2009年 アメリカ映画 117分 ホラー 採点★★★
何も知らない映画をタイトルだけで面白いかどうか判別するのは至難の業ですが、逆に危険な香りを発してるタイトルってのはありますよねぇ。“○○処刑人”とか“沈黙の○○”とか。まぁ“沈黙の○○”に関しては、こっちもそれを承知で手に取っているんですが。年貢のつもりで。
【ストーリー】
イラクで戦死したバートだが、どういうわけか墓場から蘇ってしまう。どんどん進行する腐敗を止めるには人間の生血が必要であることを知ったバートは、親友のジョーイと共に夜の街を徘徊、偶然出会った強盗を殺害してその血にありつく。そんな二人に妙案が浮かぶ。「悪人殺して血を吸えば、英雄にもなれるし一石二鳥じゃね?」と。しかし、物事そんなに甘くなく…。
『ブロブ/宇宙からの不明物体』『プレスリー VS ミイラ男』など数多くの作品に携わってきたベテラン特殊効果マン、D・ケリー・プリオーがメガホンを握ったホラー・アクション・コメディ。主演は“エイリアス/2重スパイの女”などTVを中心に活躍する、デヴィッド・アンダース。“ゾンビ”に“処刑人”を足した、とっても危険な香りのするタイトルだが、これが思いのほか面白い拾い物で。まぁ、ゾンビってよりはヴァンパイアなんですけど。
アンデッドと化してしまった主人公が、悪党退治で食欲を満たす様を描いた本作。無責任男とのバディムービーの面白さに、恋人との切ない恋模様、モンスターとしての哀しい定めなど、題材を欲張り過ぎてもしゃくしゃしてしまっている感は否めないし、あまりにモッタリとしたテンポはなかなか辛いのだが、コメディに走り過ぎずホラーとしての重さを残そうとしている姿勢や、しっかりモンスターを描こうとしている狙いは間違っていない。最終的にモンスターとして利用されてしまう皮肉さも、結構好みの締め括り方でも。万人に勧められる作品ではないんですけど、“○○処刑人”ってタイトルに騙され続けて免疫が出来ちゃってる方なんかは楽しめるんじゃないのかなぁと。
これ以上悪くはなんないんだから、もう楽しむしかない
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