10月18日 23:59

こんにちは。
弊ブログへのトラックバック、ありがとうございました。
こちらからもコメント＆トラックバックのお返しを失礼致します。

この作品は、７人のＦＢＩ訓練生の人物説明不足により終盤から結末への流れに弱冠説得力を欠いている部分はありながらも、終始映画世界に引き付け続ける映画構成が良く、見応えのある映画であったと思います。

また遊びに来させて頂きます。
ではまた。

Posted by たろ at 2006年10月19日 01:19

こんばんは〜♪TB有難う御座いました♪
このキャストでクリスチャン＆ヴァルがあんな扱いなのに一番驚きました^^;
あとはまぁ・・・
レニー・ハーリンに知的なものを求めちゃイケないと、良い教訓になりました(^^ゞ

ではでは〜、これからもよろしくお願いします♪

Posted by Aki. at 2006年10月19日 04:45

>スターもいなけりゃ主役もいない
>誰が犯人でも別にどうでもいい親切設計
あらら・・・見破られてしまいましたね（汗）
“キャストを見たらあの人が主役だと思ったのに” “えっ？ あの人はもう殺されちゃったの？”
これが１番意外性のあった部分かも（笑）
ちなみに、劇場鑑賞した時についていたプレゼントは、とても簡単な“知恵の輪”でした！

Posted by 哀生龍 at 2006年10月19日 05:54

こんにちは！
“江戸っ子監督”のフレーズ、
笑わせていただきました！
残されたメンバーが、もっと有名な俳優
さんを使ってくれれば、もっと盛り上がったのに、残念です。

Posted by ＠ＫＯＢＡ at 2006年10月19日 08:11

TB、ありがとうございました。

＞脳ミソまで筋肉で出来ているかのような作品ばかりを撮り続けるレニー・ハーリン

ヾ(＠^▽^＠)ﾉ
レヴューを、多いに楽しんで読ませていただきました♪

「脳ミソ筋肉」に、思わず「そうだったのかあ」と深く頷きました＾＾）

＞スターもいなけりゃ主役もいない

ほんとですね〜、もうすでに出てきた人の顔がわからないんですよ（笑）（スレイターとヴァルしかもともと、顔がわからなかったんですが）

Posted by ぷちてん at 2006年10月19日 19:17

こんばんは。
いつもＴＢありがとうございます♪

＞主人公と思い込まされていた人物がさっさとピタゴラスイッチで死んでしまうこの映画最大のサプライズ

↑　(≧▽≦)　まったくそのとおり！
ビックリしました〜（笑）


ところで、いつもＴＢしていただいているので、リンクを貼らせていただきたいのですけど、いいでしょうか？

Posted by りら at 2006年10月19日 20:48

たおさま　トラバありがとうございましたヽ^0^ /
》お金を持たせたら持たせた分だけあっという間に使い切ってしまう江戸っ子監督
納得納得のお言葉です〜 (;￣ー￣)
この作品、お金が掛かってないようでー
でもかかってるの？と疑ってみたり･･･
この曖昧さが作品の出来具合にも影響したのかもしれませんね。^^;
私のこの作品の印象は・・・イタイ！でした。
こちらからもTRBさせていただきます♪

Posted by soratuki at 2006年10月19日 23:12

たろ様こんばんは！
説明不足だろうが無理があろうが、画面に惹きつける力だけはあるのがハーリン流なんですよねｗ

Posted by たお at 2006年10月20日 01:12

Aki.様こんばんは！
そう！
ハーリンの映画なんです！
知的でもなければ、アートでもない。ハーリンの映画なんです！
私のような難しいことが苦手な人間にはピッタリでした〜

Posted by たお at 2006年10月20日 01:15

哀生龍さまこんばんは〜♪
＞とても簡単な知恵の輪
映画の知的レベルを充分に理解した、素敵なプレゼントでｗｗｗ

Posted by たお at 2006年10月20日 01:17

＠ＫＯＢＡ様こんばんは！
でも、有名な俳優を使っちゃうと、見せ場を考えたり、トリックを余計に考えたりと、ハーリン大変になっちゃうからこれくらいでちょうどいいのかも＾＾；

Posted by たお at 2006年10月20日 01:18

ぷちてん様こんばんは！
「どうだー？これだけ顔ぶれが地味だと、誰が犯人だかわかんないだろー？」とシタリ顔のハーリンが浮かびます。
これだからハーリン映画はたまらないｗ

Posted by たお at 2006年10月20日 01:21

りら様こんばんは！
なかなかよく出来たピタゴラスイッチでしたよねー。
あっちからゴロゴロと転がると、こっちでスレイターが倒れる。いい装置です。ＮＨＫでやってくれないですかねぇ。
リンクしていただけるんですか？
それはそれは、ありがとうございます！
こちらでもリンクさせていただきますので、後ほどご挨拶にうかがいまーす♪

Posted by たお at 2006年10月20日 01:24

soratuki様こんばんは！
ホント、ハーリンは宵越しの金は持たないですからねぇ。よっぽど厳しくしないとｗ
今回はだいぶ厳しい予算だったようですが、それでもこれくらいの作れるんだから大したものです。

Posted by たお at 2006年10月20日 01:26

なんだかんだと言いながらも
結果楽しめちゃうのがレニー・ハーリン監督
ってことなんでしょうかね〜。
なかなか面白かったです。

Posted by miyu at 2008年04月12日 08:34

miyu様、こんにちは！
なんだかんだと全く楽しめない作品を作っちゃうのもハーリンなので油断は出来ませんが、これはなかなか面白かったですねぇ＾＾

Posted by たお at 2008年04月13日 08:18