2010年 アメリカ映画 112分 サスペンス 採点★★
相変わらず意外なところから引っ張り出してくるホラーリメイクってのが盛んですねぇ。オリジナルの大半が奇抜な設定や物語を持っていた訳じゃなく、作り手の不器用さがえも知れぬ歪み的な物を生みだして強烈な印象を残したりするんで、それを器用な作り手が丁寧に作ったら、それはまるで別物の普通の映画になっちゃうと思うんですよねぇ。
【ストーリー】
ベスとダニエルの夫婦は、友人らを招いて新居祝いのパーティを開いていた。そこへ突然、逃走中の銀行強盗グループがやって来る。彼らはその家の前の住人で、家が売られた事を知らなかった。状況を把握できないままベスらを人質に取った強盗犯は、ある人物に助けを求める電話を入れる。やがて現れたのは彼らの母親で…。
トロマの作品の中では比較的ストレートな題材だが、中身は相変わらず能天気だった同名映画を、“奇抜な殺し方図鑑”と化したソウ・シリーズばっか撮ってるダーレン・リン・バウズマンがリメイクしたサスペンス・スリラー。製作者の中に『ラッシュアワー3』のブレット・ラトナーと、トロマ総帥ロイド・カウフマンの名も。この二人の名前が並ぶって、なんかスゴイなぁ。
過激な復讐譚だったオリジナルを、監督お得意の監禁スリラーへと変貌させた本作。言ってる事は概ね間違っていないが、手段は大きく間違ってるアレな一家によって散々な目に遭わされる善人たちが、アレコレ限度を超えて善人のメッキが剥がれていく、いつものアレ。この手の作品に使うのもどうかと思うが、安心して観れる監禁スリラーに。
ただ、安心して観れる反面、この作品ならではの個性もなし。これで強盗犯がまともに見えちゃうくらい善人のメッキが剥がれまくるとか、(一部オリジナルを模してもいる)殺し方や拷問がひたすら不快だったり、全てにおいて理不尽だったりすれば強烈な個性を発するところだが、なんかこう色々理に適った展開がその辺を無個性に。ただの医者とは思えぬ機転と機敏な動きを見せるキャラがやっぱりただの医者だったり、「この人たち、みんなバカなんじゃないのか?」と思える程行動が安易だったりと、狙ったと言うよりは、煮詰め方の足りない行き当たりばったりな展開も気になる所で。
言ってる事はそんなに間違ってはいないが、やってる事は大間違いな母親に扮したのは、未だにゆりかごをグワングワン揺らしてるイメージがあるのか、『ウエディング・クラッシャーズ』のレベッカ・デモーネイが。ジャケ写だとなんかエミリー・ワトソンみたいになってるが、動いてる姿は相変わらずお美しいので一安心。ってか、50を過ぎてこの美貌ってのも凄いなぁと。美熟女とか美魔女を通り越して、魔女だもう。
一方、なかなかの食わせ者だったベスに扮した『ファンボーイズ』のジェイミー・キングと、ある意味一番散々な目にあっていたダニエルに扮した『復讐捜査線』のフランク・グリロも奮闘していたが、やはり魔女には敵わず。一歩も二歩も下がってしまった印象が。
その他、やり手の医師に扮した『フローズン』のショーン・アシュモアや、『フレイルティー/妄執』のマット・オリアリー、『ディフェンドー 闇の仕事人』のトニー・ナッポ、『ソウ4』のリリク・ベントらも出演しているが、やっぱり束になっても魔女には敵わず。
明白過ぎる上下関係
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