ワイルド・スピード ＭＥＧＡ ＭＡＸ (Fast Five)

監督　ジャスティン・リン　主演　ヴィン・ディーゼル
2011年　アメリカ映画　130分　アクション　採点★★★★

ＴＶを観てると、「アレ？この子って、最近見なくなったあの子に似てるよなぁ」って思う事が多いですよねぇ。その子をＴＶで見かけなくなると、消えてたあの子がまた出始める。で、しばらくそれを繰り返すと、今度は両方見かけなくなる。売り易い顔ってのがあってキャラ被りを極力避けてでの流れなのかも知れませんけど、狭い縄張りに似たようなのを乱立させなくてもいいのになぁと思ったりも。まぁ、実際自分と似たタイプが同じグループに居るってのは、なかなか居心地の悪いものではあるんですけどねぇ。周りもつっこみづらいでしょうし。



【ストーリー】
今ではドミニク同様に犯罪者として追われる身となった、元ＦＢＩ捜査官のブライアン。ドミニクと彼の妹ミアと共にブラジルでの潜伏生活を送っていたが、この生活から抜け出し再度自由を手にするため、リオの裏社会を牛耳る実力者レイエスから一億ドルを強奪する計画を思い付く。かつての仲間をブラジルに集め準備を進める中、彼らの逮捕に執念を燃やす豪腕捜査官ホッブスが彼らの前に立ちはだかり…。



まさか5作目にしてこんなに面白い作品が出てくるとは予想だにしてなかった、“ワイルド・スピード”シリーズ最新作。メガホンを握るのは、『ワイルド・スピードＸ３ TOKYO DRIFT』以降3作連続登板となるジャスティン・リン。
もともと爽快さとは然程縁のない犯罪アクションであるとはいえ、物語が復讐譚だっただけに鬱屈した気分になった前作『ワイルド・スピード　ＭＡＸ』。本作も開始早々逃亡生活の世知辛さを切々と描き出し「またか!?」と大いに不安を募らせたが、そっからの弾けっぷりがハンパない。過去作のキャラクターを引っ張り出し、“トレットと11人の仲間”的軽妙な泥棒物語の展開をしたかと思えば、筋肉と筋肉がぶつかり合う筋肉映画に変貌し、その筋肉が乗り移ったかのような愕然とするカーチェイスの後に、意外な人物を出して「次回も観てね♪」で締め括る、もうほとんど破れかぶれとも言える“何でもアリ”感が素敵。四の五の言わずにっていうか、四の五の言ったら負けな偏差値不要映画の快作。とりあえず脳みそを手の届かない所にしまってから観るのが宜しいのかと。



人種を特定しづらい“ワイルド・カード”俳優として一世を風靡したが、ワルばかりを演じるワンパターンからの脱却を図って出演したファミリーコメディ『キャプテン・ウルフ』で失速してしまったヴィン・ディーゼル。一方、その彼が失速後に頭角を現してきた“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンは、持ち前の器用さを活かして早くからコメディに挑戦していたが、本来の持ち味であるタフネスキャラに戻るタイミングを見失って『妖精ファイター』に出ちゃったりの迷走中。そんな双方の事情があるとはいえ、やはり本来ならキャラ被りってのは避けたいところ。夢のような組み合わせではあるんだが、下手をすれば「若干色の濃いのがザ・ロックで、モチモチしてるのがヴィンヴィンだったよなぁ…」と常に確認しないと見失ってしまう危惧も。
ところが、このタブー無視のキャラ被り真っ向勝負が素晴らしい。双方パワー全開でぶつかり合う迫力はもう怪獣映画の域で、尚且つ互いの持ち味と存在感を活かしつつどちらも株を落とさない、まさに『キングコング対ゴジラ』というか『サンダ対ガイラ』ばりの名勝負を繰り広げてくれる。この二人のパワーとスピードは作品にもストレートに影響を及ぼし、それがあの車までもが筋肉ムキムキになってしまったクライマックスを生みだした要因なんだろうなぁと。
第6弾でも共演が予定されている御両人。ただ再共演するだけでは済ませないのが、この破れかぶれシリーズの特徴。噂では「ジェイソン・ステイサムも出演するかも？」とのことで、ツルンとしたのを三人集めてどんな破れかぶれっぷりを見せるのか今から楽しみで。ってか、シリーズ毎にツルンとしたのを増やしていって、最終的にぱっと見少林寺になればいいなぁと。



若干モチモチ感の増したヴィン・ディーゼルと、相変わらず岩のようなドウェイン・ジョンソンというツルンとした御二方ばかりに目が行ってしまうが、全シリーズからキャラクターが満遍なく登場しているのも嬉しい本作。
まず『ワイルド・スピード』のオリジナル組からは、本来は主人公ながらも気の良い相方役にハマってしまった感もある『父親たちの星条旗』のポール・ウォーカーに、ちょいと痩せ過ぎの気もしたが、往年のアリ・マッグロー的な可愛さは健在だった『テキサス・チェーンソー　ビギニング』のジョーダナ・ブリュースター、『消えた天使』のマット・シュルツらが出演。『ワイルド・スピードＸ２』からは、『トランスフォーマー／ダークサイド・ムーン』のタイリース・ギブソンに、『ＧＡＭＥＲ／ゲーマー』のクリス・“リュダクリス”・ブリッジス、扱い的には隠れキャラだった『アザー・ガイズ　俺たち踊るハイパー刑事！』のエヴァ・メンデスらが。
また、トンチンカンな日本描写がちょっと楽しかった『ワイルド・スピードＸ３ TOKYO DRIFT』から『ダイ・ハード4.0』のサン・カン、『ワイルド・スピード　ＭＡＸ』からはテゴ・カルデロンとドン・オマール、『ナイト＆デイ』のガル・ギャドットらが出演。
「あらアノ人も！まぁコノ人まで！」と観てるこっちとしては非常に忙しいキャスティングが揃っているが、『パリより愛をこめて』のヨアキム・デ・アルメイダや、警官の制服姿だとセクシーなのだが、普段着になるとチンチクリンになる『ジャーロ』のエルサ・パタキら、本作登場組もなかなかの顔ぶれで。でもって、トドメが最後にチラリと写真で登場するアノ人。ネタバレになるんで名前は伏せておきますが、別の人気シリーズ最新作でも死んだと思ってたのにシレーっと登場してたんで、コノ人の中で“死んだと思わせといてキャラ”ってのが流行ってるんですかねぇ。まぁ、ある意味『マチェーテ』でもそうでしたし。


ターター　ッタタタターターター　ッタッタター♪

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Comments

このアホさ加減は、やっぱスクリーンでどかんと楽しんでほしかった。
ここに来て、こんだけ面白く作れるモチベーションは、なかなかだったと思いますよ。
ポール・ウォーカー、、、、「星条旗」に出てたっけ？とつい悩みましたが、ちょっと出てましたね、そういや。はい。
ポール・ウォーカーと言ったら、「南極物語」っすよ。「ワイルド・スピード」以外では、あれしかない！

Posted by sakurai at 2012年03月15日 22:10

sakurai様、こんにちは！
こんだけ破天荒な面白さに溢れてたんだったら、確かに劇場で観るべきだったかもしれませんねぇ。でもまぁ、まさか5作目にしてこんな盛り返しをするとは予想だにしてなかったんで＾＾；

Posted by たお at 2012年03月16日 06:33

こんにちは♪
続編てどんどんつまらなくなっていくのが多い中、5作目で一番ど派手で面白かったです。

え?ジェイソン・ステイサム?
つる×３は楽しみですね(笑)

Posted by yukarin at 2012年03月16日 15:00

こんにちは。
ツル対決、似てるのに違うところは何故？な疑問が解けました。
「もちっと」と「ごつごつ」だったんですね。
（的確な表現、ツボらせていただきました(^^)。）

かっこいい車達と派手なアクション、とっても面白い映画でした♪。

Posted by みぃみ at 2012年03月16日 16:01

yukarin様、こんばんは〜♪
運転が上手い上に強くてハゲという、これまたキャラ被りまくりのキャスティングになりそうな次回作ですが、きっとまた開き直った面白さを見せてくれるんでしょうねぇ。

Posted by たお at 2012年03月18日 18:03

みぃみ様、こんばんは！
もともとマッチョの割にツルンとしていて触り心地の良さそうなヴィンでしたが、今回はモチモチ感が増して更に触り心地が良さそうにｗ

Posted by たお at 2012年03月18日 18:05

意外な面白さでしたよね〜♪　特に期待しないで観ただけに面白さ倍増でした(^^)

ジェイソン・ステイサム。。。つる×３　楽しみですけど、どうせならブルース・ウィリスも出てくれないかな、なんて、ちょっと夢見てしまいました^m^
。。。暑苦しすぎますね（笑）

Posted by りら at 2012年03月21日 21:11

りら様、こんばんは〜♪
ハゲが3人揃うだけでもネタ臭くなってるんで、もう開き直ってハゲしか出ないシリーズと化すのも面白いかもしれませんねぇ。ヒロインもハゲで。

Posted by たお at 2012年03月22日 21:18

ＴＢ＆コメントさせてもらっちゃいますね〜。
面白かったですが、ちょっとロックの出演が無理があったような気もします。
彼はあのようにハマ−みたいなヤツに乗らないと、シティハンターの海坊主さんみたいに、車の屋根を突き破ってギャグになりかねませんｗ
普通の車なら持ち上げて壊しそうですしｗ
　はてさて、私はミシェルロドリゲスは嫌いになったので興味はありませんが、次は何を引っ張ってくれますかねぇ。
飛行機引っ張る車（トーイングカーというらしいｗ）かまたは、引っ張るのを止めてタイタン（でかいダンプ）辺りにしてみましょうか？
まぁ夢は膨らみますねｗ

Posted by oguogu at 2012年05月20日 23:13

oguogu様、こんにちは〜♪
＞ちょっとロックの出演が無理があったような気もします
えぇ、無茶なんです。無茶過ぎるんです。でも、その破れかぶれさがなんとも素敵ｗ
＞私はミシェルロドリゲスは嫌いになったので
あらま

Posted by たお at 2012年05月31日 09:27