2006年10月13日

リトル★ニッキー (Little Nicky)

監督 スティーヴン・ブリル 主演 アダム・サンドラー
2000年 アメリカ映画 93分 コメディ 採点★★★★

どうやら世間一般的に“末っ子”とか“一人っ子”ってのは、甘ちゃんでワガママで自分勝手でどうにも頼り甲斐のないイメージのようで。で、また一般的にB型ってのも、甘ちゃんでワガママで自分勝手で、どうしようもないイメージだそうで。じゃぁ、三人兄弟の末っ子で、上と歳がすごく離れているので一人っ子のように育てられ、しかもB型の私って、人間失格ですか?もう、おしまいですか?

【ストーリー】
いっこうに引退しない地獄の魔王に業を煮やした魔王の長男と次男は、地上を地獄にしちゃおうと地獄を脱走。地上からの魂が入らなくなってしまった為弱りきった魔王を救う為、気立てだけはいい三男坊のニッキーが地上へ向かい兄達を連れ帰ろうとするが…。

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アダム・サンドラーの作品選びの巧みさや、「あー見えてもバカではないんだね」という当然といえば当然のことを『もしも昨日が選べたら』のレビューで長々と書いてますので、興味があればどうぞ。
で、その『もしも昨日が選べたら』のパンフレットでも“失敗作”として挙げられているらしい本作だが、どうしてどうして。これは、アダムからファンへ贈ったお歳暮ではないですか。サタデーナイト・ライブ時代から幼児キャラを続けていたが、実年齢の向上と共に煮詰まりも見え始めていた頃に『ウェディング・シンガー』『ビッグ・ダディ』と新たな路線を開拓。しかし、このまま何事もなかったかのようにお涙ラブコメ路線へ移行してしまうと、「ケッ!結局おまえもロビン・ウィリアムズと同じか!」と思われてしまう恐れもあるので、これまでの幼児キャラの集大成と決別の意味も込めてこれでもかとヤリ過ぎた作品に、と考えるのは深読みか?
そんな深読みなくとも一瞬たりとも油断できないほど詰め込まれたギャグは強烈で、好き嫌いがハッキリと分かれるであろう程の孤高のアダムが楽しめる。『アダム・サンドラーは ビリー・マジソン/一日一善』『俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル』『ハードロック・ハイジャック』『ウォーターボーイ』をギューギューに煮詰めて濃縮したアダム汁を、生で一気に飲むような強烈さだ。まるで「あと20年はこんなキャラやらないけど、これ観ればしばらくはもつでしょ?」とアダムに言われたかのような作品。最近のアダムに物足りなさを感じた時に必ず観ておりますよ、私は。大好きなんで。

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ヘヴィメタ愛と友情がギューギューに詰まった本作。いきなりオープニングからジョン・ロヴィッツだ。公開当時は、ハーヴェイ・カイテルの魔王やらパトリシア・アークエットやら最後まで浮きまくってたクエンティン・タランティーノやらキューティー・ブロンドにばかり注目が集まっていたが、正直この作品で楽しめるのは彼らではない。タランティーノ邪魔だし
やはり先に挙げたジョン・ロヴィッツを始め、瞬きすることすら許されないほど総出で出てくる“アダムス・ファミリー”の面々がお楽しみで。名前を全部挙げるとそれだけで記事が終わっちゃうので割愛させていただくが、いつもの顔ぶれが勢揃い。あ、ブシェミは出てませんが。その代わりと言うか、“代わり”というには畏れ多すぎるオジー・オズボーンが登場。“コウモリとオジー”でピンと来る一部の人以外は置いてけぼりのオチを、堂々と披露。圧倒的多数の観客がポカーンとなったであろうオチだが、アダムのセンスで贈られたお歳暮ですからご容赦を。オチの意味を書くのも小恥ずかしいので、メタルなお友達に「オジーって、コウモリ好きなの?」とか聞いてみてね。その前に「オジー・オズボーンって何してる人?」とも聞いておいた方がいいかも。
サタデーナイト・ライブ繋がりで『ウェインズ・ワールド』のダナ・カーヴィが出ていたり、『俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル』のチャブスが相変らず天国にいたりと、自らのルーツを顧みる事を怠らないアダム。過去のどの作品でもさりげなく関連付けていたのだが、今は亡き盟友クリス・ファーレイの扱いに、ちょっぴりジーンときた。天国にいたんだねぇ。

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posted by たお at 01:37 | Comment(8) | TrackBack(2) | 前にも観たアレ■ら行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たお様、コメント失礼致します。

私もニッキー大好き!何度も観てマス。
てゆーか、ニッキーってアダムからのお歳暮だったのですねw
ビリーマジソンもプロゴルファーギルも観たことなかったけど、いきなりお歳暮を受け取ってアダムのことが大好きになっちゃいました。
そんなワケで「もしも昨日が選べたら」にTBさせて頂きます♪
Posted by kenko at 2006年10月13日 11:15
kenko様こんばんは!
いいですよねぇ、ニッキー♪
隅から隅まで嫌いな場所がないんですよ。こんなお歳暮なら、毎年同じでも満足です^^
Posted by たお at 2006年10月13日 21:27
>三人兄弟の末っ子で、中略、しかもB型の私
たおさんは可愛い存在ですね!
哀生龍は3人兄弟の1番上で、しかもAB型です(苦笑)

>「あと20年はこんなキャラやらないけど、これ観ればしばらくはもつでしょ?」
いえ・・・
こんなの見せられたら、中毒になって禁断症状が出るので、たおさんと同様に何度も見るはめに陥ってます♪
Posted by 哀生龍 at 2006年10月15日 13:20
トラックバックありがとうございます。しかも「リトル・ニッキー」に!
嬉しいなっ♪
この映画のレビューを書いた時、ほとんど反応がなかったのでとっても寂しい思いをしていたんです。
アダム・サンドラーってサタディナイトライブ
出身だったんですね。知りませんでした。っていうか、アダムについてはほとんど知らなかったので興味深く読ませていただきました。
またお邪魔させていただきますね♪
Posted by kiyotayoki at 2006年10月16日 09:45
哀生龍様こんばんは〜♪
可愛い存在かどうかは・・・^^;
迷惑はいっぱいかけてますがw
しかし、何度観ても飽きませんよねぇ、コレ。
Posted by たお at 2006年10月17日 02:34
kiyotayoki様こんばんは!
ちょっと前の作品になると、とたんにレビュー数減りますからねぇ。ましてや、コメディだとなおさらに。
落穂拾いなブログですが、今後ともよろしくお願いいたしますね♪
Posted by たお at 2006年10月17日 02:42
たお様
albrechtです。
>ピンと来る一部の人以外は置いてけぼりのオチ
どうどうとコレができるアダム・サンドラーがすばらしいです!!(笑)
てゆうか、何か一芸を身につけてる人は強いですね〜。>>オジー。
「ビックリ人間大集合」とか「新春かくし芸大会」とか、まだまだ食いっぱぐれることはないだろうって感じで(笑)。
Posted by albrecht at 2006年10月25日 02:33
albrecht様こんばんは〜♪
やっちゃいますもんねぇ、アダムw
最近のオジーは、コウモリ食う以外に自分を切り売りする方法を見つけちゃったようで、なんとなく寂しい気も。
Posted by たお at 2006年10月25日 23:30
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