1994年 アメリカ映画 108分 アクション 採点★★★
そう考えると、スーパーマンって凄いなぁ。何をいきなり“そう考えると”なんですが。いやですね、アメリカンヒーローって基本的に一芸に秀でてる者揃いって言うか、一発芸な方々が多いじゃないですか?ただ速いだけとか、金持ってるだけとか、全身が緑色なだけとか。その一発芸人達の中で、足は速いわ、力は強いわ、空は飛ぶわで何でも出来ちゃうじゃないですか、彼。凄いなぁって。
【ストーリー】
かつてはチベットで極悪人として名を馳せたラモントも、高僧にむりくり矯正され、今では“シャドー”の名でニューヨークで活躍する影のヒーローに。そんな彼の前にチンギス・ハンの末裔がやって来る。目的“世界征服”。どうする、シャドー?
バットマンの大ヒットで、「これからはダークヒーローだぁ!」って作られたのであろう、30年代のニューヨークを舞台にしたヒーロー譚。かつて人気だったラジオドラマの映画化だそうですが、随分と古い所から引っ張り出してきましたこと。
このシャドーの特技は姿を消したりちょぴっと催眠術を使ったりすることなんですが、肝心のその力をどうやって会得したかは字幕でなんとなくウヤムヤに。『バットマン ビギンズ』だったらそこだけで90分かかるのに、いいですねぇ、ウヤムヤで。せっかく姿が見えないのに、高らかな笑い声と共に登場して何となく居場所が分かっちゃう自尊心の高さも、いいですねぇ。ちょっと好きですよ、こういうヒーロー。質問の答えに困って、笑って誤魔化しちゃう所も好きですし。ただ、命を救った人々を半強制的というか、半ば脅迫的に部下にしちゃう図々しさはアレですけど。その自尊心が高く図々しいヒーローとチンギス・ハンの末裔が戦う冗談みたいな物語なのだが、所々に機能はしていないがギャグも多く含まれているので、本気で作ったのか冗談で作ったのかが判明し辛いのは、ちと困ります。
真剣に観てしまうと腹立たしいことこの上ない作品なのだが、上手く機能しなかったギャグを拾いながら観る分には面白い。もちろん笑って差し上げる大らかな気持ちが重要ですが。悪党が揃いも揃って古代モンゴル兵の扮装なのに、移動手段がタクシーってとこも笑って差し上げれば問題ナシ。尾行されていたのに、ちょこっと撒いたくらいで敵の総大将の下に着いちゃうのも、笑って差し上げればヨシ。ただし、せっかく奇抜な扮装で街中を練り歩いているのに誰も振り向いてあげない都会者のひどい仕打ちには、心もふさいでしまいますが。
『ハイランダー/悪魔の戦士』でその類稀なるビジュアルセンスを披露したラッセル・マルケイだったが、本作においてはクライマックスの夜景シーンにその片鱗を微かに感じさせる以外は随分と寂しい仕事振りで。最後の決闘は、まんま『燃えよドラゴン』ですし。それでも一発シリーズ化をして再起を懸けようとしてたんでしょうねぇ。それから10年以上。いまだに続編の話は聞きませんが、私も待ってますよ。『セイント』と『レモ/第一の挑戦』も。
今ではもうこんな仕事をしてくれないであろうイアン・マッケランと、相変らずいつものいい仕事を見せてくれるティム・カリーが観れるのも嬉しいが、やっぱりアレック・ボールドウィンのハンサム演技が見もの。付け鼻と濃い付け眉毛で変身するとウィリアム・ボールドウィンっぽくなるボールドウィン家のハンサム遺伝子の濃さも確認できるし、放っておくとどんなことになってしまうのか不安な濃いヒゲと伸び放題の胸毛が気になるが、“ハンサムは振り向き様が重要”とばかりに何度も振り返り、心の全くこもっていないハンサムスマイルで決めてくれる胡散臭さも最高。さすがランク・トンプソンの“ハンサム俳優コース”の主席卒業生。
こんなむさ苦しい私でも“ハンサム俳優養成講座”を読めば…
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なんでアレック・ボールドウィンがヒーロー役なのか
いまひとつ納得いかなかった思いだけが
記憶の底に澱のようによどんでいます・・・(笑)
あ!そうそう、ジョン・ローン出てた!!
書くのスッカリ忘れてた!
アレックが主役に選ばれた理由は、ハンサムだってことと、スケジュールが空いていたからではないでしょうか?w