2008年 タイ映画 110分 アクション 採点★★★★
カンフー映画を観ていると、往々にしてブルース・リーなど格闘の神さま方が降臨してしまう私。部屋で一人見えない敵と激闘を繰り広げ、蛍光灯のヒモを切ったり枕のペレットをまき散らしたりして女房に怒られます。二年生になる息子にもよく降臨するようで、そんな時は二人で戦います。双方降臨中なので手加減など知らず、だいたい息子が泣き出して終了です。で、また女房に怒られます。神めっ!
【ストーリー】
日本人ヤクザとタイマフィアの愛人との禁じられた愛の末に生まれたゼン。自閉症の彼女は、類稀なる集中力と身体能力で、大好きなカンフー映画の技を瞬く間に身につける特技を持っていた。そんなある日、母親が白血病で倒れてしまう。多額の医療費を工面するため、母親が隠し持っていた帳簿を基に借金の回収を試みるゼンであったが、その行動がタイマフィアのボスの耳に入ってしまい…。
『マッハ!』でトニー・ジャーを送り出した『パーフェクト・スナイパー』のプラッチャヤー・ピンゲーオが、4年の歳月を掛けて育て上げた“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナンを主演に据え作り上げた、情け無用の壮絶アクション映画。アクション監督を務めたのは、『マッハ! ニュー・ジェネレーション』のパンナー・リットグライ。
ジージャーが繰り出す桁外れなアクションに目を奪われてしまうのも当然だが、そのアクションを支える物語がドッシリと重たい本作。主人公が自閉症の上に母親が重病で、立ちはだかる敵がオカマギャング集団に主人公同様アレな子だという、甘いのはタイトルだけの過酷な状況。笑顔も少ない、まさに劇画。この重たい土台が支えているからこそ、アクションシーンに更なる凄味と爆発力が生まれているのではと。“可愛い女の子がアクションをする”という出発点を終着点にしない、甘えと妥協のない姿勢が素晴らしい。
製氷工場や精肉工場など、普通に歩いていても怪我しそうな舞台に選んでのアクションシーンのレベルの高さには、ただただ驚かされるばかり。「避けなかったら怪我するよー」「ちゃんと落ちないと怪我するよー」「最終目標は死なないことだよー」ってなぎりぎりのアクションを、“よく分かってる”距離感で収めている映像も見事。エンドクレジットで流れる、もう単なる決定的瞬間集と化したNGシーンからもひしひしと伝わる、「スッゲェもの作ったる!」って気概がアッパレな一本で。
見た目からは想像できない本格的なアクションを披露し世界中を驚かせた主人公に扮したのは、本作がデビュー作となる“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナン。“可愛い女の子がアクションする”映画なら山ほどあるが、“可愛い女の子が凄まじいアクションをする”稀有な映画に本作がなったのも、やっぱり彼女の身体能力の高さと日々の鍛錬故では。可憐な少女がアクションをすればギャップが自ずと生まれるが、そのギャップを最大限まで広げる本格仕様ってのが見事。ムエタイを始め、ブルース・リーが降臨して怪鳥音と共に披露する截拳道など、様々なファイトスタイルが様になるのも魅力。この辺がまた、“見た技をすぐマスターする”っていう若干吹っ飛んだ設定に説得力を持たせた要因かと。今回は役柄上泣き叫んでるか無表情で睨みつけているかのみの上に、セリフも単語か「ゥエッ!ゥヤッ!」ばっかりだった彼女だが、他にどんな事が出来るのかその可能性が非常に楽しみなヒロインの一人だなぁと。
そんなジージャーの他にも、日本から参加した阿部寛や、本作以外のフィルモグラフィが見当たらないのが信じられないくらいの姐御風情だったアマラー・シリポン、急に小室ファミリーみたいな胡散臭い髪型になってて驚いた『沈黙の聖戦』のポンパット・ワチラバンジョンなど、可憐な少女の物語をぐっと大人の世界に引き戻したキャスティングも良かった一本で。
出来ない事を出来るようになるまで頑張る姿勢が大切なんだなぁと
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
わたしはマッハのスローモーション多様より、
チョコレートファイターのスピード感に圧倒されたんですよね
かわいくて華奢な女の子がキレキレのアクションというギャップがすげーに拍車をかけました
痛い痛い…
華奢だけどスピード感のある蹴り、驚異的な身体能力のジージャーがほんとに可憐で可愛くて強くって、ビックリでしたよね!
個人的にはソルジャーよりファイターのほうが好きかな。
確かに甘いのはタイトルだけでしたが(笑)自閉症の演技も良くできてたと思います
後半の爽快感あるアクションがとにかく素晴らしかったですね
トニー・ジャーはトニー・ジャーで大いに驚かされたものですが、この映画は予告編の時点でノックアウトされた作品でしたねぇ。可愛い顔して本格的を通り越して本物のアクションを見せてくれる、ホント数少ないヒロインの一人だなぁと。
“本物のアクションを見せる可愛い子”
これを待ってたんですよねぇ。美少女が披露するヌルヌルアクション映画をめげずに観続けたのも、いつかこういうのに出会えるはずって夢を持ってたからw
私も断然ファイターの方が好きですが、ソルジャーはまぁ、一風変わったアイドル映画みたいなもんですし^^;
チョコファイ、新年にふさわしいアッパレな作品ですね。
カワイイのに正真正銘ホンモノのアクション、ジージャーちゃんに大興奮。
チョコレートソルジャーも、ジージャーちゃんのカワイイ酔拳を堪能しましたよー
クライマックスではなぜか酔拳関係なくなってたけど
それはそれでスゴいアクションだったし。
今年もよろしくお願いします。
昨年の香港映画の鬱憤を晴らせるのは、タイ映画で尚且つジージャーしかいないってんで観た作品。いやぁ、何度観ても面白い!
〜ソルジャーもまぁ、そのゴタゴタ具合が妙に味があって良かったですけどね。
それでは、本年度も宜しくお願いいたします〜