2000年 カナダ映画 93分 ドラマ 採点★★★
“ボウイ・アドバンテージ”とは?
私がこよなく愛するデヴィッド・ボウイ本人が出演するなり、楽曲が劇中で効果的に使われると、「きゃー!ボウイだー!」と嬉しくなるので自動的に★が加算されるシステム。写真だけの登場や、会話の中に名前が出てくるだけでも採用される場合あり。レビューはまだ書いていないが、『ボーン・スプレマシー』のモスクワでのシーンにボウイのポスターが映り込んでいて、「きゃー!ボウイだー!嬉しー!」となって、そこしか覚えていないような映画に適用される。逆に『ベルベット・ゴールドマイン』のようにボウイが屈辱的に描かれている場合などは逆に働き、可能なまでに低い採点となる。はいはい、わかってますよ。バカみたいですよね。だって、ボウイ馬鹿ですもの、私。
【ストーリー】
ホジキン病に冒された少年オーウェンの歳の離れた友人ライス氏が死亡。ライス氏がオーウェンに宛てた手紙に隠された暗号を基に、ライス氏の驚くべき秘密にオーウェンが迫る。
「ボウイの小芝居を心ゆくまで堪能するぞ!!」と期待に胸膨らませて観てみたら、ボウイ最初っから死んでた…。もう、ボウイってば。お茶目なんだからぁ。
パッケージを見てみると、“『ザ・メキシカン』の脚本家による〜”とか書いてあるが、肝心の『ザ・メキシカン』を観た事がないので、それで箔が付くのか逆に落ちるのかは不明。で、ボウイはと言えば相変らず“『戦場のメリークリスマス』の〜”と。あの映画のボウイといえば、密林の中に心ここにあらずってな感じで突っ立ってた印象しかありませんが、まぁ日本では有名な作品だからしょうがない。年齢そのままに学生時代を演じる痛々しいシーンも観れましたし。で、今回のボウイは回想シーンのみの登場になるのだが、髪形だけは若いお爺ちゃんな感じになっちゃってまして、相変らず心ここにあらずな真面目なんだか不真面目なんだか分からないお茶目な仕事ぶりです。
作品自体は小学校の道徳の時間なんかに観させられそうな教訓話で、デブ率の高い子供たちが“イジメはダメ”とか“友達は大切に”とかを学んでいく話。作りも非常にTV的で、“ライス氏とどのような交流を?”とか“ライス氏は普段何してるの?”とか肝心な所が説明不足でイライラが募るが、爆発寸前にボウイが出てくるので、その辺はチャラ。不良少年が『バタリアン』に出てくるような分かり易過ぎるパンクスだったり、結局少年達が何歳なのか分からない出来損ないの脚本だったりもするが、ボウイの小芝居が観れるのでそこもチャラ。重要なキャラクターが初めっから居なかったかのように姿を消したり、突然現われたり、映画の最後の方でようやく今が何月なのか分かったりするが、そこもボウイがニカっと笑ったりするのでチャラ。ボウイでチャラに出来ない方は、劇中に出てくる木の数でも数えてれば90分くらいあっという間だと思うので、お試しあれ。
最愛の娘にも見せる事が出来て、撮影が楽ってことでボウイが選んだと思われるこの作品。たぶんボウイの拘束時間は一日くらいだったのでは?
それでも彼のミステリアスな雰囲気は役柄によく反映されており、アラゴルンな人というか、無実の死刑囚である大柄の黒人に触れちゃったのかなという感じのライス氏を好演。“好演”って言っても、言ってることもやってることも物腰が穏やかなだけでジャレスと何ら変わらないんですが。そう思って観てみると、指輪の紋章が迷宮っぽかったり、部屋に何気に水晶玉が置いてあったり、育てば立派な植物の迷路になりそうな何かを庭にせっせと埋めてたりと、到る所が『ラビリンス/魔王の迷宮』。もちろん、ホグルもジェニファー・コネリーも出てきませんが。でも、きっとこれはジェニファー・コネリーにこてんぱんにやられて改心したジャレスが少年に善行を施す『続・ラビリンス』なんだ、と勝手に決め付けてみることに。おしまい。
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